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52.近付く祭り

お待たせしました!

続きをどうぞ!

 


 陽が落ち、空が黒く染まろうとしていた時間。訓練を終えた暁達が門を通ろうとしていた。


「…………」

「頬を膨らませていないで、挨拶ぐらいはしなさい」


 再戦が終わり、結果は梨華が頬を膨らませている所から勝ったのは暁の方だった。途中までは苦戦していたが、三本目の刀により勝利を収めることが出来たのだ。


「ずるい……、あんなのズルいよ!!」

「これも俺の能力の一つだから、ズルくはないさ」

「う~」


 更に膨れる梨華に手を口に当てて微笑む花梨。


「本当に強い能力でしたね。まさか、覚醒した梨華を圧倒するなんてね……」

「他の奴らには秘密だからな。大会でアッと驚かせてやりたいからな」


 仲間の守や杏里にはまだ見せておらず、見せたのは梨華と花梨が初めてである。


「わかりました。大会で梨華のことを宜しくお願いしますね」

「むー、大会まで日があるんだろ! またここに来いよ! また相手をして貰うぞ!!」

「負けず嫌いだな。まぁ、やる事が無かったらメールしておく」

「約束だからな!」


 暁は梨華と約束し、タクシーを拾って家へ帰って行く。大会は必ず優勝すると内心て気合を入れ、楽しみにしていたのだった。

 もちろん、その気持ちは暁だけが持っている物ではない。他の者も大会に向け、特訓や訓練をして腕を磨いていく者も多数。

 例えばーーーー








 守&杏里の場合



「うきゃぁぁぁぁぁ!?」

「うっ、この!!」


 守は何かに追われていて悲鳴を上げて逃げており、杏里はなんとか反撃をして矢が打ち出される。だが、その矢は一瞬にして、消え去っていた。2人が相手をしている者はーーーー




「まだまだ甘え! こんな低落じゃ、お前らの隊長に追い付けんぞ!?」


 自分達の上司である出雲総隊長であった。何故戦っているのかは、大会に起因する。2人はペアを組んで大会に臨むのを決めたのはいいが、訓練を頼もうとしていた相手、狭間副隊長は南の防衛拠点にいなかった。

 どうしようかと考えていた所に、出雲総隊長にぱたりと出会って…………今に至るわけだ。


「もっと強くなりたいんだろ!? だったら、俺に傷一つぐらいは付けてみやがれッ!!」

「くっ! 周りの雷が邪魔ですわ!!」


 杏里はいくら矢を穿とうとも、雷の結界と言うように出雲総隊長の周りに展開されていて一本も通してくれなかった。


「そ、それよりも! な、なんで、私ばかりに沢山来ているのよ!?」


 守の方は、蛇の形をした雷が何十体となって追われていた。守は防御が主体であっても、攻撃は出来なくない。


「こ、”硬撃盾”!!」


 今みたいに蛇の上から盾を押しつぶすように攻撃も出来るが、潰された雷の蛇はすぐ元の形に戻ってしまう。


「む~、こんなのどうすればいいのよ!?」


 球体のように守の周りを防御するが、すぐに囲まれて少しずつ体力を削られてしまう。守の盾は自分の体力を使うことで発現させている。それを雷の蛇が少しずつ削っていけば、いつから倒れるだろう。


「守! 今、行くから!!」

「減点だ。自分の敵を放ってどうする!?」

「あぅっ!?」


 今度は猪を模倣した雷が杏里をぶっ飛ばす。出雲総隊長は手加減をしているので追い打ちもせず、当たった時に雷を解放はしなかった。軽い衝撃を受けただけなので、杏里はすぐ立ち上がって出雲総隊長を睨む。


「おー、怖い怖い。だが、睨むだけで倒せると思ってんのか? さっさと来いよ!!」

「ぐっ、守。ゴメン、総隊長から目を離したらやられるわ!」

「良いわよ! こっちはこっちで何とかするから!!」


 守も杏里は諦めてはいなかった。眼に闘志を燃やして、格上である出雲総隊長を倒そうと考えていた。

 出雲総隊長はその眼を見て、ニヤッと笑っていた。胸を貸すつもりで2人からの視線を受け止める




「ガキども、来やがれ!!」








 狭間の場合



「あっさりと受けて貰えるなんて、少々意外だったわ」

「意外か? 同僚の助けになるのは当たり前のことじゃないか」


 キラッと輝く笑顔を浮かべる。

 そのキラッと光る表情に、狭間と一緒に来ていたティアが顰める表情になっていく。


「キラキラ……」

「グオァっ!? そ、そのアダ名は…………君はまさか!?」

「あ、紹介してなかったわね。この子は最近に『虹竜隊』へ入隊したティアよ。ある理由があって、私の居候となっているわ」

「やっぱり、あのチームのメンバーか……」

「いいアダ名じゃない。キラキラ?」

「やめてくれよ!?」


 頭を振って否定する男は、北の防衛拠点で働いており、狭間副隊長の同僚でもある。『天馬隊』で誠治隊長と呼ばれている。一部では、正義君やキラキラなどのアダ名で呼ばれているが……


「そういえば、どうして大会に出る事になったんですか? 狭間さんはこういう祭りて目立つのは苦手ではなかったのでは?」

「別に目立つのが苦手じゃないんだけど、前に出るタイプではなかったのは確かね。でも、今回の大会は後輩達が出るのよ? 先輩が出ないでどうするんですか」

「あぁ、成る程。わかるよわかるよ」


 誠治は何がわかったのか、うんうんと頷いて、親指を立ててキラッと歯を光らせていた。




「つまり、先輩として負けたくはない訳なんだね!」

「……先輩として負けたくはないか…………確かにそれも少しだけあるわね」

「この僕が協力するから、大丈夫だよ!!」


 また歯を光らせる誠治。その様子がおかしくて、狭間は苦笑していた。

 やはり、先輩として頑張らないとねぇと思いつつ、訓練場に向かっていくのだったーーーー









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