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キメラ勇者の異世界冒険譚  作者: 桑島 龍太郎
砂漠のトレジャーハンター
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お金の価値は

おかげさまでプレビュー2000を超えました!ブックマークして頂いた方ありがとうございます!

投稿数日で日間ランキング1位とかどういう仕組みなのでしょうか。凄いです。

「あのね、この硬貨は使えないのよ」

「使えない? どういう事だ?」

「正確には使ったら狙われるレベルの古代硬貨スーパーレアよ。この価値を知ったら貴方、どういう反応をするかな?」


 目を細め、ニヤリとした悪どい笑みがミモザの顔に浮かぶ。

 でも待て、使ったら狙われるレベルってどういう事だ、そんなモノを説明無しで渡すなんて……しかも古代の硬貨ときたもんだ。

 魔女神(あいつ)、時代が変わってるの分かって無いんじゃないか?

 果たして女神達(あいつら)の歳は果たしてどれほどなのだろうか。


「そんな……古代硬貨だって?」


 俺はあえて動揺したフリをする、実際動揺しているのだがちょっと系統が違うのでフリという事にしよう。

 俺の反応に満足したのか、ミモザはつらつらとその先を説明してくれた。


「そうよ。現在の硬貨はこっち、貴方が持っていた硬貨はこっち。違いがわかる?」


 腰に付けていた皮袋の中からミモザが一枚の金貨を取り出し、床に置いてある金貨の隣に置く。

 違いは一目瞭然だった。


「大きさと厚みが違うのか……」


 現代金貨は俺の世界の500円硬貨と同じくらいだろう。

 古代金貨は現代金貨に比べると厚みが倍程違い、大きさも現代の物より二周りくらい大きい。

 そして何より、古代のお金のクセにキラッキラなのだ。

 遺跡に設置されている松明の明かりの中でさえキラッキラなのだ、眩しいくらいに。


「そ。プラスこの状態の良さよ。新品のような光沢、汚れや傷が一つも無い。これが何を意味するか解る? 解らないでしょうね。古代硬貨はその貴重さから国の、いえ世界規模で学術的な価値もあって最重要品として扱われているの。何回か発掘された事があったんだけど、その時の値段は目玉が飛び出てどっか行っちゃうくらい凄かった。薄汚れた硬貨だったにも関わらず、ね」


「その硬貨は誰が買ったんだ?」


「解らないわ。どっかの貴族か王族か美術館か」


「ふぅん……因みにいくらなんだ?」


「そうね。古代金貨1枚で現代金貨1万枚、古代銀貨は現代金貨2千枚って所かな」


「ぶっっ!!! なんじゃそりゃ! 何でそんなアホみたいな倍率になるんだよ?!」


「ついでにもう一個言うと庶民の平均年収は金貨100枚って所かしらね」


「なっなっなっ……! それが……こんなに……!」


「ほら、目玉がどっか行っちゃうでしょ?」


 ぶったまげた。

 冷や汗が半端ない。

 金貨1万枚が10枚に金貨2千枚が5枚、数週間どころの話じゃ無い、一生遊んで暮らせる金額じゃないか。

 そりゃさっきの二人の態度も納得だわ。

 カーラめ、どえらい土産を残してくれたもんだ。


「ど……どどどどうしよう! 俺はまだ死にたく無いぞ! どうしたらいいんだ!」


「ちょっ! 落ち着い、て! 私、ふぉ、揺らすにゃああああ」


 しまった。

 びっくりしすぎてミモザの肩を掴んで盛大にシェイクしてしまった。

 けど案外華奢な肩だったな……。


「ご、ごめん……」


「おぉふ……い、いいわよ……」


「あはは! ミモザ散々だねー! でも凄いなぁ。記憶は無くしちゃったけどこれで君も一緒安泰だね。えっ、と……」


「龍斗だ。朱沢龍斗」


「えへへ。ごめんごめん。あ、でも換金とか解らないよね? ならばこのベリーニちゃんがリュートの先輩ハンターになってあげよう!」

「あ、あぁ。よく分からないけどお願いします、所でハンターってのは?」


 突然仁王立ちをして、ふんふん! と鼻息を荒くするベリーニの視線は硬貨から剥がれようともしなかったがまぁしょうがない、それだけの魅力があるのだ。

 お金って怖いネ。

 だがこの世界を知る足がかりが出来たのは思っても無い事だ、見た所このベリーニって子は少し調子がいい明るい子なんだろうな。


「ハンターはハンターだよ! トレジャーハンター! 遺跡、洞窟、炭鉱、宝のありそうな所はどこでも私達のフィールドなの!」


「へぇ、そんな職業があるのか」


「踏破されていない遺跡はまだまだあるからね。前人未到の地だってあるのよ、どう? 面白そうな話だと思わない?」


 感嘆する俺にベリーニが横から入ってくる。

 確かに面白そうだ、前人未到の地という言葉の響きが胸を躍らせる。


「で、ハンターに付随して敵を相手取るのが私のような冒険者なのよ、勿論ハンターだって戦うけどね。中には単独で遺跡踏破したーなんて例外もいるけど私から見たら化物よ。と……まぁ、話はここまでにして、その硬貨をしまって先に行きましょ? 記憶喪失の新米ハンターさん?」


 立ち上がり、不敵な微笑みを浮かべたミモザが手を伸ばし、目の前に差し出される。

 俺は不思議な高揚感に包まれながらその手を取り、立ち上がった。

 朱沢龍斗。

 職業:駆け出しハンター。

 

 なんてな。

読んでくれてありがとうございます!日間ランキングに成り上がる夢を見ました。読んでくれている皆様今後ともよろしくお願いします。


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