支配者の迷宮 -支配者の資格ー
このあともしばらく書き溜めたものを一気に投稿しようと思います
投稿し終えた後は未定ですので、ゆっくりまったり待ってもらえるとありがたいです
「あちゃあ、参ったな・・・」
村から出てきて突然の大雨、朝は快晴だったのに、昼過ぎあたりから雨が降り始め、何とか木陰に逃れたものの、雨はそれを待っていたかのように大降りになった。
「やっぱり、狩りは昼で終わらせておくべきだったか」
そうやって空を眺めているのは、質素ながらしっかりとした作りの毛皮の衣服を身にまとったちょっと筋肉質だがスレンダーで通る程度の体格の少女。燃えるような紅い髪を適当に結んで邪魔にならないようにしている。顔はやや穏やかだが、目だけが鋭く、しかし困ったように細められている。彼女の名前はホーリエ・ナリ。一応村の中では狩りの名手とされ、中でも弓矢の扱いは村で一番だった。ただ、ちょっと抜けていることもあり、村では生暖かい目で可愛がられている。
「走って帰るにしても、今は点旬の月。雨の日は化け蛙が出るからあんまり視界がよくないところなんて走ったら危険すぎるし・・・ん?」
ホーリエが視線を下に戻し、左右を見渡すと、薄暗い中により暗い、それこそ洞窟のような穴が見えた。
「お、洞窟だ。ちょうどいいや、あそこで雨宿りしていこ」
そう言ってそちらに向かって駆けていった。彼女がそこを見つけなければ、あるいはそこがもう少し別の場所に出ていれば、この先彼女に訪れる出来事は起きなかっただろう。
「おー、なかなか広いなあ。獣の匂いもしないし、安全かな」
そう小声で言いながら背中に背負っていた毛皮でできたリュックをおろす。このリュックはホーリエ特製で、きっちりと裁縫で縫ってあるため中にあるものは水に漬かっても濡れないという優れものだ。
「さて、こんだけ広いなら、焚き火しても大丈夫だよな」
そう独り言を言いつつリュックの中から今日取ったウサギの肉と茶色い塊と木片をいくつか取り出した。
「へっへー。このあたしにかかればこんな何もないとこでも焚き火ができちゃうもんね」
肉を隣に置き、茶色い塊をほんの少しちぎって木片の一つにくっつけ、さらに火打石を取り出し茶色い塊に火花を散らすとあっという間に燃え、木片たちも燃え始めた。
「~♪」
鼻歌を歌いながらホーリエは取り出しておいた肉を焼き始める。十数分後にはいいにおいで肉汁を滴らせたウサギの丸焼きがあった。
「いっただっきまーす」
ハフハフ、と熱そうにしながらもがつがつと食べ、しっかり食べ終わると骨もしっかりと地面に埋めて片付ける。
「はー、お腹一杯になったら眠くなってきた」
そう呟き、でも翌朝起きるまでに焚き火が消えてしまうのも困るので、適当に走って外から湿気た木の枝をいくつか取ってきて日にくべ、横になって眠りについた。ほかに生き物の気配がないため、あまり警戒もせずに。
[侵入者がありました。侵入者1名]
そうエクスクラメーションマークの下に表示され、入り口をよく見ると赤い点が一つ入り口近くでとまっていた。
「とりあえず、スケルトンの巡回をやめて様子を見るか。というかはええな」
開始三分で侵入者とはどういうことなのか、と若干いやな予感を感じつつも赤い点をしばらく観察する。赤い点は最初に入ってきてとまったところからほとんど動かない。そのまま20分も過ぎただろうか、その赤い点が突然外に出て行き、驚いている間にまた赤い点が一つ戻ってきた。その赤い点はほぼ同じところに戻り、動かなくなった。
「な、なにがしたいんだ?」
戸惑いつつも彼はなんとなくマウスを赤い点に合わせてみると、クリックできた。クリックすると、捕まえる、殺す、の二択の選択肢が現れた。さすがに最初から誰かもわからない存在を殺すわけにも行かず、捕まえるを選ぶと、いきなり、ピロリロリーン、と音が鳴って中央に[初撃退成功、ボーナス100p]という表示が出た。
「おお、・・・おおっ!?」
さらに下に[初撃退成功、『支配者の資格』取得]と表示されるとともに部屋が真っ白な光に包まれた。




