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第一章 自慢のお母様
私のお母様は魔術師です。この国最強の、そして最大の魔術師なのです。そんなお母様なのに私のことを大事にしてくれます。昔、戦争に行ってしまったお父様はもう戻ってこなくなってしまいましたけれど。それでも私は悲しくありません。
お父様も英雄なのです。押し寄せる敵の軍勢に最後の一人になっても戦い続け、伝令を逃がし情報を伝えさせた英雄なんです。だから、泣かないで、誇りに思って生きていきます。
「ペレー!」
どうやらお母様が帰ってきたようです。
「お母様!」
私はお母様が大好きです。優しくてあったかくて、とても強い。そんなお母様がいつも私の隣にいてくれます。