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40.天使、始動。

本日三話目だぁぁぁぁーー!!

最近は良く書けるなと思う。この勢いで、どんどんと載せていきたいとおもいます。

さて、続きをどうぞ!

 


 夕方、ティアはスキップをして機嫌が良かった。

 何故なら、また暁に会えたからだ。

 カフェで奢ってもらった日から、暁はテストのことがあり、テストが終わるまで会えなかった。だが、テストが終わった暁は公園へ来ていて、久しぶりに会えたのだ。


(ふふっ、こんなに毎日が楽しいのは初めてかも)


 今日は、ゲームセンターに連れて行って貰い、クレーンゲームやホッケーにプリクラなど、ティアがやりたいことに暁は文句を言わずに付き合ってくれたのだ。

 暁はティアのことを詳しく知らないのに、優しくしてくれる。それが嬉しかった。私はこんなに秘密を隠しているのに、貴方を騙しているのに。


(あぁ、こんな短い時間ではなく、ずっと一緒にいられたらどんなに幸せなんだろう……)

「あれ、なんで幸せ……? 楽しいや嬉しいではなくて?」


 自分が思ったことに疑問を感じた。自分は、なんで暁さんに惹かれている? この感情は何なのか?

 立ち止まって、考え込んでいたが、電話が鳴って思考を止められた。


「え、あ…………はい」

『聞こえているな? 仕事だ』


 仕事と聞いて、さっきまでの楽しい気分が霧散して、眼に黒い光が覗くようになった。


「はい……」

『今回の仕事は大物だ。私の指示通りに動くように。相手の情報はあとでメールで送る』

「はい……」

『では、今から南の防衛拠点に向かえ。1900までに着くように』

「はい……」

『では、着いたら電話をするように。切るぞ…………ぷちっ』


 今の時間は、午後5時を過ぎた所だ。1900とは、午後7時までということ。

 普通なら、バスやタクシーを使っても、間に合わない距離である。




「『白桜はくおう』起動。飛行モード、ステルスモード……」




 ティアはさっきの遊びに行くような服ではなく、『白桜』を起動した瞬間に白いワンピースに白い帽子が粒子状から形を作っていく。

 そして、飛行モードで天使のような翼がワンピースを作り出したのと同じように、粒子から翼が出来ていく。それに、ステルスモードも一緒に起動して、路地裏に入った後から誰にも見られずに、空へ向かって翼で跳ね上げていく。


「南の防衛拠点は……そっちね」


 携帯のメールで指示を貰って、大空を飛んでいく。そのスピードは竜が”飛翔”の魔術を使ったのと変わらないぐらいに早い。




 飛び始めて、一時間半にして南の防衛拠点へ着いた。もう少し離れた場所に降り立ち、着いたことを電話で報告する。


『1845。よし、説明するぞ』

「はい……」


 ティアは元気がないような返事を返すが、電話の主はいつものことだとわかっているから時間の無駄になることはしない。

 坦々とした声で用件だけを伝える。そして、本題に入ったーーーー





「南の防衛拠点で総隊長をやっている出雲武いずもたけしの暗殺だ」

「はい……」


 暗殺。東ノ国で、重要な人物の一人である総隊長の暗殺。それが、ティアの仕事になる。




『お前なら勝てるだろうが、邪魔が入ったらすぐに退却せよ。退却が不可能なら…………』




 自害せよ。




 狂った命令、ティアはただ一言を発するだけ。




「はい……」と。






 ーーーーーーーーーーーーーーーー






 テストが終わった次の日、土曜日でも暁達は学校へ向かっていた。暁達が通っている学校は、午前だけ授業があるのだ。


「ねー、今日も防衛拠点へ行く日じゃないし、午後は何処かに行こうよ?」

「それはいいですね。テスト期間は遊べなかったので、一緒に何処かに行きたいです」

「そうか、今日も防衛拠点へ行く必要はない日だったな。いいぞ、何か用事が入ってないなら問題はない」

「うん!」

「今日は大丈夫みたい」


 二人は一応、予定が入ってないかを確認して、二人とも用事はなかった。

 三人だけではなく健や絵里も誘ってカラオケとかもいいかなと考えていた時、学校の前で立っている狭間先生の姿が見えた。

 狭間先生の姿に違和感を感じた。それは、スーツの姿ではなく黒牙隊の制服だったからだ。


「あ、いた! 『虹竜隊』の隊長が呼ばれているの。車を準備したから、すぐに南の防衛拠点へ向かうわよ」

「待って! それは暁君だけ!?」

「えぇ。二人は学校で授業を受けていなさい」

「何故、暁様だけが呼ばれるのか理由を話さないのですか?」

「そうね、機密の話がある。だから、詳しくは話せないけど、暁だけ来るようにと言われているの。急ぎだから、ここまでね」


 納得出来ず、二人も一緒に行くと言う始末になっていた。だが、暁が全員で行ったら、誰が学校を守るんだと言うと黙った。隊長として命令を出し、二人は渋々と従うのだった。


「午後は無理そうだから、延期な」

「はい……」

「こっちは学校を守っていますので、気をつけて下さい」


 狭間が運転をする車に乗り込み、出発した後に…………


「さっきのは助かったわ」

「二人は絶対に連れて行きたくないとお前から感じられたし、時間の無駄にしたくはなかっただけだ」

「……本当は、貴方も連れて行きたくはなかったわ」

「む?」


 何のために呼ばれたかわからないが、フォース使いにまた被害が出たとかの話だと思っていた。

 だが、狭間の言葉にキナ臭さを感じる。

 最近は狭間が近くにいるから、狭間のことは大体は理解している。根は甘くて、自分よりも歳下の人に戦わせたくはない性格をしている。責任の重みを相手に乗せないで自分が無理してでも頑張るタイプでもある。

 そんな狭間が、自分達を連れて行きたくはなかったと言うことから…………


「……汚い仕事か?」

「っ!?」


 狭間は核心を突かれ、動揺してしまう。その反応から当たりだと言っているような物だ。


「なるほどな。二人を連れて行かなくて正解だったな」

「貴方は鋭すぎるでしょ……、はぁ、詳しくは出雲総隊長から聞いて頂戴。嫌なら、断ってもいいから」

「うん? 断れる事案なのか?」

「まぁ、貴方だから断れるでしょうね。上級種のフォースを持っているのは日本では貴方だけなんだから」

「そうか。まぁ、聞くだけ聞くか」


 上級種のフォース使いは貴重で強力な兵器と変わらない。もし、反乱でもされたら間違いなく被害が大きいのはわかっているし、無理に抑えようとすることはあちらに得がないから、ある程度は我が儘が許される。

 当の暁は新しい隊の作成の我が儘が許されているが、それは可愛い方だ。

 他の国の上級種のフォース使いはもっと酷いと聞いている。上層部は暁が思ったより大人しくて、危険な戦いには率先と参加してくれるから、安心している。


(どんな案件があるかわからんが、復活の手助けになる仕事だったらいいなー)


 暁は狭間から汚い仕事だと反応でわかっていたが、気楽な態度でもしくは楽しみにしているような節があった。

 どんな話があるかは、南の防衛拠点へ着くまでお預けになるのだった…………







また新しい小説を掲載しました。

『天才は召喚され、殺され、転生する!!』になります。

さぁ、こちらも宜しくお願いします。

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