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3月が気づいたら終わってましたすみません……とりあえず決算終了しましたよかった。。。
レシートは、領収書は溜め込まないようにしませう……。マジで。
部屋に戻ったらふたりとも私の漫画読んでた。
確かに好きにしろっつったからいくらでも読めばいいけど。続き? それ最新刊だよ。ジャンルばらばら過ぎないかって、いいじゃん。好きなんだから。少女漫画? それは持ってない。好みじゃないんだよな。
飲み物ここ置いとくから好きに飲んで。……涼華も気になるなら本棚くらい見ていいぞ?
なんかソワソワしながら確認しに行った。
ん? 何だよ、茜。お前も漫画読んでたんじゃないの? 私と話したくて? なんだそれ。別にいいけど。
隣座ってもいいかって、さっきまで好きに座ってたんだから今更何気にしてんだよ。隣でもどこでも座ったらいいじゃん。
変な茜。
小首を傾げてそう言ったら茜は真隣に腰かけた。ホントに真隣。パーソナルスペースがめっちゃ狭い。
いや、近くね? 嫌? って、別に嫌ではないけど。よかった? ああ、うん。まあいいや。
で、何さ。手? 手がどうかした? 綺麗だよねー、ってなんか褒められた。ああ、ネイルとかはあんま興味ないかなぁ。茜はそういうの好きなのか。あ、ホントだ。へぇ、すごい。グラデしてラメチップ……これ自分でしてんの!? マジか、本気ですごいじゃん!
美容系の専門行くんだ。なるほどなー。……で、なんでそれが話したかったことなんだ?
うん。え? 今度私に練習台になって欲しい、と。なんだ、そんなことか。いいよ、モチロン。茜みたいにキレーな爪にしてくれんだろ? むしろ普通こっちから金払ってやってって頼むようなことじゃん。
そんなことで緊張してたのか。興味なさそうだったから? まあ、あえて自分からはしないけど茜の練習台になるのくらい全然いいよ。
別にネイルすんの嫌ってるわけじゃねんだから。
私がそう言うと茜がほっとしたように息を吐いた。
手を握って礼を言われる。そこまで喜んでくれるのも不思議な感じだけど、まあ喜んでくれてる分には構わないか。
えへへー、と何やら緩んだ顔で笑ってる茜につられて笑う。
「かなちゃんはイケメンだねー」
「……うん、どういう意味だ」
ほのぼのと言えばいいってもんじゃないからな?
私のその評価は何なの? みんなの共通意識? 待って。だから、なぜそんなことが共通認識になってるのかってのをだな……。
「ん?」
「……」
茜に問いただそうとしたら後ろから服の裾を引っ張られた。
思いっきりじゃなくてちょっと摘まんだってくらいの力加減だったけど。なんだ? と思って振り返ったら涼華だった。
手には私の本がある。貸してってことかな? 律儀だな、涼華。優子なんか何も言わずに片っ端から好きなように読んでるぞ。ちょっと見習えよ、アイツは。
「ああ、その本なら好きに読んでいいよ? あ、持って帰って読むか?」
「あ、うん。その……貸して欲しい、な」
私のシャツの裾を摘まんで上目遣いでそう言う涼華。いや、かわいすぎない? 何この天使。
人前じゃなきゃ抱きしめてちゅーしてたわ。
内心の邪な気持ちを押し込んで、貸出オッケ―を告げる。途端にふにゃりと笑顔で綻んだ。うん、可愛い。
ホント癒されるわ、涼華の笑顔。HPゲージとかあったら即全回復すること請け合いだね。
ところで何故まだ裾握ったまま? まだ何かあるのかな。うん? もうちょい大きな声で言って? なんで茜と手を繋いでるのかって?
……ほんとだな。茜、礼はもうわかったから手を……嫌とかではなくてだな、人の手を検分すんなっての。何笑ってんだよ。
「んふふー、ごめんねー涼ちゃん。テンション上がっちゃってー」
「なぜ私じゃなく涼華に謝るんだ」
「え~、かなちゃん嫌じゃないんでしょー?」
「そりゃ友達を嫌がるほど潔癖じゃないよ」
なぜ笑みを深める。なんだっての、だから。
もう爪見ただろ。いいから離せって。えー、じゃないから。ったく、なんなんだ。
そして涼華はなんでちょっとむくれてんだ。いや、むくれてるだろ。違うもん、って言われても可愛いだけなんだけど。
可愛くないもんって、涼華が可愛くなけりゃ世界中から可愛いって単語が死滅するぞ?
心底の気持ちで言ったんだけど、隣で聞いてた茜がなぜか爆笑した。なんでやねん。
「あはは、かなちゃん相変わらずタラシー」
「どの辺りが!?」
「ナチュラルに人を口説くところかなー」
ねー、涼ちゃん。って何ふたりでアイコンタクト取ってんだよ。なんで涼華はおろおろしてんのさ。
おいこら茜、じりじりと距離詰めて涼華に抱き着くな。可愛いーって、涼華が可愛いのは知ってるけど。世界一可愛いけど、抱き着くに至る意味は……無視しないでくれませんかね!?
「ふふー、涼ちゃんほんとごめんねー。でも大丈夫だよー」
「ち、違っ」
「えー、違うのー? じゃあかなちゃんにもぎゅーってしていいー?」
「えっ だ、だめ! ……あっ」
「そーだよねー。ダメだよねー。涼ちゃんかわいいー」
「あぅぅ……」
ねえ、私除け者にして小声で何話してるんだよ!?
さっきまで私と話してただろ茜! なんで涼華ちょっと赤面して……勝ち誇った顔でこっち見んな!
色々察してた茜。
因みに優子は延々漫画読んでた。何も察してない。エロ本は探したけどなかった。ちっ




