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勇者伝説  作者: 之木下
20/40

おまけ

足りなかった説明を、ミレオミールさんと由乃さんの会話形式でお送りします。行間詰まってるので読みにくいやも


「そういやユノ、結局男たちに話し合いが通じないって思ったのは、何で?」

「うん?」

「ほら、ウィルの新魔法で相手の位置を大方把握して、見張りからはあまり情報が引き出せなくって。その状況で、戦闘を覚悟するのは解る。けど、相手が完全にクロだとは言えない。そうだろう?」

「うん……まぁ、そうなんだけど……」

「じゃあ、何で奇襲なんてかけた?」

「何でって言われると…………」

「……まさか、『ノリ』なんて言わないよな……」

「半分そうかもしれない」

「…………ユノ……」

「あ、今、『とんだ勇者がいたもんだ』とか思ったでしょミオ」

「いや、『とんだ「ユノ」もいたもんだ』って思った」

「ミオは『ユノ』をなんだと思ってるのよ。殴るわよ」

「ユノは結構過激で喧嘩っ早いよね」

「あのね、私、一応女子で、どちらかと言えば非力な方なの」

「自称ね」

「自称、非力なの。そんな非力系女子はね、戦闘は速さと頭が命なの。わかる?相手が警戒した時点で、もう動いて無きゃ遅いの。だから傭兵さんと対峙した時は真面目に困ったんだよね。あの人絶対勝てる気しなかったから、どう機転を利かすか考えたんだけど、もうとりあえず、股間蹴るしかないかなって」

「…………ユノは……怖いな」

「男の急所は解り易くていいよね。相手にする分には」

「……で、結局本当に、ノリだけで奇襲ふっかけたの?」

「…………話、聞いてて……」

「『見張りーズ』?」

「うん。その見張りーズから話し聞いてて、それで、『あーこの人たち、中で何やってるかは知らないけど、憲兵達に知らされたらまずい事だってのは知ってるんだな』って思って……」

「『思って』」

「……とりあえず、この人たちはともかく、出てきた男は殴って、おばさまたちから聞いたり、おばさまたちの様子で考えたりしようかなって思ってたんだけど」

「(充分喧嘩っ早い思考だと思うけど)……『だけど』」

「……最初の男が、あの人攫いの男だったから、それ見て、キレちゃって、もう全員クロでいいやって……武器持ち出されたし」

「……本当、人を傷つけるのが嫌って言いながら、ユノは喧嘩に躊躇いが無い……」

「喧嘩と戦闘は別物。素手の殴り合いは許容範囲内。武器を取り出したらもう殺し合いだから、それは、嫌」

「ユノ、案外喧嘩慣れはしてるもんな」

「兄がモヤシでいじめられっ子だったからね。追い払うために、喧嘩は日常茶飯事だったわ」

「……年の差」

「三歳。デビュー戦は、私まだ八歳だったなぁ……流石に負けそうになって逃げたなぁ……っていうか、喧嘩は基本的に『ぶちのめす』じゃなくて『逃げる』に特化してたから、持久力は無いけど、あの頃足は速くなったんだよね。あと、急所を的確に狙う根性がついた。おかげで人間さん(男)の急所はバッチリおさえてますよ」

「……とんだ『戦の無い世界』だ」

「喧嘩と戦はかなり別物よ。一緒にしないで。人間二人いりゃ喧嘩はできるの。発展したら争いになるし、戦争にもなるけど……だから、喧嘩はセーフ。そうやって割り切って生きて来たの」

「拗ねるなよ、ユノ。――でも、流石に二階から放り投げるのは危なかったんじゃないか?落下による怪我は無かったって、ナイル様も言ってたけど……」

「配慮したもの、怪我があったら困るよ」

「配慮……あぁ、ウィルの」

「そう、手に残った魔法。あれ使って、防御させて落としたの。だから多分、頭打ち付けることも無かったし、脊髄も損傷しないだろうなぁって」

「脊髄?」

「えっと……ぶっとい大切な神経が通ってる、背骨?それを損傷すると、どこかしらが不随になっちゃうから、本当に大切なところなの」

「あぁ、背骨……ユノの国は、医学が進歩してたんだっけ?」

「多分、魔法以外は大方進歩してたよ」

「『魔法以外は』」

「魔法なんて、物語の世界にしか無い物だったから」

「――だけどユノ、ユノは、魔法が使えない」

「うん」

「俺は魔法が使える」

「? うん」

「ウィルの魔法は、ウィルの手を離れて、その魔法をかけられた本人――つまり、あの場合ユノに使用の時機を委ねられてたわけだけど」

「?? うん、そうなるね。私の意志で、攻撃、防御を使い分けて――」

「ユノは魔法が使えないのに?」

「いや、だってそういう魔法なんでしょ?」

「いや……だから、魔法を使えないユノが、ぶっつけ本番でウィルの魔法を使いこなせてた事に、俺は寒心してる」

「感心?」

「感動じゃ無くて、ぞっとする方」

「ひでーわこの人」

「だってそうだろう。ユノはどちらかと言えば、物事の起源を知りたがる性質だ。魔王や魔族や、勇者や民の想いの根源や、ナイルたち十二柱の――十二神将たちそれぞれの勇者に対する考えや信仰心なんかも、できたら全部紐解きたい、知りたいと思ってるだろ」

「超!思ってる」

「それなのに、一度も扱った事の無い、尚且つ有る程度不信感を持ってる魔法を、ぶっつけ本番で試そうなんて、どういう心意気だったかと思いまして」

「……確かに、言われてみれば、そうかもなぁ」

「わっ全然気にして無かったって解答」

「うん……やっぱり、信頼してたのかなぁ」

「魔法を?」

「……うん、何だかんだ、ずっと活用してきたわけだから」

「……ユノは魔法、使えないだろ」

「うん、だから、ミオが」

「俺が?」

「ミオが、何だかんだ、ずっと魔法で守って来てくれたわけだから――そっか。そりゃあ、信頼に足るわけだわ」

「…………うわぁ、もう……超嬉しい。感動した。ユノは俺が、一生懸けて守るから」

「魔王をどうにかするまでで良いよ。冗談で一生懸けるんじゃないさ。一度きりの人生、好きに楽しく生きなきゃね」

「俺はもう充分に生きてるけどなぁ」

「ミオって何歳だっけ」

「さぁ、何歳だったかなぁ」

「……でも、やっぱり一生はかけなくていいよ。そう言うのは、惚れた相手に言う物だから」

「……惚れた相手か……」

「苦い顔してる……まぁ、早く好い人見つけなよね」

「ユノもね」

「私にはエト様がいらっしゃいますから」

「……哀れ、ロニ」

「うん?何て?」

「いいや、別に」

「そっか」






ここまでで、一つの区切りとなります。

此処まで読んでくださった方、本当に、読みづらい文章を飽きずに読んでいただき、感謝の想いが尽きません。

もしお話を気に入っていただけているのであれば、続きもお読みいただけると嬉しいです。本当に、ありがとうございます。


そして次の更新ですが、一週間開けて、来週の土曜日(5/23)から再開しようかなと考えておりますが、それより前に更新してしまう可能性も……無きにしも非ず……一応日程を遵守するつもりがありますので、もしも早く上げる気になってしまった場合は、前日に活動報告で何かしら報告すると思うので、そちらを参照いただけるとありがたいです。


では、最後に(まだ更新続くけど)、此処まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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