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続・変な書き方継続中。
主人公は細かいことを気にしない性格です。
朝になった。目覚ましうるせえ。ばしっと叩いて止める。7時か。
ばしゃばしゃと顔を洗って鏡を見る。自分の頭の上には何もない。なんで自分にはないのだろうか。
リビングに行くと今日は妹も起きてた。26。一晩で2つも増えてる。
母さんはゼロのまま。なんで妹だけ増えてんだ?
さりげなく聞いてみた。昨日の夜なんかあった? え、なんでキョドってんの。え、いや、別に何もなきゃいいんだけど。なんで怒ってんだよ。怒ってない? だって顔真っ赤じゃん。うるさいってうるさいのはお前だよ。叫ぶなよ。もう学校行く? はあ。いってらっしゃい。
なんでキレられにゃならんのだ。
母さんが淹れてくれた珈琲を飲む。美味い。母さん、なんで妹キレてたんだろな? 生理じゃないかって? ああ、そう。
学校へ向かう。
相変わらず人の頭の上には色んな数字が見える。学校に近づくごとにゼロ以外の人間が増える気がする。大人の女性は結構ゼロばっかりだ。バス一緒の人がたまに2とか3とか見えるくらいかな。
教室についた。
おはよう親友。ぼーっとなんかしてないっつの。あー、はいはい。今日は昼飯屋上な。OK。
友達と話す。間中以外10以上の数字が乗っかってる。逆に間中はなんでゼロなんだって気がしてきたわ。
教室がざわつく。ああ、東雲さんが来たのかな。ドアの方を見る。ビンゴ。
東雲さんの頭の上も見る。395。…………10くらい増えてね?
なぜかこっちに向かって歩いてきた。おはよう東雲さん。うん、昨日? お礼言われるようなことしてないよ。また一緒に? いいよ。また遊ぼう。
笑って席に歩いて行った。美人の笑顔ハンパないよね。
親友が掴み掛ってきた。どういうことだって昨日一緒に帰っただけだよ。実行委員一緒なんだってば。知ってるだろ。羨ましい? お前も普通に誘えばいいじゃん。誘えるなら誘ってる? それは知らねえよ、頑張れよ。
チャイムが鳴った。
つつがなく授業を消化。ぼーっと黒板を見てたんだけど、なぜか東雲さんと目が合う回数が多かった気がする。気のせいか? なんでわざわざ後ろ振り向いてたんだろう。
昼休みになった。
親友と他の奴らにも声をかける。お腹すいたー。いざ行かんとしたら東雲さんに声をかけられた。何? どうかしたの? 実行委員の話? あー、それは仕方ないな。
親友たちには謝って食堂に行ってもらう。羨ましがられたけど、実行委員の話って仕事なんだが。
東雲さんと歩く。音楽準備室に行くらしい。ご飯はそこで食べながら話すのね。鍵は東雲さんが預かってるの。そう。変なとこで集まりあるんだね。
んー、東雲さんにも聞いてみるかな。数字1日ですごい増えてたの東雲さんくらいだったし。
ねえ、また変なこと聞くけど、東雲さん昨日の私と別れたあとなんかした? 漠然としてる? ああ、そうだよね。んー、あ。そうだな、10とかそんな感じで。わからない? だよねえ。……ん? ねえ、東雲さん、なんか顔赤くない? 大丈夫? 熱あるの? ない。それならいいけど……具合悪いならひとりで行くよ? それじゃ意味ない? ……なにが?
押し問答してる内に準備室についた。まあ、大丈夫っていってるから大丈夫なんだろう。具合悪化しそうなら保健室に連れて行こう。
準備室に入る。あれ? 机とかなくない? 準備室とか初めて入ったから勝手がわかんない。
首をかしげて東雲さんに振り返る。かちゃんって、え? 何の音? 鍵閉めた? なんで?
