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支配者の迷宮 -初勝利と戦利品ー

まだまだ続きます(震え声)

「・・・な、なんだ?」

光が収まると、そこにはそこにはいつもと変わらない部屋だった。

「な、なんだったんだ」

そう呟きつつ彼はパソコンのモニターに視線を戻す。そこには[支配者の資格の取得により、支配者の迷宮へ強制召喚されました。支配者の迷宮を心行くまで堪能してください。また、ゲームクリア以外に元世界に帰還する術は御座いますが、あくまでも一時的なものとなりますのでご注意下さい。また、ナビゲーターをそちらに置きますので、『美少女メイカー』より、ナビゲーターの項目から編集してください]

等、幾つかの文言が書いてあり、最後に締めとして

[尚まだ現実逃避をしている場合、部屋の扉を開いて外の確認をお願い致します]

と、あからさまに、お前信じてないだろうが現実を直視しろ、とでも言いたげな文章があった。

「・・・おいおい」

明らかに異常とも思える文章に、気がつくと外の光源が全く見えない窓を見つけて青ざめる。

「じ、冗談だよな?」

そう言いながら彼は部屋の扉を恐る恐るほんの少しだけ開け、覗き込む。そこには彼の知っている景色は存在せず、見覚えのない20畳程の大きな部屋があった。そこには最低限テーブルと椅子が中央に置かれていた。

「・・・ま、マジかよ」

思わず呻いてしまうが、一人でそこに留まっても仕方ないため、パソコンの前に戻る。

「とりあえずワケわかんないからナビゲーター作って問い詰めよう」

そんな風に今のなんともいえない衝動をまだ見ぬナビゲーターに押し付け、ナビゲーターを下心一杯に作り上げた。


ナビゲーターを作り上げた後、完了ボタンを押すと元の画面に戻り、不意に部屋の扉がノックされる。

「早いな」

そう驚きつつ扉を開くと、そこには彼の理想の女性が立っていた。

深い藍色と黒の中間の髪の毛をポニーテールに束ね、穏やかそうな顔立ちでこちらを見上げる少女は彼の顔を視認すると丁寧にお辞儀をした。

「初めまして、我が主。私の名前はアッレ・シュナイ。貴方のために精一杯尽くさせて頂きます」

そう言って彼女、アッレは彼に向かって微笑んだ。

「初めまして。篝参人かがりまいとだ。参人が名前だ。」

「ではカガリ様とお呼び致します。早速ですが、何ご用は御座いますか?」

ニッコリと微笑んだアッレに数秒みとれてしまった後、ハッとして慌てて聞きたいことを聞き出した。そこでわかったことは以下のことだ。

・説明の通り、元の世界に帰るにはゲームクリアをするしかない

・ゲームクリアの条件は、一定数を超えるスコアを出せばそれでOK。スコアは侵入者の撃退や、戦闘の勝利によって稼ぐことができる

・望めばゲームクリア後もこの世界で生きていくことができる

・ゲームオーバーにペナルティはとくにないが、ゲームの起動が出来なくなる(ある特殊条件を除き)

・ゲームオーバーの条件は主の間に置いてある宝玉ダンジョンコアをダンジョンより持ち出されること

・軍備を整えるのに幾つか方法があるが、この世界で迷宮が放置されることはないので計画をしっかり練る必要がある

・ナビゲーターは直接戦闘は出来ないため、出来るとしても身代わり位

・ポイントを稼ぐのには侵入者撃退時には即座にポイントが入るが、迷宮の外の場合、装備品の回収等で部隊が迷宮に帰還するまでポイントの加算は存在しない

・倒した侵入者は主の所有物となる


これらを確認し、アッレに10pで購入した紅茶と20pのティーセットで紅茶を入れてもらいながら幾つかの事項をパソコンで確認する

「ところで主様。捕獲した侵入者はどのように致しましょう?」

「そういやそんなのいたな。うーん、どうしたら良いと思う?」

カガリがアッレに問うと、アッレは楽しそうに笑う。

「初めての人間ですから、逃がしたくはありませんね。『隸属の首輪』をAランクで侵入者に設置して更にまだ軍備が整わないので苗床になるか召喚母体になるか主の好きなように扱える奴隷とするか、ですね」

その発言に思わずカガリは心が踊る。彼は現実ではできなかった嗜好が出来るようでとても嬉しくなった。

「折角だし選択させてあげようか」

「そうですね、ただ意識が戻る前に隸属の首輪と母体刻印を打ち込んでしまったほうが確実でしょう」

「なるほど」

それは選択肢が存在しないのではないかというツッコミをする人はここにはいない。

「さて、じゃあ牢屋に行こうか」

「かしこまりました」

隸属の首輪Aランク5000pと母体刻印500pで出し、二人は牢屋へ向かう。

「そういえば侵入者の性別がわからないのにこれ持っていって大丈夫?」

「主は気がついていなかったようですが、主の迷宮のマップには男女、もしくは不明でマーカーの色が変わります。また敵味方でも色分けされているため慣れれば非常に分かりやすいものとなっております」

