表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/62

32.散る合成獣

本日三話目!!

…………って、間に合わなかったか(笑)


とにかく、続きをどうぞ!


 


 暁は怒っていた。それと同時に嬉しくもあった。

 怒っていたのは自分に対してであり、早めに上級種の意図に気付けば、狭間を大怪我させることはなかっただろう。

 嬉しかったことは、守と杏里が力を合わせてキマイラに一泡を拭かせることが出来ていたことだ。もし、他の生物と同じように核を動かせなかったら、核を貫いて二人は勝利を得ることが出来た筈だった。

 合成獣のゆえに、何をしてくるかはわからない相手に弱点を突くのは簡単ではなかったといえ、守と杏里はここまで良くやってくれたと思う。




「さぁ、俺が相手になるぞ。掛かってこいよ」


 グルッ、ギガァ……ガァァァァァーーーー!!


 まるで、格上に挑むように吠えて、角から雷を撃ち出す。今までのキマイラだったら、突進か牙を使う選択をする確率が高かったのに、遠距離攻撃を選択した。

 キマイラは暁の隠れた力を本能で察知していた。自分を作った主と同等かそれ以上の力が隠されていると。

 それに恐怖し、接近戦を避けた結果だった。


「恐怖したか?」


 暁はキマイラが恐怖を覚えているとわかった。キマイラには遠距離攻撃よりも鋭い爪や牙を持った強力な接近能力があったのに、接近戦を選ばなかったから自分に恐怖を覚えているのを読み取れていた。

 だが、暁は容赦はしない。




「”三重・崩拳”」




 足元に準備した五枚のプレートを踏み、一瞬でキマイラの横へ移動して雷を避ける。さらに、脇腹へ強力な拳を減り込ませた。キマイラは悲鳴を上げながら、太い大木にぶつかる。

 もし、核がある右目を狙えば終わっていたが、あえて狙わなかった。




「”五重・拍手”」




 今度は、キマイラの近くで”五重・拍手”をし、衝撃が聴覚や三半規管をズタズタに破壊する。自分自身にも少しダメージを受けるが、高速自己治癒で無視をする。




 ギグゥゥゥガゴグィァァァァ!?




 脇腹、聴覚を破壊されて三半規管も狂わされて大量の血が流れ出る。それでも、キマイラはまだ変形し続ける。

 身体が使い物にならないなら、更なる身体の改造で造り直される。そうしたのは、あの上級種の少女である。


「……成る程。適応能力を強化しているな。破壊しても、すぐに動けるように、次は壊れないようにと無理矢理に作り変える。それが、キマイラの実験ってことか」


 暁の予想は当たっていた。キマイラは戦闘に対しての適応能力を高めて、様々な竜もどきを融合させた作品だ。

 ダメージを受けて動けない身体になっても、核さえ無事であれば、身体を無理矢理に直して強くなれる。だが、ダメージは確実に身体へ蓄積されている。

 今のキマイラは暁の攻撃にダメージを受けすぎて、形態が保つことが出来ず、様々な竜もどきの顔が現れて、ふっくらとした丸い身体になっていた。


「知能は元からなかったとしても、感情ぐらいはあったが、今はもう何も感じてないんだろうな」


 ケキガグガグァアゥガカァ…………


 声も変なのしか出せなくなっており、身体はもう駄目だとわかるぐらいに崩壊しきっていた。

 なのに、少しずつ身体が膨らんで行くのが見て取れた。




「ここは定番通りに自爆か? それさえもさせないぞ。消え去れ」




 暁は決着を付けることに決めた。ゆっくりと脚を踏み出しーーーー






 キマイラの浮き出ていた核が一瞬で身体から消え、その箇所にあった部分が大きく抉り取られていた。


「これが核だな」


 暁は右脚と左腕が血塗れで自傷していた。傷が付いた左手には核が握られていた。




「流石に、”禁忌・一閃”で決める必要はなかったかな。痛え……」




 奪った核は握りつぶし、割れた音が響く。それと同時に身体も塵となって消え去った。

 キマイラは暁の手によって倒されたのだった…………






次で第2章が終わります。

第3章もお楽しみにーーーー!


感想や評価をお楽しみにしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