うつむいてて東雲さんの表情がわからない。とりあえず暗いし電気だけでもつけようと思ったら、東雲さんに腕をつかまれた。
え、あの、どうしたの? 具合悪くなった? 違う。そう。電気つけない? ちょっと待って? ……わかった。
数分そのまま。なんなんだろう。いくら私でもさすがに実行委員が言い訳だったってのはわかった。ただ、理由がわからない。相変わらず腕をつかんだままうつむいてる東雲さんの行動を待つ。
……おなかすいたなあ。
どうしようもないので東雲さんの頭の上の数字の意味を考えてみる。
好感度とかどうだろう。東雲さんならすごい好感度向けられてそうだし。ああ、でもそうなると母さんと父さんがゼロとかちょっと切なくなるし離婚の危機じゃん。なしなし。
せめて自分の数字もわかればなあ。もしかしたら当たりつくかもしれないのに。東雲さんだけ異様に高い数字ってのはなんなんだ。偏差値ー……なわけないわな。1日で10増える意味もわからんないし、東大入学レベルで偏差値70超えくらいだろ。300超えはないわ。
ぼーっと数字を見ながら考えてたらようやく東雲さんが再起動した。上目遣いで見つめられる。美人はいいなあ、そういう下から覗き込むとか美少女がやるから可愛いんだよね。
「あの!」
阿呆なことを考えてたら、東雲さんが意を決したように勢い込んで話しかけてきた。そんな気合のいることなのか。心持ち真剣に東雲さんの次の言葉を待つ。
「ひ、響さんは、あたしのこと、どう、思う……?」
「…………えーっと、どうとは?」
どうしよう。質問の意味がわからなかった。申し訳ないけど馬鹿にもわかるように質問して欲しい。
私の返しを想定していなかったのか東雲さんがプチパニックになる。いや、慌てないで。ごめんなさいって謝られてもなぜ謝られたのかもわからんよ。っていうかむしろ理解出来ない馬鹿でこっちがごめんね?
東雲さんを落ち着かせるようにゆっくり話しかける。どう、ってほんとどういう意味でなのか。
思ったまま答えればいいの? パーペキ超人美人だと思っているが。そういうことじゃない? ごめん、阿呆で。
どうしよう、正解がわからない。
疑問符を浮かべまくってる私を哀れに思ったのか、顔を真っ赤にしたまま東雲さんがぽそぽそと言葉を紡いでくれる。
「あの……響さんは、好きなひと、いる……?」
「いないけど。え? なんで? 今関係あることだったの?」
え、それぷるぷる震えながら聞くこと? っていうか、なんでそんなこと聞かれてんの? 恋話したかったの? こんな暗いとこでやらんでも別にいつでも聞くのに。なんでわざわざ私に恋話したかったのかわからんけど。東雲さん、友達いっぱいいるのに。違う? そうじゃない? ええ……頼むよ東雲さん。馬鹿にもわかる説明してください。あとお腹すきましたよ。電気つけて飯食いながら話さない?
もうちょっと待って? はあ。わかったけど、昼休み終わっちゃうよ。なる早で頼むよ。
暗い中で東雲さんが深呼吸してる。ちょっと埃っぽいからあんま吸わない方がいいと思うけど。気持ちの問題? あ、そう。
何回か深呼吸して落ち着いたらしい。ぐっと拳を握りしめて私に向き直る。え、殴るとかじゃないよね。違うよね。
「響さん!」
「う、うん。なに?」
「こ、こんなこと言って、気持ち悪いと思われるかもしれない、けど……ど、どうしても伝えたくて…………あの、あたし、あたし、ね」
「落ち着け、東雲さん。大丈夫だから、東雲さんのこと気持ち悪いとか思わんから」
だから泣きそうな顔しないで。美人に泣かれると自分がすげー悪いことしたような気になる。……なんもしてないよね? 大丈夫? ありがとう。
じっと見つめられる。
東雲さんの視線はちょっと下。ナチュラルに上目遣い。それ間中にやると即オチると思うよ。なんで間中って? まあ、プライバシーってことで黙秘で。
で、落ち着いた? よかった。続けていいかって? うん、もちろん。
「響さん、あたしね」
「うん」
「響さんのことが、好きです。恋愛感情として、響さんのことが大好きなんです」
「そっか、わかっ……………………え?」
安易に相槌を打とうとして物の見事に失敗した。
え? なに? だって、今、東雲さんなんて言った?