分かりやすい説明を挟みつつ数分も移動すると牢屋へと辿り着く。今はあまり数のない牢屋の一角に、ホーリエが全裸で横たわり熟睡していた。

「ここまで近づいても起きないとか」

「撃退され捕獲された侵入者は気絶もしくは昏睡状態になり、迷宮の主が決定を下すまで目覚めることはありません」

「へー、便利なものだな」

そう言いつつカガリは牢の中に入る。牢は迷宮の主と牢の管理人以外は開けることができない。

「さて、まずは首輪だな」

「その前に主。こちらを」

そう言って差し出してきたのは一枚のカードだった。

「なにこれ」

「牢に閉じ込めたもののステータスを確認出来るカードです。主のパソコンからも確認できます」

そう言われてカードを見る。

ホーリエ・ナリ。

年齢:16

性別:女

職業:狩人

スキル:

弓射撃レベル5

短剣術レベル1

回復術レベル1

隠密レベル2

料理レベル1

回避術レベル1

狩猟レベル2

毒耐性レベル1


特性

・弓術師の才

弓術のレベルが上がりやすくなる

・野生児

回復力の向上、回復術レベル1の習得

・無知なる挑戦者(食)

毒を含んだ食べ物を食べて生き残った者に与えられる、毒耐性取得

・狩猟者

狩猟に必要なスキルの成長率微向上


等書いてある。

「細かいステータスは主のパソコンにて確認できます」

「それにしても、結構優秀じゃないか?」

特に弓射撃レベル5とか、他のに比べるとダントツで高い。

「いい偶然が重なりましたね」

ニコニコ笑いながら言うアッレにそれ以上言葉を返せず仕方なくホーリエの首に隸属の首輪をつける。そしてアッレに聞いていた通り母体刻印をつけるためカガリはホーリエの下腹部に指輪を嵌めた手を当てる。

