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60.『タラテクトフラッグ』③

遅くなり、すいませんでした。

では、続きをどうぞ!( ゜д゜)ノ




 ゲーム開始から二時間。




 三分の二が過ぎた頃であっても、点の変動が止まることはない。

 現在の順位と点数はーーー


1位 中国 11点

2位 東ノ国 9点

3位 アメリカ 6点

4位 ロシア 5点

5位 イギリス 4点


 どの国も3点の赤いフラッグは取られていない。1位の中国は元リーダーであるハオランの活躍により、敵無しと言うように動き回っていた。

 そして、そのハオランが別の敵と出会う前に、東ノ国チームで動きがあった。






「これを頼んだわよ」

「これを……」

「わかりました。必ず、時間までに守って見せます!」


 この場には東ノ国チームのメンバーが全員集まって、守に敵のチームから奪ったフラッグを渡していた。最初に決めたことで、残り一時間になったら守の要である守に奪ったフラッグを集めていた。


「あー、すまん。こっちは赤いフラッグを持った奴と会ったが、強かった上に、増援が現れてな」


 誠治は赤いフラッグを持ったアメリカのメンバー、ドーリーと出会ったが、実力は拮抗していた上に、アメリカの援軍が現れた為に、無理せずに撤退したのだ。誠治はまだ本気を出してはいなかったが、向こうも同じようで汗一つもかいておらず、合流される前にすぐさまに撤退を選んだのは英断だっただろう。点数を突き放すチャンスを捨ててまでも、撤退を選ぶ、この英断を大部分なら、話を聞けば責めるよりは称賛までも言わずとも良い判断だと言うだろう。




 しかしーーーーーー




「いえ! キラキラするだけの人には余り期待はしてなかったので。自国のフラッグが取られなかっただけでもマシだと思っていますので」


 現実は非常だった。


「評価が低かった!? あ、あの、僕は一応リーダーで隊長をやっているんだけど……」


 誠治に厳しい評価を持つ守がいたことに誠治の運は尽きていたのだろう。


「あ、一応リーダーでしたね。でも、フラッグは一つも取れず、おめおめと逃げ帰ったから……」

「そ、そこまでですよ! 誠治さんのライフはゼロですから!?」


 キラキラのこと、誠治を苦手としている守は普段から吐かなそうな言葉で誠治のライフをがんがんと減らしていたが、見ていられなかった察知っ娘が止めに入っていた。


「誠治の奴はどうでもいいが、決めた通りに動くことになるが、いいか?」

「はい。残り一時間は梨華さんだけが単独遊撃、他は守りに入ることですね」

「俺はそれでいいと思う……」

「わ、私も頑張って敵を見つけます!」

「では、影が薄くなってきたキラキラは……」

「薄くなってきたと言って、キラキラとは!? 矛盾しているよね!? ……はぁっ、決めた通りで大丈夫だと思うよ。注意すべきの選手は、中国のハオランと言う者。アメリカにもいるが……やはり、活動的に動いているハオランこそが、一番危険だ」


 このゲームで一番の注意人物は、元リーダーのハオラン。出来れば、出会いたくない人物だが、そのハオランは参加者の中でも一番活動的に動き回っているのは、中国が1位の時点でわかっていることだ。今までは運良く、東ノ国チームの誰も出会わなかったが、残り一時間になっても、手を緩めるとは思えないので、出会っても反撃出来るように、防御力を高めたのだ。

 本来なら、誠治も遊撃選手と考えていたが、ハオランがこのゲームに参加するとわかってから、誠治も防御の体勢に入ると決まった。


「もし、ここへハオランが来たら、勝つためには守が鍵になると思うわ。気張りなよ?」

「はい! 暁が見ているから、情けない戦いを見せるにはいかないからね」


 ハオランが現れた場合、勝つには、守が鍵に成りえるとはどういう意味かは、このメンバーしか知り得ない。




「東ノ国は負けないわよ!」











 ……姿を見せなくなったな。これはいくらでもおかしいな。


 ハオランは今まで敵を探し回っていたが、開始から一時間半ぐらい過ぎた所から自国のメンバー以外となかなか出会うことが出来なかった。

 この地理に慣れて、隠れるのが上手くなったかもしれないが、それでも20~30分も出会わないということはなかった。


「もしかして、同盟を組んだ国がいるのか?」


 現に、ハオランを擁する中国が突出しており、点数が低い国同士が同盟を組み、察知を出来るメンバーが増えれば、協力して強い者を避け、丁度いい強さの相手を見つけ、数の暴力で倒すことも可能だ。

 同盟のことはハオランが推測しているだけで、実際に組んでいるかはわからないが。しかし、なかなか敵に出会わないことに奇妙だと感じていた。


 いや、点数は中国が1位なのだから、無理に攻める必要はないかーーーーーーっ!?


 上空に写されている点数に目を向けていた所に、中国の点が一つ減り、東ノ国の点が増えていたのだ。


「あいつら! まさか、勝手に単独で動いたのか!?」


 ハオランは開始から皆に単独で動くな、常に4人で動けと言っていた。4人で纏まって守りに入っているなら、そう簡単に挑むことはしないだろうと考えている。……しかし、今に点数が一つだけ減ったことから、メンバーの誰かが単独で動いた可能性が高いということ。


 なんで、単独で動いた? 守りに入っていたなら、そう簡単に奪われることはないはず。いや、東ノ国が全員で攻めていたなら、或いは……?


 勝手に単独で動いていないなら、全員で攻めて来られてしまえば、奪われる可能性はある。それなら、こっちに連絡があっても良いはず。つまり、勝手に単独で動いて奪われた可能性が高い。


 ……あいつら、何があって我の言葉を無視した?


 自分は厳しく接していたから良く思われていない者がいたかもしれないが、今回のゲームはハオランが信頼している者を集めていた。だから、自分の言葉に背けることはしないはずだ。


「む、むぅ……、あぁもう! わかんねぇよ! 考えるよりも動けばいいだけだ!!」


 ハオランは動くのと同時にスマホで仲間と連絡を取るが、誰も出ない。


「くそ! 今も攻められているのか!?」


 また点数に変動が起きた。また中国が減り、その一点は……




「は?」




 イギリス 5点


 今度はイギリスに点が入っていた。まさか、東ノ国とイギリスと組んだ?

と思っていた先に、また中国の点が減りーーーーーー


「畜生が! 今度はロシアかよ!?」


 ここまで変動すれば、流石に誰にもわかる。アメリカだけ点が動いていないといえ、2位の東ノ国が動いている時点でアメリカが動いていないわけがない。




 つまり、中国以外の4つの国が組んでいると言う訳だ。




「そんなに我が怖いのか……? 上等だ! 潰してやる!!」


 ハオランはそう吠えながら、中国チームがいる場所へ走り出していくーーーーーー












「面白い考えだな。それが、ハオランに勝つ為の作戦かーーーーーー」


 画面を見ていた暁は楽しそうに見つめているのだった……









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