文明衰退のため、自領の発展に力を注ぐ
誤字とかあったら感想欄で教えていただければと思います。
170cmくらいあるエルフで、背高のっぽ。なので、セイタカと呼ぶことにしました。単位はいい感じにコアが私に知覚できるように調節してくれている。周辺を囲う森を散策し、ざっくりとした地形をつかんで報告をしてもらう。ついでに野生動物を狩って食料を確保したい。
精鋭エルフには弓矢や手槍を持たせて(-100ポイント!)見回りにいかせた。どんな野生動物がいるやら。そういえば、あんまり気にしてなかったけど、羽虫がちらほらいる。大自然はやっぱ住むには大変だね。都市生活をしたい。
「なんとか快適にならないの?」
ナビィに聞いてみる。
「ポイントがかかりますよ。いいんですか?」
そうだろうな。ドワーフが異様な効率で、最初の広間の周囲に部屋を掘ってくれたから、北をトイレ部屋にして、東を私の私室に、西をキッチンにしてみよう。南にもうちょっと掘り進めても経って、拡張をするかな。排泄物を肥料として溜めておいたり、紙や掃除用具などの備品を購入したら、1000ポイントにもなった。ま、不衛生になるよりはましだね。ところでこれ、ダンジョンなのか?まあ、まずは生活基盤を整えないと、なんにもできないしね。
資質の床と壁はポイントを使って綺麗に整えて、ベットも個人用を用意した。
「しっかし便利だよね、ポイント使えばなんでも手に入る」
ナビィはにっこり笑って、
「迷宮を拡大し、地脈から魔力を吸えば安定的にポイントが手に入りますよ!」
しかし、魔力って、なんなのだろう?
「魔力ってなんなの?」
「意志エネルギーのことです!星の最北端と最南端に設置された巨大機械から放出され、あらゆる生命及び無生物の意図や意思によって現象を起こすよう設計された力のことです」
はて。この人たちが魔力を発生させていたのか。なんのために?
「なんでわざわざそんなことしているの?」
妖精は邪悪そうににたっとした笑いをした。本人は感じよく、にこっとしたつもりなのだろうが、人格がにじみ出ている。
「もちろん、文明停滞のためです!人個人の魔力の多寡によってさまざまな現象を起こすことができれば、発明家が利益を得辛くなり、技術革新を防げます。あの恐るべき蒸気機関や電信はいまだ出現しておりません。魔力を持った強力な個人が整った集団を打ち破り、安定した政治体制は整い辛い。栄枯盛衰を循環型に繰り返し、均衡は常に破られる!」
アッハッハと笑う妖精は、やっぱり怖い。どうも、ここらの文明は非常に長く、停滞しているようだ。
「それだけではありません。幾多の制約を振り切って進歩しようとする国家文明に対しては、諸ダンジョン間で兵力を出し合い、魔王軍を結成し、滅ぼして廃塵に帰してきたのです!」
「なるほどね」
説明はよおく分かったよ。話を前に進めよう。
近所の下草を取って、地面をとりあえず平らにする。ナビィに話を聞きながら、とりあえず稲やら麦と言った主要穀物を地面に植えてみた。こんなので大丈夫なのか?いや、大丈夫ではない。そういえば稲は水田に作られていた気がする。適当にやってなんとかなりそうな穀物、穀物…。
「いったい何を悩んでいらっしゃるのですか?」
ドムが髭もじゃの顔を近づけてきた。そうだ!
「じゃがいもだ!」
私は手を打つ。
「はあ」
不思議そうな顔でドムが相槌を打つ。私は意に介さず、コアで種芋を注文して、周囲に植え始めた。ちゃんと鍬で土壌は掘っといたよ。ビタミンとかミネラルは別のところから取ろうね。まずは炭水化物をきちんととって、生きていける体制を整えないと。軍事力とは人の数であり、人の数を支えるのは食料だからね。
「マスターマスター!肉体労働ですか?第一次産業ですか?そんなことしなくてもポイントで買えばいいじゃないですか!あるいは略奪!周辺の人間族あるいは亜人の集落を襲撃し、備蓄食料を奪って生活しましょう!討伐体がたどり着く先はダンジョン!お客も呼べて一石二鳥。これがスタンダードなダンジョン経営であり、王道ですよ!さあ、知性を欠いた粗暴な亜人を大量に招集し、まずは一撃、近隣の街に叩き込んでみようじゃありませんか!」
私が種芋を植えている間、ぴーちくぱーちくナビィが言う。
「ナビィが与えてくれる情報は偏ってて、話がおっきすぎるんだよね。世の中の構造とか最終的な目標とかも大事なんだけど、まずは今を生き延びて、どうにか安定して暮らせるようにならないとね。さもないとその使命とやらも果たせないし」
その宇宙文明とやらの意思に逆らって、なんらかの罰則があるのかどうかも良くわからないしね。
「どこもいっぱいいっぱいなのです!成すべき事業は多く、エネルギーは有限なのです!衛星軌道上のマザーコアから切り離された時は、人口の増加を食い止めるために太陽光を遮る『一か月の夜』プロジェクトでわたふたしておりました。現在の政治概況を解説したチュートリアルの作成は遅れに遅れ、見切り発車で私は地上に降下されたのです」
必死そうな目をするナビィ。そうか、こんなテンション高めで駄目な感じの妖精になったのは、そういうわけだったのか。
エルフを狩猟に送り出し、部屋を拡張し、農業の真似事をした。これだけ仕事すると満足だな。私は500ポイント使って水源を地下一階につくりだし、周囲に椅子を並べて涼んだ。明かりもつけて、椅子やテーブルも用意して、ちょっとした居間だ。夕飯は何かまともなものが食べれるかな。セイタカは何か捕まえて来るかな…。
声がした。
「ヘーイ、ボース!」
何かでかいものを担いでいる。筋力あるな。さすが鳥かな?獣かな?セイタカがどれだけ強いのかよくわからないけど、この世の中魔力で相当に身体強化されているのだろう。 一万ポイント使ったからね。うちの最大戦力ですよ。テーブルの上に勢いよくおかれたものをよく見てみると。
「なんだか近くをうろうろしてて隙だらけだったから捕まえてみたよ!」
金属鎧をがっちがちに固めた、四角い顔のおっさんだった。
「やりましたね!原生人類を捕まえてダンジョン内に拘留しましたので、ボーナスとして1万ポイント進呈いたします!」
どうしようかな、このおじさん。
勢力概要
20080
支出合計 -2230
内訳
弓矢や手槍 -100
トイレ設備 -1000
寝室設備 -500
水源 -500
明かり -50
種芋 -30
椅子、テーブル -50
収入 ボーナス 10000
合計 17850+10000=27850
今まで、小説らしきものを書こうとして、大体一万文字くらいで挫折してきました。今、ちょうどそれくらいの文字数がたまりました。だいぶ最初の時の勢いとかがそがれてきて、やや単調になってないかな?大丈夫かな?アイディアはいっぱいあるので、詰め込んでみようと思います。雑なところがいっぱいですけど、書いてみないと何も始まりませんよね。なーんて言い訳!