「『汝我に隸属するもの。我が力、我が心に従い汝の器は我が物となる』」

定められた通りに言葉を紡ぐと、ホーリエの下腹部に妙な紋様が浮かび上がり、しっかりと見えるようになったところでカガリは手を離した。

「はい、これで終了ですね。あとは交渉です」

「交渉と呼べないものだけどね」

そう言葉を交わすとホーリエはゆっくりと目を覚ました。

「・・・ん、んう」

「あ、おはよう」

「おはようございます」

「あ、ん、おは・・・ってなんだあんたら!?」

途中まで寝ぼけていたらしくホーリエは見覚えのない二人の姿を認めて慌てて身を翻す。

「あんたらって、まあ初対面だしね。初めまして、ついさっきここの迷宮の主になったカガリだ」「ナビゲーターのアッレです」

「あ、これはご丁寧に、って違う!というかここはどこだ?というか迷宮って」

戸惑いながらも辺りに視線を飛ばしてホーリエは情報収集をする。

「え、まずそこから?」

「できたばかりですので知名度はほぼゼロに近いかと」

アッレの言葉に、そっかぁ、と呟きながら困ったように眉をひそめる。

「まあ細かいとこはいっか。君が俺の迷宮に侵入して、そのまま捕まった、という訳だ」

「なっ、こ、ここから出せ!」

「うん、ごめん無理」

苦笑いしながらカガリはホーリエの首を指差す。そこで初めて首輪の存在に気付いたのか、両手で触って確かめたあと、必死に外そうとしはじめた。

「その首輪は『隸属の首輪』って言って、俺じゃないと外せない。んで、君は俺の命令絶対順守の反抗不可だから」

その言葉を聞いてホーリエは愕然とし、手が止まってしまう。

「さて、そして更に君には『母体刻印』を刻んだ」

その言葉にホーリエは思わず自分の下腹部に視線を向け、特徴的な紋様を見て絶句する。

「君はこの迷宮初めての侵入者だ。そこで君に選択権を与えよう。

一つ、このまま逆らって精神を壊され、君の住んでいた村の住人を全員隸属もしくは皆殺しにする

2つ、苗床になってここの迷宮の魔力供給の礎となる

3つ、モンスターの母体となってこの迷宮にモンスターを生み出す器となる

4つ、俺の性奴隷として一生俺に尽くす

さあ、選んで」

カガリのその言葉に思わずホーリエはにらみ返しながらも、顔色が青ざめ、ろくな選択肢が存在しないことに気づいていた。

「さあ、ゴー、ヨン、サン、ニ」

「よ、4つ目でお願いします」

「オッケー。あ、ホーリエって読んでいい?」

「・・・好きにしてください」

恨みがましく上目遣いでホーリエはカガリを睨むがカガリは全く応えた様子もなくアッレに食事の用意をすることを伝え、不意にカガリはホーリエの額にキスをしてしまう。

「なっ、なにを!?」

「忠誠の儀、ってとこかな。あ、君は俺の足の甲に口づけしてね」

「・・・」

至極悔しそうに、ホーリエは躊躇いながらもがあったカガリの靴の甲に軽く口づけた。

「はい、これで主に正式に奴隷として仕えることが決定しました。主は後でパソコンで確認をお願い致します」

「ん、おお。わかった。あ、そうだ、もう眠いから一度風呂はいって寝たいから、一緒に風呂入ろうか、ホーリエ」

「・・・わかった」

「それと主、今日明日中に初夜を迎えることをお勧めします。それにより主従の絆がより強くなり、また戦力を生み出すことが出来ます」

「・・・なんか慌ただしいな」

「ご安心ください、主従の契りを結んだ時点でチェリーでも気持ちよくなれます、チェリーでも気持ちよくなれます」

「なんで二度言った」

大事なことですから、とアッレは微笑み、カガリに言われてホーリエを連れて居住区へ行き簡単な料理を作り。カガリは自室へ行き、パソコンでアッレとホーリエの着替え(下着込み)3着ずつ90p、自分の着替えは自室にあるジャージでいいので、ホーリエの部屋を住居Dランクとして居住区のカガリの住居Aランク部屋の隣に。アッレにもCランクの住居10pを。さらに大浴場300pと食料貯蔵庫Cランク(300人が1ヶ月食っていける量を時間凍結で保存出来る)1000p、魔力生成室Cランク(数値にすると一時間に600)3000p、魔力貯蔵庫施設Bランク(およそ100000)2500pを一つ取得した。と携帯端末(パソコン操作の一部を離れた場所で行うことができる。ちなみに主以外が触れても動かない)10000pもさっきからちょくちょく必要なことに気づき取得することにした。

カガリが居住区大広間に戻るとみじん切りにしたにんにくとジャガイモ、にんじん、その他ちょっとした葉野菜を入れて煮込んだスープとポイントで出した柔らかなホテルブレッドを乗せた皿がテーブルにあり、アッレとホーリエはテーブルから離れた位置に立って二人を待っていたので、二人を説得して一緒に席に着かせた。といってもカガリガ入ってきた直後にはホーリエは目をらんらんと光らせ今にもよだれがたれそうになっていた。

「なあ、魔力生成装置と貯蔵施設ってなんだ?」

「作っていなかったのですか?」

食事を取りながらカガリがアッレに問うと、アッレはむしろそちらに驚いていた。

「作っていないといけなかったか?」

「いえ、最初ですしないことも多いのですけど、あればポイント消費が最終的に抑えられます」

「どういうことだ?」

えーとですね、とわかりやすく説明しようとして言葉に迷うアッレ、それを見つめるカガリ、そして見向きもせずにがつがつと食べているホーリエのなかで若干の沈黙が流れる。

「この世界には魔力が存在します。魔力は生物の生長を促したり、変異させて特殊な生態や特徴を持たせたり、ダンジョンで言うなら野菜の促成やモンスターの強化に主に使われますね」

「めっちゃ大事じゃねえか」

「ええ、ですがポイント消費と違い即時的な効果は認められません。魔力のない世界で3ヶ月の収穫の周期である野菜が魔力の豊富な世界では最高で1ヶ月ほどでできるときもありますが、あくまで一時的なブーストと考えていただいたほうがよろしいです。また、この世界では居住区にも魔力を消耗するものがございますが、初期魔力はダンジョン創製時にできたスペースによって決定されます。主の使っているパソコンも現在はダンジョンにあった魔力によって稼動しています」

「ということは、魔力が切れたらパソコンが使えなくなると」

「そういうわけではありませんが、自由度はほとんどなくなりますね。まるで魔力生成室を作れといわんばかりに操作性が落ちます」

「ち、ちなみに現状は?」

「パソコンのダンジョンマップの端のほうにゲージが書かれていると思われます、それが魔力蓄積量と魔力残量になります。パソコンのほうは魔力を1時間に10使用しており、初期のダンジョン魔力量は150でした。あ、あとポイントの代わりに魔力を使用することもできます」

け、結構ぎりぎりだったんだな、と思いながらスープをすすると思わず頬が緩むおいしさだった。

「・・・」

わけのわからない単語の応酬にようやく意識が向いたのか、ホーリエがこちらをにらむように見ていることに気づく。

「どうした?スープ足りないか?」

「お、おまえアイタっ!・・・カガリ様はいつもこのようなお食事なのですか?」

ホーリエの言葉にアッレは拳骨を落としつつも特にそれ以上注意はしない。その様子にカガリは思わず苦笑しつつも首を横に振る。それをどう思ったのか、ホーリエは余計に警戒するように残ったスープを押しやろうとする。

「いつもはもっといいもん食ってる、のかな?肉とか普通だし」

その言葉にあっけに取られたようにホーリエは手を止め驚いたようにまじまじとカガリの顔を見る。

「俺にきちんと奉仕するなら、今日よりもっとうまいものが食べられるぞ」

まるで悪魔の誘いのように唇をゆがませてカガリが笑うと、ホーリエは悔しそうに顔をゆがめた。

「そうですね、今は人手が足りていませんから、あなたに産んでもらう事になるかもしれませんが、その分の待遇は保障します」

「何でお前が言うんだ」

アッレの言葉にあきれたようにカガリが言うが、得意げに笑うだけだった。

「あのこんなこといって申し訳ねえイタッ!申し訳ありませんが、私の村を助けてくれませんか?」

意を決したように紡いだホーリエの言葉に、思わずカガリとアッレは顔を見合わせた。。

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