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ダンジョン経営で都市づくり  作者: pawn7
試行錯誤は基本です
4/16

食わなきゃ始まらない

ブックマーク評価ありがとうございます!うれしい!うれしい!書くモチベーションになります。途中でやめないですみます。すぐ書くとは言えないけど、ゆっくりでも進めていくつもりです。

 セイタカはおじさん以外にも、鹿らしき動物を捕まえてきていた。弓で一発。手槍を器用に使いながらそれを解体し始めている。手際がいい。どういう仕組みになっているんだろう。コアから現れた生物は、知識や常識を始めから持っているようだけど、そんなことあり得るんだろうか。疑問を口に出してみた。

「それはですね、マスターのように膨大な脳および人格のコピーデータベースがございまして、そこから引っ張り出しているんですね!共通の目的-我らが陣営の発展と、世界衰退ですが、その目的のために一致団結しよう、という常識は自らの肉体がマスターおよびこの迷宮によって再構築された恩の様に、深く体に染みついています。人が自然に、社会に所属するようなものです」

 あいかわらず妖精さんの説明は、だけどテンション高めて要を得なくてほほえましいなあ。


 とりあえずおじさんから武器を離して、鎧もできるだけ脱がしておく。重装備の板金鎧はそれ自体が危険な金属の凶器だからさ。ガタイがいいから、ドワーフ3人がかりで勝てるかな?でも、セイタカが後ろからのしちゃったんだよなあ。どうしようかな。ナビィは人類に敵対的に振る舞うようそそのかしてくるけど、自分ではそこまでいく覚悟はできないんだよね。


 ナビィにお願いして、ドワーフを呼び戻し、えっちらおっちら作業をする。水源の中央広間を少し拡張して、ポイントで鉄の網なども用意して、セイタカには乾いた小枝を探してもらう。できるだけ自分たちで作るけど、技術的に厳しいところはポイントを使って済ませてしまう。そうやってシカ肉を焼く用意ができた。ついでにセイタカが丸っこい木の実などを取ってきてくれた。

「これ、食べられるの?」

「ま、その辺の熊に食べさせたら大丈夫だったから、行けるんじゃないですか?」

 それはそれは結構なことで。というか、熊がいるのか。

「セイタカは、熊は倒せそう?」

 首をかしげて、

「肉弾戦じゃ無理ですね。罠を仕掛けて、弓を打って、手槍を投げて、安全のために集団でかかれば行けると思います」

 心得がなくっちゃ、それも難しいのだろう。部下でもそのうちつけるかな?


 火をつけるのが面倒なので、火の魔法を習得してみた。1000ポイントかかった。高いなあ。ナビィがにこにこして、

「火は人類が最初に手にした文明の明かりでありますね!今空気のように使っているエネルギーの始まりは火なのです。発電はタービンを回して起こる!結局人類は、複雑に洗練された手法を用いているだけで、釈明期と同じ世界にいるのだと、火は感じさせてくれますね」

 あんまり狂ってないことをナビィが言うのは久しぶりだな。焼肉のにおいで少しのんびりしたかな?見ると、ドム、ピーリ、バンゴゥのドワーフ三人組も、ややくつろいだ様子だ。セイタカは大き目の枝を使って、何やら細工物を作っている。…酒でも出すか!

 ポイントで買った酒は、それほど旨いわけでもなかったが、ナビィを始めとして一同をくつろいだ気持ちにさせた。塩も振った。野菜も買った。ほとんどは先進文明に頼って創り出された食事でも、少なくとも部分的には自分たちで手に入れたのだ。自分も以前の記憶がなく、ドワーフやエルフたちもそれは同じだ。だが、今後どう洞窟を作っていくか、食料を得ていくか、など、自然と話すうちに、ちょっとした仲間意識らしきものが生まれ始めていた。

「やっぱり、食料を得るには交易だと思うんだよな」

 ドワーフにしては背が高い―だがセイタカには見下ろされる―ピーリがぼそっと言う。

「近所から木のみを取ったり、獣を狩ったりするのも限度があるしね。栄養のバランスも偏るし」

 セイタカが首を縦に振る。

「そんなバランスなんて考えてる余裕があるのか?それに交易って言ったって、交換するものがないだろう」

 バンゴゥが肉を裏返しながら疑問を投げかける。

「何、俺がちょっとした鉄細工みたいなもの作ってやるよ。鍛冶場があればだけどな」

 ドムがくぐもった声で返す。

「支配域を拡大すればそうした施設を建てるのも容易になります。セイタカの招集と私の力によって、この森を支配するのは容易です。ただ、強力な縄張りを持つ生物をいくらか仕留めたり、薄い結界を貼って迷宮化する必要があります」

 ぐっと落ち着いた様子でナビィが助言する。肉ばっかり食べて満腹で腹が膨れている。コアの癖に芸が細かいなあ。

「木材くらいかなあ、交易品になりそうなのは」

 独り言のつもりでいたが。


「木材なら喉が手が出るほど欲しがっている村がいくつもある」

 聞いたことのない声。


 ふと後ろを振り返ると、全身甲冑のおっさんが、青い目を強く光らせてこちらを覗きこんでいた。


勢力概要



所有ポイント    27850

支出合計     -1400


内訳


火の魔法習得   - 1000

バーベキューセット -300

野菜、エール人数分 -100


合計        26450


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