11
ブックマークが300を超えました。ありがとうございます。嬉しいです。
当初のプロットには全くなかったのに、なぜかバカップルになりつつあります。
涼華が真っ赤になったまま動かないんだけど、どうしたらいいかな。私。
いや、だって、可愛かったんだもの! コイビト同士なんだからちゅーしてもいいよね? そこは大丈夫だよね? なんかどこかから手ェ出すの早いわって聞こえた気もするけど空耳だと思う。結局今日は誰も屋上に来なかったし。幸いというかなんというか。
涼華。涼華ちゃん。涼華ー。あ、動いた。俯いた。って、なぜなのか。
ん? 何? 何か聞こえる。うん。…………キス? うん、キスした。だって可愛いんだもの、涼華。初めて? 夢じゃない? うん、夢じゃないし私も初めて。初ちゅー同士だね。
私がそう言うや否やがばっと顔上げて、いきおいよくホント!? って問い詰められた。こんなこと嘘ついてどうするのか。
コイビト出来たのも初めてだし、ちゅーしたのも初めてだよ? ってか、誰かを真剣に好きになったのも涼華が初めてかも。
嬉しい? そっか。私も涼華の初めてになれて嬉しいよ。
だからちょっと離れよう、涼華。近い近い。胸元のシャツそんな握られると皺になる、っていうかボタン取れる。さっきまでのマジ照れはなんだったの。今、顔の距離10センチよ?
指摘した途端、我に返って照れるからホント可愛い。
役得なので、抱きしめてもっかいちゅーしておいた。
……ら、またフリーズしたからくるっと膝の上で回転させて、後ろから抱きしめておくことにする。
解凍されるまでいい感じの抱き心地を堪能しておこう。…………水着ンときも思ったけど、涼華、やっぱり胸割と小ぶり。言わないけど。
あ、腕に当たっただけで揉んでないから。不可抗力だから。……誰に言い訳してんの私。
ぬくぬくとしてたらチャイム鳴った。
あー、授業怠いなー……。次なんだっけ。現国? センセ休みだから自習ってホームルームで言ってた? あはは、聞いてなかった。ラッキー。それじゃ、もうちょい……具体的にはあと1時間ほどふたりで居よっか。
フリーズからようやく解凍された涼華が頷いたので、抱っこしたまままったり継続。
うん。もーちょいこのままで。 嫌? 嫌じゃない。嬉しい? 私も嬉しい。
リア充バカップルと言われても今なら許容出来るわ。
そういや涼華。昨日あのあと大丈夫だった? お母さんに変に思われたんじゃない? 平気? そっか。ならよかった。
ん、なに? お母さんよりお姉ちゃんが? そういや涼華、お姉さんいるんだったね。私は妹いるよー。中三でね、まあ、たぶん反抗期。可愛いの可愛くないのって、まあ可愛いんだけどさ。なんだかんだ言って。名前? 琴音。今度家来た時紹介するよ。
え、うん。勿論。お家デートもしようよ。なんで慌ててるの。いいから! 菓子折りとかいらないから!
普通にね。普通に。落ち着いた? それはよかった。
そうそう、家族への挨拶は両家の了承を……って、涼華? 涼華さん? 落ち着ききれてないよ? 早いから。展開早すぎるからそれ!
暴走しかけた涼華を落ち着かせる。
なんかルーチンワークに組み込まれそうよこのままだと。
恥ずかし気に顔を覆ってる。後ろから抱きしめてるから顔見えてないのに、私。っていうか、耳隠れてないから真っ赤なのは丸わかりなんだけど。
可愛かったのでうなじにキスしてみた。
「ぁ、んっ……!」
………………。
……いや、なんていうか、……ごめんなさい。
聞いてないよ。私何も聞いてないから。大丈夫。だからそんなに大慌てで離れないで。うなじ抑えたまま涙目で見つめないで。ほんと私が悪かったから。
「…………」
「……すみませんでした」
沈黙が怖いよ!
美少女に涙目で睨まれるのはご褒美とか言う人もいるかもしれないけど、罪悪感しかないからコレ。朝とはまたなんか違うから。
あの、ほんとごめんね。涼華。怒って…………怒ってないはない、ですか。そっか。恥ずかしいので忘れて? あ、はい。忘れる。忘れるから。涼華がうなじ弱いとか記憶から抹消しとくから。そこじゃない。……え、じゃあどこを忘れれば……。……変な声?
「別に変じゃなかったけど。色っぽかったし」
「忘れてぇぇーーー!!!」
「えぇ!? ごめん!」
どうやら間違えて地雷を踏みぬいた模様。
本気で恥ずかしがってるというか羞恥に悶えてる。照れとかそういう段階じゃないね。不用意にうなじには触れないようマジで注意しよう。
……よく考えれば性感帯に不意打ちで触れたってことだものな。うん、ほんと気を付けよう。っていうか、ああ、じゃあ、あれはそういう。
……そりゃ羞恥に悶えるわ! 阿呆か私! すぐ気づけ!
涼華を宥めるのに10分かかりました。
まだ仄かに顔が赤いけどたぶん大丈夫だと思う。私も多少赤いと思うし。
性的に好きとか告った(告られた)あとでコレはダメだわな。反省。徐々に行こう、清く正しく。……いい感じ仲良くにその段階へ向かおう。興味がないわけではない。言わないけど。
ところでさっきから涼華の数字がすっごい点滅してるんだけど、これは、何原因なんだろうか。
もしかして心拍数が急上昇すると点滅する、とか?
前のプールんときも点滅してたときってテンパってたから心拍数あがりまくってただろうし。
うーん……。
ひとりで考えててもラチがあかないので涼華に相談することにする。
話題を変えて雰囲気も変えたかったという利害の一致により数字の話に。聞けば色々考えてきてくれたみたいでありがたい。
ねえねえ、今涼華の数字すごい点滅してる。
えーっと、歩行者信号の切り替わりのときくらいの早さ。って、これ伝わる? よかった。今日は変動してるかって、涼華の数字がってことだよね。うん、増えてるよ。415になってる。昨日は407だったから8増えてるってことになるね。
他に変わったこと? ああ、そういえば今日服装チェックあったでしょ? そのときの風紀委員の子の数字が192だった。確か。ううん、同級じゃなくて1年の女子。涼華よりは少ないけど、今まで見た中で二人目か三人目くらいじゃないかな、100超えてたの。
さらさらと涼華がメモを取っていく。
色々書いて考察してくれてる感じがすごい。あ、数字の点滅が穏やかになってきた。
昨日と同じように涼華に聞かれたことを答えていく。
…………なんか涼華の顔色が悪くなってきてるような気がするんだけど気のせいだろうか。
妹の名前初出:琴音。
涼華の性感帯:うなじ・他多数。
何やらなんとなく嫌な予感を覚え始めたみたいです。