混乱してる私をよそに東雲さんが勢い込んで喋ってる。
「おんなのこ同士なのはわかってるけど、好きなの。2年になって同じクラスになれてすごく嬉しかった。
響さんは男子にも女子にも人気であんまり話せなかったけど一緒の空間にいれるだけで嬉しかったの。昨日一緒に帰れていっぱい話せてすごく楽しくて、やっぱり大好きだなって思って、でもあたしも女だから響さんの迷惑になっちゃうと思ったの。でも間中くんが羨ましくて。親友だから響さんといつも一緒にいるし、あたしも響さんと話したいのにって。そう思ったら、声かけちゃってて……頭の中響さんでいっぱいになっちゃって、昨日一緒に帰れてまたね、って約束出来たんだからそれで満足しとけばよかったのにね。ごめんね、気持ち悪いよね、言うつもりなかったんだけど、ううん、違う、言い訳だよね。こんな誰もこないとこに連れ込んで。ごめん、なさい。ごめん、響さ……」
「いや、わかった、わかったからとりあえず落ち着いて東雲さん!」
すっごい怒涛の勢いでまくし立てられたけども!
ちょっと強引だけど両肩に手を置いて軽く揺する。東雲さんは泣きそうな顔してた。いや、泣きそうっていうか泣いてるわ。ポロポロと涙が溢れてる。泣いてても美人とかホント絵になるなー……いや、そんな感想抱いてる場合じゃないわ。
落ち着かせるようにゆっくりと話しかける。床はちょっと汚いかもだけど座って隣り合う。
いきなりでビックリはしたけど、別に気持ち悪いとかは思わないし、私。こんな美人に好かれてるとかむしろ嬉しいくらいで。私なんかのどこがよかったのかちょっとわかんないけど。
女同士でも男同士でも好きって気持ちにいいも悪いもないよ。惚れたら仕方ないじゃん。だから、泣くことないから。勝手に涙が出てくる? そっか。じゃあ好きなだけ泣きなー。泣いたらストレス発散になっていいらしいよ。あ、目はこすらないようにね。あとで濡れハンカチでも当てとくといいよ。貸したげるから。優しい? 普通だよ。泣いてるヤツほっとくとか人でなし過ぎるしロクな奴じゃねーじゃん。
「優しいよ。こんな気持ち悪い子に、ハンカチまで貸してくれるなんて」
「だから気持ち悪くなんかないって」
「気持ち悪いよ。あたしのしてること知らないからそんな風に言ってくれるんだよ……」
「そんな変なことしてないでしょ。物なくなったこととかもないよ? 私」
好かれて気持ち悪いとかあるわけないし。気持ち悪いってのはアレだよ。ガキのころ好きな子のモン盗むとか縦笛舐めるとかして吊るし上げくらってるヤツがいたけど、そういうのだよ。
だから東雲さんは大丈夫だって。私、迷惑になることとか一切された覚えないし。
なんで自嘲気味に笑ってるのさ。や、泣き止んだならよかったけど。え、知らん内になんかされてたの? 私。危害は何も加えてない? じゃあやっぱり大丈夫じゃん。
素直にそう思ったから答えたんだけど、自嘲気味に笑ってた東雲さんがまた泣きそうになった。なんでだ。やばい、なんか私気に障ること言った? 違う? そう。え、どうしたの? いきなり肩に手置いて。あ、ちょっと、コケるこける。なんで、押して……
「うおぁっ!?」
「響さんってホントいい人だよね。ねえ、あたし、響さんを汚してたんだよ? 昨日も、今日の朝も。今までも何回も。10回ってさっき言ったよね? なんだと思う? あたしビックリしちゃった。ううん、わかってる。きっと違うことなんだろうけど。でもね、昨日、響さんと分かれてから10回って、あたしが、響さんを汚した回数と同じなんだよ。10回も、しちゃったの。だって好きなんだもん。現実では触れないけど、妄想ならなんでも出来たの。響さんのこと考えるだけで身体が熱くて、濡れちゃうから何度もイっちゃ――――――」
「落ち着け東雲さん!?!?!?」
馬乗りになられてそんな告白されてもなんて言っていいかわからんよ!? そういうのは秘めとこう!? そして図らずも数字に当たりがついちゃったよ! いや、今ちゃんと考えらんないからハッキリと正解かはわからんけども!
