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14.嵐の後も嵐

はい、続きをどうぞ!

 


 激しい戦いの後、暁は出雲総隊長が受け持つ部隊へ入る際に飲ませた条件のことだが、あっさりと認められた。「そんなことか。俺の管轄に入るならそれぐらいは問題ねぇな」と言っていたぐらいだから、総隊長の権限でなんとか出来る範囲だったようだ。

 暁が飲ませた条件は三つ。


 1.今ある三つの部隊とは別の新しい部隊を作って、自分を隊長にすること。


 2.その部隊を特殊部隊として、暁が通っている学校を拠点にする。


 3.メンバー集めは自分に任せること。


 学校の件は学校の許可も必要だったが、それもあっさりと認められた。普段は学校へ通うが、訓練も必要なので訓練日だけは学校を休み、特殊部隊として仕事が来たら、学校を抜け出して仕事を赴くこと。それだけ守っていれば、両者は問題ないようだ。暁もそれに了承した。


「私もその部隊に入るからね!!」

「まぁ、お前に何か言っても無駄だとわかっているが…………、おそらく俺の部隊は中級種以上の竜と戦うことが増えるかもしれないぞ?」


 暁の実力は上級種クラスのフォース使いだと見られているから、学生だろうが中級種以上の竜と戦わせるのは読めている。いや、そうなるように暁が予定を組み替えたのだから。

 ステラの魂、『創刀七星』を回復させるために、中級種以上の魂が必須であり、暁は既に覚悟を決めていた。


「正直に言えば、戦いは怖いよ。脚が震えたぐらいに…………」


 実際にイゾルデとの戦いに加わることが出来ず、散らばった隊員を守るぐらいしか出来なかった。つまり、守ではまだ中級種以上の戦いには役立てないのはわかりきっている。

 だがーーーー


「私はまだ弱いのはわかっているけど!! 暁君を守る為にフォース使いになったの!! それだけは曲げられないの、暁君だけが戦って私だけ安全な場所にいるのは嫌なの!!」


 もし暁が守の目から離れた場所で死んでしまうのが怖い。もしそうなる時があったら一緒に死んだ方がマシだと思うぐらいに、守の信念は強い。


「つまり、守は俺の部隊に入るってことか? 他の部隊よりも危険が多いのを理解して、それでも一緒にいるってことか?」

「うん!!」


 守は覚悟を決めていた。その覚悟を見た暁は自分の部隊へ入隊することに決めた。これで、暁が受け持つ部隊のメンバーは一人。


「よしよし、次は政府にお前のことを報告しておかねぇとな。まぁ、悪いことにならないだろう。東ノ国……いや、日本にしたら初めての上級種クラスのフォース使いとなるからな」

「そうかもな。俺も一緒に行くべきか?」

「いや、お前は休んでとけ。俺と秘書で行くからよ」


 あとは出雲総隊長が全てやってくれるようで、暁は疲れを癒すために家へ帰ることになった。


「一緒に家へ帰ろう!!」

「ふわぁ、そうだな。というか、同じ家なんだから一緒とか言う必要なくねぇ?」

「いいから!」



 ちなみに、暁は家族を亡くしていて親戚もいることさえ知らない。そこで、橘家である守の母親に好意で一緒に住まわせてもらっている。つまり、同棲と言っても間違ってはいないだろう。それを言ったら杏里が羨ましい! と叫びそうだが…………


 お弁当の件はお金まで貰っているのに、そこまでして貰うにはいかないので断っている。月に貰っているのにお金でなんとかやりくりしていたが、部隊を受け持つ隊長になったら、そんな心配はなくなるだろう。


 ”ふふっ、その調子で魂を吸い続ければ、さらに使える刀が増えるぞ”

(わかっている。今のだけじゃ、足りないみたいだな)

 ”そうだろう。竜王の魂はそんなに安くはないわ”


 安くないって、金額の問題かよと内心で突っ込んでいた。確かに、回復し続ければ使える刀が増えるのは言葉通りで、自分で考えた能力を持った刀が生み出せるのだ。そのためには、一定以上の魂が必要だが。

 それを繰り返して、七本の刀が揃えば『創刀七星』の復活条件があと一つになる。

 それはまだ教えてもらっていないが、今は七本の刀を揃えることが先だ。


(デタラメな力を持ったステラが死んだなんて、信じられないな……)


 それも教えて貰ってないので、ステラの死因は不明である。胸に穴が開いていたから誰かに殺されたの線が濃いといえ、強力な能力を持ったステラを殺せたのが信じられないぐらいだ。

