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誤字報告ありがとうございます助かります。
便利ですよね、報告機能。使う側としてもありがたい機能だなぁ、と思います。
…遅、くなりましたが、本編です。実はバレンタイン閑話を書いていたのですがUSBデータがすっ飛んでやる気が地に落ちました。すみません……。
まじめに勉強してるらしい主人公’sの図(イチャつかないとは言ってない)
「数学が将来何の役に立つってのよ……っ」
「役に立った結果、携帯とかが出来上がったんだよー。ほら、次はこっちの微積分」
そんなわけで、
「You behave like your father did yesterday. この時の『like』は前置詞じゃなくて」
「あ、接続詞になるのか」
真面目に勉強開始して、
「……どこで√がついたの? この答えに」
「ここかなー。でもそれ以前の話だと思うなーわたし」
1時間半が経過したわけだけど、
「世界史ってなんでこんなに三世だとか十六世だとかでキャラ稼ぐんだよ……」
「史実上の人物だからキャラでは……」
案の定、私と優子が徹底的に教わるという図になっていたりする。
いや、仕方ない。仕方ないんだって。基礎学力の差が明確に出すぎてだな?
世界史とかに至ってはほぼほぼ暗記だっていうのもわかってるけど、覚えるコツみたいなの教わりたいじゃん。
私からの素朴な疑問にひとしきり悩んで、頑張って覚える? って小首傾げて言われた時点で頭の出来の差に絶望したけど。
世界史とかマジで断片的にしか覚えてないよ。ゲームで出てきてくれたら覚えるけど。その結果が穴あき知識だけど。
血の伯爵夫人とか古代メソポタミアとかテストに出ないわな、知ってる。
日本史も興味ある部分しか覚えてないし。最近ちょっと範囲増えたけど。ようやく源氏と平氏がわかったよね。あとはあれだ、新撰組関連はみんな覚えるでしょ? 厨二的には。
っていうか優子が頭から煙出す感じで机に突っ伏して死んでるんだが、生きてるよね? ソレ。
大丈夫? うん、ならいいんだけど。茜は勉強捗った? 復習にはなったからオッケーですか。すみませんありがとう。
涼華もごめんな。ほとんど私に教えてくれるばっかだったよな、ありがとう。教えるのも勉強になるからこちらこそありがとう? え、やっぱり天使かな。この子。
あー、でもちょっと休憩しよう。頭パンクしそうだし、優子はすでにパンクしてそうだし。
お茶のお代わり入れてくるわ。もうみんなペットの飲みモンないでしょ。ん? いや、四人分くらい手間でもないし手伝ってもらうほどのこっちゃねえけど……そう? じゃあ手伝ってもらおうかな。
茜、そこで潰れてる優子のこと頼んだ。ちっと待ってて。……別に部屋漁ってもいいけど散らかすなよ。
ここぞとばかりに跳ね起きるんじゃねえよ阿呆。だからエロ本なんざねえっつってんだろ。いや、DVDもないから。逆に聞くけどお前持ってるか? ねえだろ? そういうことだよ。
茜と優子は部屋に置いて涼華とキッチンへ。
どうした? 涼華。何ソワソワしてんの? トイレ? 違う。そう。何? 勉強に集中してたから気にならなかったけど、落ち着いたらポニテが眩しい? ポニテが眩しいってどういうこと。気にしないで? 気になるんだが。
「うぅ……」
「なぜ唸る。トマトジュースないんだけどお茶でもいい?」
「勿論です」
「なんで敬語なんだよ」
やっぱちょいちょいおもしろいよな、涼華。
なぜかまた顔を両手で覆ってる涼華はさて置いてウーロン茶をグラスに注ぐ。
まあ、ちらっと頭の上の数字が目に入ったところ、ピンク色で点滅してたから戦ってるんだと思う。私にはどうすることもできないので頑張って欲しい。
「……ポニテ下ろそうか?」
「そのままで! その、大丈夫だから! 奏ちゃんが無防備に色っぽいのは重々承知だしポニテとっても似合ってるし本音を言うならあたし以外に見せてほしくなかったかもっていうのはちょっとだけ思っちゃったけど髪下ろしてても奏ちゃんはエロカッコイイしどうあっても大好きだしそもそもポニテだけじゃなくてショートパンツで素足だから目の置き場にはすでに困ってるというかでも見たくないとかじゃなくてむしろ積極的にどんどん見ていきた──」
「落ち着こう!?」
いやもう、落ち着け!? 私はいいけどあとで羞恥に悶えるのたぶん涼華の方だから! ほら、はっとして真っ赤になった。謝る必要はないってば。私はおもしろいから。え、うん。大いに面白いし好かれてるのがわかって楽しいし嬉しいよ?
えー、変かなぁ? だって涼華になら項でも足でもいくらでも見られて構わないもん。からかってないって。だってさ、
「私も涼華のこと見てるし」
「え?」
なぜ考えもしなかった、みたいな顔してるのか。
そりゃ見るでしょ。むしろ世界中に自慢したいわ、この超絶どこもかしこも可愛いの塊の子が私の彼女です羨ましいだろ。みたいな。
眉目秀麗才色兼備って四字熟語、涼華以外に似合うやついる? いないでしょ。
あー、でも涼華の色んな可愛いのを知ってるのは私だけでいいって気持ちも大いにあるけどねー。
笑いながらそう言ってウーロン茶を入れたグラスをトレイに乗せる。とりあえずきょとんとしている涼華には近づいて軽くキスしておいた。
ほら、部屋戻るぞー。あいつらふたりにしておくと部屋ン中荒らされそうだからな。特に優子。別にみられて困るようなモンないけどさ。
なぜか硬直してる涼華を急かして部屋に戻る。
うん、早いとこ戻ってこいな、涼華。理解した瞬間また真っ赤になりそうだけど。
ってかさ、涼華。さっきの無防備に色っぽいって何? ねえ。
なんでまた顔を覆うのさ。あたしの彼女がカッコいい? え、うん、ありがとう。なぜ今? いや、だからさ。さっきの台詞は……目をそらすな、おいこら、涼華。
奏の部屋にエロ本はないですが、優子と奏のその話題中、涼華が顔を背けていたとかいなかったとか。