とりあえず暴走気味というか半ば自棄になってる感じの東雲さんを宥める。馬乗りになられてるから宥めにくいけど。まさか同級生に馬乗りにされる日が来るとは思わなかった。そしてオナったことを暴露されるとも思わなかった。人生って不思議。
落ち着いた? 東雲さん。落ち着いたか、そっか。恥ずかしい? うん、そりゃ、まあ、そうだろうとは思う。でさ、顔覆ってるのはいいんだけど、そろそろ上からどかない? いや、重くはないけど。夢が叶って嬉しいからもうちょっとこのままで? オカズにするから写メらせて? じゃあ、仕方ないな、ってそんなわけないでしょ! 東雲さん、キャラ変わってない!?
なんかすっごい疲れた。
東雲さんにはちゃんと退いてもらって、いい加減腹減ったから持ってきてた弁当を一緒に食べる。電気は消えたまま。や、もう目が慣れて見えるからいいけどさ。
さっきチャイムなっちゃったから5時間目はサボり決定。優等生がサボっていいの? 一緒にいる方が大事? あ、はい。そっすか。
なんか吹っ切れたのかあっけらかんと好意をぶつけてこられる。知られたことより恥ずかしいことないもの? ……そうね。
他愛ない話をして食べ終わる。母さんいつもありがとー。
さて、なにして暇つぶそっか。
「響さん、あたしの言ったこと覚えてる?」
ぷくっと頬を膨らませて抗議された。え、でもいろんなこと言われすぎて正直どれのことかわからんのですが。オカズにされてたことがインパクト強すぎてですね。
「そ、それは忘れてお願いだからぁぁーー! そうじゃなくて! 響さんに、こ、告白……したんだよ、あたし」
上目遣いプラス涙目頂きましたー。ほんと可憐な美少女以外の何物でもないよね。さらさらの黒髪ロングとか都市伝説だと思ってたよ。トリートメントなに使ってるんだろね。こんな美少女に告られて返事待たせるとかナニサマ…………私か。私だね。なんで私なんだろう。
東雲さんのことは勿論嫌いじゃない。美少女は世界の宝だーって誰かも言ってた気がするし。船の上の学校のエロい人あたりが。今はどうでもいいね。そうね。それは置いといて。
私は東雲さんを好きだろうか。好きだけど、それは友情として、だ。とりあえず付き合ってみりゃ好きになるかもーとかも聞くけど、真剣に告ってくれた東雲さんにシツレーだと思うんだよね……。あ、私の考えだから、別にそうする人をdisってるわけじゃないけど。
だから、まあ、断るのが正解、なんだけど……ほんとナニサマだよ私感が拭えない。
じっと見つめてくる東雲さんの視線が痛い。
うう、ごめん。東雲さん。
「……ごめん」
「そっか。うん、ありがとう。ちゃんと考えてくれて。気持ち悪がらないで、あたしのこと考えてくれただけでも嬉しい」
「そんなの当たり前……」
「その当たり前って言葉が嬉しいの。響さんはあたしが女だから断ったわけじゃないでしょ? じゃあ、あたしでも頑張ればまだチャンスあるかもだよね?」
「え、あ、うん。そう、なる……のか?」
「ふふ、じゃあ早速だけど今度の日曜、一緒に遊ぼ? LIMEも交換して、あ、奏ちゃんって呼んでいい? あたしのことも名前で呼んでほしいな」
「お、え、あ、うん。たたみかけてきたね!?」
東雲さん、意外と肉食系だった様子。
サクッとLIME交換して、日曜の待ち合わせ場所も決める。11時にハチ公前ね、了解。どんな格好でって普通だよ。ジーパンとかそんなん。楽しみ? そんな楽しみにするようなもんでもないけど、東雲さんが楽しいなら、まあ、いいか。
え、なんでいきなり怒ってんの? あ、はい。私は奏です。東雲さんはって? あ、そうか、ごめん。はい、呼ぶよ。わかってるってば。慣れた方で呼んじゃっただけだって。
「ごめんって、凉華」
なんで崩れ落ちたの!? ビックリするんだけど! 腰砕けた? エロい? 普通に呼んだだけですけど!?
