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キメラ勇者の異世界冒険譚  作者: 桑島 龍太郎
砂漠のトレジャーハンター
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初めての砂漠

ブックマークしてくれた方ありがとうございます!

誤字脱字、感想是非是非お願いします!

 素材を回収した俺達は、地上へと歩みを進め、実に短時間で遺跡を抜ける事が出来た。

 遺跡の入口は砂漠から吹き込む砂で階段が埋没しほぼ坂となっており、地上から荒縄が数本垂れ下がる形になっていた。


「いやー、久しぶりの日差しだーねー」

「眩しー! 外だー!」


 荒縄を手繰り、地上へと降り立つ。

 ぶわりと猛烈な熱気が吹き付け、まるで焚火の前にいるような錯覚を覚えた。

 天からは澄んだ空気を通して激しい日差しが容赦無く素肌を照りつける。


「あっついな……」

「そりゃ砂漠だもん。暑いよ」

「最近発見された砂漠じゃ1、2を争う広さだよ。ここから奥に進めば砂海を望む高台に出る」

「サカイ? 砂の海って事か?」

「そう。極小の砂粒が揺れ動く流砂の海よ、目まぐるしく砂漠の形を変えていくからあれは一見の価値ありだと思うわ」

「そいつぁ凄いな……今から行けるのか?」


 流砂というのは知っているが砂海なんて俺の世界には無い自然だ。

 見れるなら是非とも見てみたい。

 だが期待に目を輝かせる俺とは対象的に、2人は困ったような表情を浮かべる。


「んー……徒歩だとここから5日くらいかかるのよね」

「正直無理かなー」

「うげ、そんなに距離があるのか……」


 どうやら砂海に向かうには近くのオアシスに作られた中継所で移動用の魔物を借り受けなければならないのだと言う。

 仕方ない、今回は諦めるとするか。

 

 そして話し合った結果、俺達は最寄の中継所に立ち寄らず一気に街まで戻る事になった。

 水や食料は大丈夫なのかと聞いてみたがそこは心配無いらしい。


「ほら! ぼけっとしてないで出発するよ!」

「お、おう……」


 ミモザに叱咤され、反射的に振り向く。

 だが視界に入ったのは褐色の肌をした女性では無く、キラキラと太陽光を乱れさせて飛び込んでくる水の塊だった。


「っつごぶっふぉ! エホッグホッ! あにずんだ……」

「あはははは! リュートだっさーい! スラッグソーの突撃をよけ続けた人とは思えないー!」


 出発するよ、と振り向かせておいて水を顔面にぶちかますとはこれ如何に。

 返事をする為に口を開けた途端、冷たい水が咽頭にフルダイブすればそりゃむせる。

 意識の範疇外なんだから避ける事なんて難しいと思うんですが。

 それとも何か?

 この世界には後ろから突如切り掛かられても楽々回避しちゃう化物(チート)でもいるのか?


「あのさぁ……何すんだよ……」


 ひとしきりむせこんだ後、水滴を滴らせながら水をかけた犯人に抗議の目線を向ける。

 カラカラに乾いた砂地に落ちた水がじくじくとその範囲を広げていた。


「暑さでのぼせてボケてるのかと思ってね。ミモザさんの優しさに感謝しなさい」

「んなワケあるか! それより今の水! 貴重なんじゃないのか!?」

「あ〜……そこは大丈夫。うん、ほんと、平気」

「ん? なんか様子が変だけど……大丈夫ならいいさ」


 今まで人を指差して爆笑していたベリーニが今度は人差し指同士をくるくる回しつつ、しまった、という表情を浮かべ視線を逸らす。


「ほらほら! 細かい事はいいから! 砂漠の街デザートサンドへ出発ぅ!」


 そんなベリーニを横目で一瞥し、肩をぐるぐる回しながら意気揚々とミモザが歩きだす。

 しかしデザートサンドって……安直過ぎやしないか?

 キリアシの件もあるしこの世界のネーミングセンスって割りかし適当なんじゃなかろうか。

 天から注ぐ熱い太陽光と、砂からの照り返しで景色が揺らぐ中を歩き出しつつ俺はそんな事を考えていた。

 

 それとあともう一つ。



「帰り徒歩かよ!!」


今日は夕方にも投稿出来る予定です。

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