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59.『タラテクトフラッグ』②

お久しぶりです!

生きていますよ!笑


今のところは大会の途中ですね。フォース使い同士が競い、暁の出番はまだまだ先になりますが、楽しんでくれると嬉しいです。(*`・ω・)ゞ。




観戦席




『開始10分から東ノ国が1点のフラッグをゲットしました!』

『あらあら、同時に別の場所でも動きがあったみたいよ?』

『あ、本当ですね! アメリカも1点、イギリスから奪っています』


 VIP観戦席で実況を聞いていた暁達は東ノ国がいいスタートを切り出せたことによしっと手に力が入っていた。

 タラテクトフラッグの時間制限は三時間。もし、全てのフラッグを奪っても終わることはない。三時間内にどれだけのフラッグを持っているか、点数が高いチームが勝ちになるので、全てを奪ったからと安心は出来ない。

 実況を聞きながら、空に浮いているいくつかの映像を見ていたら、隣に座っていた杏里から声を掛けていた。


「暁様、梨華さんがやりましたね」

「そうだな。だが、大会は始まったばかりでこのゲームのルールでは三時間も神経を尖らせておかないとあっさりと奪われてしまうぞ」

「はい。私もいつでも油断はしないように気を付けます。それに……守の出番は最後の方になりそうですね」


 守のフォースは防御の力で視界が狭い森の中では十分に力を発揮出来るとは言い難いが……それでも生かす場面があると暁が考え、このゲームに挑ませていた。


「このゲームで重要なのは、索敵、機動力の2つだろう。その点では梨華が優れているから3点のフラッグを任せたが……突発的な性格をしているのが少し不安だな」

「それでも、他の人よりはマシだから?」


 勿論、梨華や守、天馬隊の……名前はなんだっけ? せ、せい……いや、キラキラで良いだろう。


 何処からか「あと一文字だから、少しは思いだそうとする努力をしようよ!?」と歯をキラキラとしている人の声が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。

 とにかく、三人以外に二人のメンバーもいるが、2年以上も自分の能力に付き合っているだけあって、中堅の経験者と言ってもいいぐらいの実力はある。


「お、ロシアと中国の元リーダーが戦うぞ」

「元リーダーなので強いのでしょーーーっ!?」

「ほぅ、10秒もいらないのか」


 画面には元リーダーだったハオラン・チェンが手に敵のフラッグを持ち、ロシアの男は倒れていた。能力で傷を付けるのは禁止されているが、身体能力による体術は許されている。勿論、やり過ぎれば審判からレッドカードが飛んで来る。

 ハオランは前の大会では個人3位で強者である。蜘蛛の銃を使うこともなく、一直線に相手の懐へ入り、能力を使わせる暇もなく腹へ当て身を当てていた。中国拳法で誰でも知っている気功による当て身で、ロシアの男は一瞬だけ肺の動きを乱され、膝を折った瞬間にフラッグを奪っていた。ロシアの男は倒れたが、すぐ起き上がって背中を越えたハオランへ視線を向けるが……既にハオランはこの場にはいなかった。目的の物を手に入れたハオランはこの場には用はないと言うように、別の獲物を探しに行ったのだ。

 迷いもなく、素早い動きに消えたような錯覚に襲われたのだろう。その素晴らしい動き、攻撃に見ていた者達は感嘆の息を吐くのだった。


「流石ですね……」

「あぁ、能力を見せることもなく、一撃で事を全て終わらせるとはな」

「そういえば、ハオランと言う者の能力は……」

「『衝凸』。トンファーを使い、衝撃を放つ力だったな」


 ハオランの能力は近距離、遠距離のどちらも行ける。そして、先程に見せた身体能力、技術は世界から見れば最高レベルに近いだろう。

 だが、そんな超人が前大会では個人3位・・。ハオランの上に二人も強者がいるのだ。それは、前回の優勝者であるロシアのミリア・アンデート、そして、2位のーーーーーー


「あ、また!」

「またハオランがやったか。やはり、このゲームではハオランが突出しているな」


 それに、ハオランがリーダーを譲った娘もいる。前に聞いたがハオランは娘に負け、リーダーを譲ったと。


「あの娘もいるんですよね、中国には」

「今大会が初めてだから、開会式で土を操るぐらいしかわからないな」


 ハオランより強いと思われる、娘のリン・チェンはその力は未知数に近い。未知数であることから、それなりには有名な上級フォース使いであるダニエルよりも厄介なダークホースだと暁は考えていた。









「数字が動き始めたか」


 森の中にて、一人で歩くキラキラ。いや、天馬隊の誠治は手に持つスマホでチームの点数を確認していた。日本はまだ一点のフラッグを一本しか取っておらず、二位であることを画面に表示されていた。一位はもちろん、ハオランが活躍している中国だ。

 だが、ゲームはまだ始まったばかり。


「そろそろ、補給場所に着くと思うが……先に一戦かな」


 誠治は待ち伏せをしている者の存在を掴んでおり、向こうもそれがわかったのか、木の影から姿を表した。その者はアメリカの若造、ドーリーだった。暁の一つ上でまだ学生だが、その身体はとても鍛えており、威圧感を放っていた。


「やっぱり、上級フォース使いがいると周りも強くなるのか?」

「それは自分が知っているんじゃないか?」

「いや、こちらは一人で先に行ってしまうから、追い付くだけでも大変さ」

「こっちのリーダーも同じようなモノさ。だが、追い付こうと頑張れるのさ」

「はっ、違いねぇ。それで、お前は……チッ、一点か」

「君は三点か。なら、それは僕が、貰い受けよう!!」

「やれるなら、やってみやがれ!!」


 ここでまた一つ、戦いが始まった。









 






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