照れ隠しだった様子。
名前呼んだだけでこれって、今後大丈夫なのだろうか。学校では名字で呼ぼうか? 下で呼んでほしい? そう。や、私はいいけど、顔スゲー赤いよ? うん。暗いけどもう目ェ慣れたから普通に見えるし。涼華も見えるでしょ? や、だからそこで赤面しないでってば。頑張る? あ、うん、頑張って。
たいしたことのない話をツラツラと。
昨日も思ったけど話結構合う。ゲームとかすんのね、涼華。私がやってるって聞いたから? 健気属性まで兼ね備えてるよこの美少女。
5時間目終わりのチャイムが鳴った。
さすがに連チャンでサボるのはどうかと思うし、教室へ。
教室に入ったら間中が詰め寄ってきた。うざい。どうもしないよ。なんで涼華と一緒かって、たまたまハチ合わせたんだよ、廊下で。涼華って何って、名前だろ。そういうことじゃない? 別にいいだろ、仲良くなったの。それだけ。羨ましいって知らんよ。紹介? 一緒のクラスなんだから普通に話しかけろよ。ヘタレ。
奏ちゃん、またあとでねって涼華が席に戻る。私も間中をあしらいながら席に着く。次は現国だっけ。
三谷、辞書いるっけ? 次の現国。いらん? わかった、サンキュ。あと間中引き取ってくんない? 断る? 今なら三割引きだから。間中五月蠅い。
休憩時間終わり。先生が来た。
ぽけーっと授業を聞き流す。必要部分は聞いてる。大丈夫。
相変わらずみんなの頭の上に乗ってる数字が見える。そういや涼華が衝撃的すぎて頭からすっ飛んでたけど、この数字って、確定ではないけど、オナった回数っぽいんだよな……確か。うーん。でも単純にそれだとなーんか腑に落ちない。間中がゼロはありえないだろ。男子高校生が今までゼロなわけないだろうし、そもそもあいつこないだ里中からAV借りてたし。
なんだろうなー。やっぱたまたまかな、涼華の独白とかぶったのは。
結局答えは出ないまま放課後。帰宅部は早々に帰る準備。おう、またな、涼華。部活頑張れー。
ひらひらと手を振って、いつものメンツで帰路へ。
東雲さんと仲良くなるとか羨ましいーとかそんな話。高嶺の花? わかるわかる。でも話してみればフツーだったよ。気楽な私が羨ましい? うるさいよ。
コンビニでアイス買ったりしながら駄弁って、適当なところで解散。
ただいまー。あ、母さん早いね。今日はグラタン? やった。手伝う手伝う。ちょっと待ってて。ん、ああ、ただいま妹。機嫌治ったのか? 別に怒ってなかった? そりゃ悪かったよ。
26を乗っけたまま妹が部屋へ走りこむ。歩けよ。
手を洗ってキッチンへ。
付け合わせのサラダを母さんの隣で作る。ポテサラ。美味しいよね、ゆで卵は外せない。
作ってる間に父さんも帰宅。数字はゼロ。まあ、もう、気にするだけ無駄かもしれないからスルー。家族みんなでいただきます。
リビングでテレビを見る。野球が見たい? ジャンケンの勝者にこそ選択権は相応しい……え、母さんも参加? 妹も? 負けられない戦いがここにある!
負けた。
ラブロマンスとかよりサスペンスが見たかったのに。母さんと妹見たいの一緒じゃん、ずりーよ。ちぇ。
なんだかんだみんなでドラマを見てお風呂に入る。夏でも湯船派。
あっつーい。リビングで涼んでたら入れ替わりで入った妹があがってきた。ポカリ淹れて? 自分で淹れろよ。ついで? はいはい。
ん? 数字が27になってる。あれ? さっきまで26だったのに。
なあ、妹よ。いや、別にたいしたことじゃないけど。風呂でなんかあった? なんかってなにかって? 私にもわからんのだけども。意味わからん? だよね。風呂でなんもしてない? 身体洗った。そりゃそうだ。ってか、顔赤いけど大丈夫か? のぼせた? うわっ、なんで殴るんだよ。顔洗う? あ、そ。いってらっしゃい。のぼせたんなら十分冷やしときなよ。
暴力妹は放っておいて部屋へ。
ん、携帯光ってる。LIMEか。あ、涼華からだ。
何回かやり取りして、12時近くなったので就寝。おやすみなさい。
明日、数字消えてればいいなー……。
ヒロイン登場。
たぶんヒロイン。おそらく。めいびー。