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キメラ勇者の異世界冒険譚  作者: 桑島 龍太郎
砂漠のトレジャーハンター
6/58

不審者

プレビュー1000超えしました!

鼻で笑われる事かも知れませんがめちゃくちゃ嬉しいです。ブックマークしてくれた方ありがとうございますありがとうございますありがとうございます

「アケサワ リュート? 変わった名前ね。私はミモザ・グランシア、あそこにいる女の子はベリーニ・フェデリーニ。ここは【囚われし堕天龍姫の懐】の十層にある古新を見据える祭壇よ。あんたいったいどうやってここまで来たの? パーティとはぐれたの? 何で無傷なの? 童貞なの? その装備はここで手に入れたの? 童貞なの?」

「ちょっ、ちょっと待って。質問ラッシュ止めて、二回も童貞って言わないで」


 なんなんだこの女は、初対面なの人にいきなり童貞か? とはビッチ……いや失礼ビッチだろ。どんな教育受けてきてんだ?

 それにしてもなんだかほっぺたが痛い、ヒリヒリジンジンするよ、心なしか首もズキズキする。


「俺は……」

「ん? 何よ。待ってと言うから待ってるのよ、早く質問に答えて」


 いつの間にかミモザの隣にベリーニが座り込んでいる。

 ミモザは片膝を立てて俺を正面から見据えており、床に置いた剣を握る手は未だ警戒を解いていない。

 仮に俺が少しでも変な動きをすればその瞬間、俺の首に剣がかけられるだろう事は安易に想像出来た。

 異性に直視されるという稀有な経験が無い俺は、どうにも恥ずかしくなり視線を自分の掌へ落とす。

 

 ここでバカ正直に異世界から来ました。右も左も分からない初心者です、ご迷惑をお掛けするかも知れませんがご指導ご鞭撻の程宜しくお願いします。

 なんて未経験で入ったアルバイトのノリで言ったら確実に精神か頭を疑われるだろう。

 どう言い訳をしたもんか……。

 考えろ、無になれ、曇り無き鏡面、波立たぬ静謐とした水面これぞ極意は明鏡止水。


『龍斗よ、お主の頭には様々な知識が詰め込まれておろう? それを活かせばこんな状況どうとでもなるではないか。それに私はつい先程答えを言っておるぞ?』


 ん? 今のは魔女神(カーラ)か? あいつ、脳内に直接……っ!

 でもそうだよ、読んでいた小説にこんな状況があったじゃないか。

 さすが明鏡止水。


「うぅ……頭が痛い……何も思い出せない……」

「へっ? 何よあんたいきなり……」

「ほ、本当に何も分からないんだ……」

「ねね、ミモザ。これっていわゆる記憶喪失ってやつじゃない? トラップとか状態異常魔法とかの重篤な副次効果ってやつ」

「うーん……そうなのかなぁ……名前以外は本当に何もわからないの?」

「あぁ、何かを思い出そうとすると頭が割れるように痛むんだ。すまない……」


 ふっふっふ。

 どうだ、ベリーニは見事に記憶喪失と思ってくれたようだし、彼女の言葉でミモザもある程度気配が軟化したように見える。

 腕を組んで訝しげな顔で俺を舐めるように見てくるがまぁ平気だろう。


「まだ何か納得出来ないけど……見捨てる訳にもいかないし、あんた、一緒にくる? 私達はもう帰るのよ、何も収穫が無かったけど進めないもの」

「い、いいのか?! それなら是非お願いします!」

「ここで会ったのも何かの縁でしょ。仕方ないわ」

「きゃーミモザ素敵ーそこに痺れる憧れるゥ!」


 今まで警戒していた気配を崩し、ふっと笑みを浮かべるミモザはどこか恵美里を思い出させる。

 全体的には似ていないのだが雰囲気とパーツパーツが似ているのだ。

 もういない唯一の女友達を思うと目頭がグッと熱くなる。


「あんた、何で泣いてるの?」

「え……あ、いや、ホコリが入ったんだろ……」

「ふぅん……」

「思い出せるといいねー! 私はベリーニ! 改めてよろしく!」

「あぁ。宜しく」

「それじゃ。行きましょ」


 立ち上がりパンパンとお尻を叩いて周囲を見渡すミモザ、辺りには何の気配も無く朽ちた様式美があるだけ。

 こうしてミモザ、ベリーニ、俺の即席パーティを組んだ三人は遺跡を後にする事になった。

10時更新を目指します。

誤字脱字、矛盾、おかしな所があれば是非教えて下さい

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