 だが、考えてもわからないことだらけなので、考えるのやめた。明日は学校がお休みといえ、今はゆっくり休みたかった。

 フォースを使うと体力を消耗するので、体力に自信があった暁といえ、あれだけ能力を使ったのだから休みたい気分だった…………




 ーーーーーーーーーーーーーーーー




 何処かにある塔にて、イゾルデを送り出した二体が集まっていた。そこで衝撃な言葉を聞いて、一体の上級種は呆気に取られていた。


「は? イゾルデが死んだ?」

「あぁ、ついさっき反応が消えた」

「…………ぶはわぁっ、あはははっ!! マジであのイゾルデがやられたのかよ!?」


 部下でもあるイゾルデがやられたのに、笑っていた。この上級種はイゾルデが死んでも悲しむという感情を持っていないようだ。

 それどころか、中級種のイゾルデを破った者を褒めていた。


「やるじゃねぇか。日本にも面白い奴がいるじゃないか!」

「次は誰か送るか? それとも、自分で行くか?」

「もちろん、自分でーーーーっ!?」


 上級種の竜は巨大なる気配を感じて、黙っていた。その気配に覚えがあるからだ。


「ま、まさか……」

 ”忘れておらんな?”

「い、いえ!! 竜王ゼクトール様のお言葉を一日も忘れたことはありませぬ!!」

「はい、意識が戻られて何よりです」

 ”…………まぁいい。我がの身体に力が戻るまで、お主らは塔から離れることを許さん。それだけは覚えていれば良い”

「「はっ!!」」


 二体しかいない部屋にて、誰もいない方向へ跪いていた。この部屋にはいないが、向こうには休んでいる竜王ゼクトールがいて、たった今、気配と念話を送られていた。


 ”まだ我は意識しか取り戻せない。やはりあの秘術を使った代償はそれ程に重いようだな……”

「では、まだ動けないと?」

 ”そうだ。お主らにはまだ塔に留まってもらうぞ。我がが選んだ我が配下の中で上へ達したお前達にな……”

「はっ、ありがたい言葉であります」

 ”それにーーーーーーいや、いい。我はまた眠るぞ”

「「はっ!!」」


 二体が返事を返すと、気配と念話が消えた。竜王ゼクトールはまた眠りに入ったようだ。先程の言いかけた言葉が気になっている二体の竜だったが、意識を取り戻したことに復活が近いと興奮していた。


「ははっ、もうすぐだな!!」

「そうですね。しばらく日本は放って置くのはどうですか?」

「ふむ、さらに強くなったのを頂くのもいいだろうな…………、よし放って置くぞ!!」


 二人の気紛れにより、日本へ竜王ゼクトールの配下から新たな竜を送られることはなくなった。




 別の部屋では、先程の上級種よりも凄さ増しい威圧を放っている竜がいた。


 ーーーーまだ、身体を動かせんか。


 そう、七体はいる竜王の一体、竜王ゼクトールだ。念話を止めたが、まだ意識は覚めていた。懐かしい波動を感じたから、意識を覚ましたのだ。


 ーーーーあの力は、『創刀七星』に似ていた。どういうことだ?


 暁が『創刀七星』の一部である『星空刀』と竜が大きな力を持って、ぶつかり合ったため、その力の波動が世界へ広がったのだ。

 それが竜王ゼクトールの意識を取り戻すキッカケとなっていた。他の竜王が起きたかはわからないが、竜王ゼクトールは完全に力を取り戻していないのに、目を覚ました。


 ーーーーまぁ、いい。今はまだ…………


 目を覚ましたのは一時のことで、竜王ゼクトールはすぐに深い眠りへ落ちてゆくのだったーーーー




 ーーーーーーーーーーーーーーーー




 日曜日も過ぎ、学校がある月曜日になり、暁達はいつも通りに学校へ通っていた。

 暁達はいつも通りでも、周りはいつも通りではなかった。自分のクラスである教室へ入ると…………




「聞いたぞ!? お前が上級種クラスのフォース使いになったんだって!?」


 武藤が興奮した状態で、挨拶もなく詰め寄ってきた。暁は欠伸をしながら、肯定する。


「ん、そうだな」

「いつも通り過ぎんだろ!? お前がどれだけ大きなことを起こしたと理解してんの!?」

「あー、ただ俺が上級種クラスのフォース使いになって、新たな部隊を任せられた。それだけだろ」

「それだけで済んでいいのかよ……」


 テンションに差がありすぎて、武藤の方が騒いでいたことに恥ずかしくなってきたのだ。武藤の後ろから高嶺も現れて、手には手帳を持っていた。


「流石、上級種クラスのフォース使いになった余裕ってとこかな?」

「ん、その手帳は?」

「私、先週から新聞部に入ることにしたの。だから、ネタ集めってわけよ! ネタと言えば、暁の周りが一番じゃない!?」

「部活に入ったんだな。……で、取材料は出るの?」

「出ないよー、学生にそんなのを求めないでよ」


 暁の冗談にも笑って答えている。高嶺は噂やゴシップを集めるのが好きだったから、新聞部は天職かもしれない。録音機を持って、新聞部らしく質問してきた。朝のホームルームまではまだ時間があるし、面倒そうながらも、答えていく。


「テレビのニュースで石神君が新たな部隊を作ったと情報があったけど、メンバーはどうなっているの?」

「そうだな、メンバーは現在二人だけで、俺がスカウトしていく感じだな」

「成る程~。その基準はどうなっているのか聞いていいかな?」

「基準か、俺が上級種クラスのフォース使いになったのは皆も知っているよな? それだけの強いフォースを持っていると、仕事の危険度が高くなるのも理解しているか?」


 その言葉で、周りにいた人がざわざわと落ち着かない様子になった。


「仕事の危険度ですか……?」

「ああ、上級種クラスのフォース使いにしか出来ない仕事。中級種以上の竜相手に戦うこともあるわけだ」

「っ!? い、石神君はそれを了承して部隊を作ったと……?」

「そうだ。まぁ、覚悟がない奴をスカウトするつもりはないから安心しろよ。一緒に命を懸けられ、それに見合う実力を持っている奴が基準だな」

「それは……厳しいですね」


 その人を見つけるのが難しいことは前から理解している。覚悟を持ってない奴が一緒にいては背中を任せられないから、これくらいに厳しい基準の方がいい。

 見つからないなら二人だけでやっていく覚悟でこの部隊を作ったのだ。


「確かに、中級種以上の竜と戦うなら、それぐらいの基準がいいですよね。…………あの子には無理そうかな?」

「ん、何か言った?」

「いえ、なんでもないわよ。次の質問をーーーー」


 高嶺の言葉が止まった。暁に抱きついた者が現れたからだ。




「うおっ!?」

「おはようございます! テレビを見ましたわ!! 暁君もフォース使いになったのね!!」

「あぁ、杏里か。おはよう」


 暁は驚いたが、杏里だとわかって挨拶を返していた。周りの皆は抱きつかれたことに疑問が湧かないことにやはり暁だな~と安心に似た感情があった。周りにいる皆は暁が上級種クラスのフォース使いといった日本に一人しかいない雲の上の存在になった事で、少し引け目を感じていたのだ。安心に近い感情を抱いていた皆は次の言葉には驚愕を抱かされてしまう。


「暁君が隊長になって、部隊を任されたのも聞いています。だから、私もその部隊に入れてください!!」

「はぁっ!?」


 声が出ていたのは守だけで、皆は呆気にとられて声も出なかった。暁は杏里が言葉にしていたことを思い出した。


「さっき、暁君もーーと言っていなかったか?」

「はい! 実は、昨日から私もフォース使いになりました!! 下級種のフォースだけど、これで暁君の役に立てます!!」

「ええぇぇぇぇぇぇーーーー!?」


 またも守だけの声が響き渡るのだった。暁は杏里がフォース使いになったことに驚いたが、眠そうな顔を潜めて真剣な顔になっていた。


「さっきの質問に対する俺の応答は聞いていた?」

「はい! 中級種以上の竜と戦うかもしれないと聞こえていました」

「それでも、俺の部隊に入りたいと?」

「その覚悟なら、前から出来ています!! わ、私は、暁君が死んでしまったと思った時、とても悲しくなりました……。その後の人生がどうでもよくなるぐらいには」


 暁が崖から落ちたことを言っていて、杏里は好きになった人がいなくなったことに心が壊れてしまう程に苦しくなって、痛かった。

 だが、無事だったことに真っ暗な世界へ光が差し込まれたように、喜色の光が広がっていった。でも、またいなくなってしまうと考えると広がった光が狭んでいくのを自分でも感じていた。


「私は暁君がいなくなるのが怖い。竜に襲われるよりもずっと…………。だから、私は後悔をしたくはないの! 私を暁君のために役立たせて! 一緒にいさせて! それが出来るなら、中級種以上の竜とも戦えるわ!!」

「杏里……」


 杏里の告白染みた叫びに、暁は頭を掻いていた。


「さっきまでは覚悟を持っても、実力がなかったら入れないつもりだった。杏里のようにフォース使いになったばかりで、実力がわからない者もそうだ」

「暁君……」


 杏里は断られると思い、俯いていた。だが、暁の言葉には続きがあった。


「そのことは撤回させて貰う。それだけの覚悟を跳ね除けるのは俺には無理だ」

「っ!? ま、まさか……」

「おめでとう。杏里も俺達の仲間だ。力を貸してくれ」

「は、はい!! ありがとうございます!!」


 眼から一滴の涙を流しつつも、笑顔で暁に抱き着く杏里。そのドラマに感動したのか、周りの生徒達が拍手を送っていた。

 だが、それを歓迎しない人はいた。そう、守だ。


「むぅ、せっかく二人っきりになれると思ったのに……」


 拗ねながら呟いていたが、拍手によって掻き消されていたーーーー










これで1章の『竜王との出会い』は終わりです。次の2章になる『合成獣の脅威』をお楽しみに!!


1章が終わりましたが、何かあれば感想で教えて頂けると有り難いです!!

感想と評価をお待ちしております。

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