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閑話 とあるメイドの一日

年内に投稿しようと頑張ってるのに、実家の仕事が水をさす。


悔しいです。


え?もっと体を動かせ?


いやだなぁ、人間怠けるのが良いんじゃないですか。


あ、この話の内容ですが、出てくる子は今のところ本編に登場する予定はないです。

私、リタの1日はちょっと寝苦しい朝から始まる。


「んぅー、カガリたまぁ・・・」


寝惚けて私の体に抱きついているのはルームメートのワトだ。


彼女は苗床部屋に入れられてからしばらくして解放され、その前後に味わった人肌の温もりが病みつきになっているらしく、一緒の部屋で寝ていると布団に入ってきて抱きついてくるのだ。勿論カガリ様ラブらしい(公言している)。


(布団は1人ずつちゃんとあるのになぁ)


心の中でぼやきつつ、そっと巻き付いている腕を引き剥がして起き上がると、ワトの顔が充足していたものから不安げな顔になり、力なく誰もいない布団をまさぐる。


「ふぃえぇー、やぁー」


子供が駄々をこねるような声を上げながらワトがうっすらと目を開ける。


「おはよう、ワト」


「んぅー、おはよ、リタ」


私が挨拶すると眠そうにしながらもワトは起き上がる。この方法で確実に彼女が起きるため、最近知ってからよく使っている。


ワトは目をさまそうとしているのかフンワリとした茶髪のロングヘアーを頭をフリフリして振り乱す。それと同時に胸に聳える巨山がプルンプルンと大きく揺れ動く。


「ワト、また就寝用のブラ外したの?」


「だって、寝苦しいんだもの」


私が呆れて問うと、ワトは唇を尖らせて拗ねたように答えた。


アッレさんから支給され、キチンと着けてないと形が崩れて目も当てられなくなりますよと言われてから、殆どのメイドが着けるようにしている。


ただ、ワトのように嫌がる者も勿論いるけど。


「カガリ様に醜い体晒したいの?」


「・・・うぅー」


反論出来ないのだろう、ワトは唸るだけで返事をしなかった。


ワトに声を掛けて二人ともメイド服に着替える。


今日は久しぶりのカガリ様付きなのだ。


料理だったり風呂掃除や洗濯だったりとこの数ヶ月程はずっと裏方であったため、偶然を装ってカガリ様に挨拶する位しか機会がなかったのだ。


奴隷の講習も半分を終え、既にメイドとして働き始めている者も出てきたため、カガリ様付きの役はもっと遅くなるだろう。


(はぁあ・・・カガリ様)


思わずため息が出て、藍色の髪をとかす手が止まってしまう。


「リーター」


「ひゃうっ!」


ワトに唐突に胸を後ろから回された手に掴まれ、思わず甲高い声が出てしまう。


「うへへー、リタの柔らかくて気持ちいい」


「ちょっ、止めなさい!」


慌てて振りほどくが、ワトは満足したと言わんばかりに満面の笑みになっている。


ワトは解放されてからというもの、人肌フェチ、もしくは肌フェチのような嗜好に目覚めていた。


言わずとも一番はカガリ様なのはわかるのだけれど、なぜか2番手が私らしい。


・・・理解できない。


「リタのは手に収まらないけどちょうどいい感じのフィット感。それに少し肌がくっついてくる感じがいい」


ワトに聞いてみたら熱弁で返ってきた答えがこれだ。



着替え終えた私達は早速カガリ様の部屋へ入る。


カガリ様は昨日の晩に可愛がったヘーリネンとヴェリアを両脇に寝かせ、熟睡している。


その姿に器の大きさを感じつつ、私達は扉の近くに立った。


他にも二人ベッドの近くに立っているか、彼女らはヘーリネン達の身支度を整える手伝いをするのであって、カガリ様は私達の役割である。


「ん、おはよう」


「「「「おはようございます」」」」


カガリ様は目覚めはいい方らしく、起き上がるとキチンと挨拶をして頂ける。


カガリ様の着替えを手伝うのはカガリ様が遠慮してしまうため、脱いだ衣類や今日着る衣服の用意のみを行っている。


その時稀にですが、私達にキスをしていただけるのです。


ゴホン、口調が思わずおかしくなってしまいました。


アッレさんにはキスされても腰砕けになるなと注意されているのですが、された子は顔を真っ赤にして耐えているそうです。


「んっ」


「んむっ」


キャーッ、キスされました、キスされましたよ、私!


ビックリと感動でおかしくなっちゃいそうです。


せっかくクールに決めているのに、顔がにやけそうです、どうしましょう。


「(リタ、顔真っ赤)」


ワト、言わなくても自覚してますよ。


色白な自分がリンゴのように赤くなった頬になっているのは仕方ないのです。


・・・そう、仕方ないのです。



気を取り直して、朝食を取りに食堂へ行く。


カガリ様の方針で、メイドも全員この時に朝食を食べる。


カガリ様曰く、一日一度は全員の顔を見ておきたいそうです。


この時に出てこない子がいればルームメートに聞いて体調が悪い場合は休ませて貰えますし、カガリ様がちょくちょく見舞いにきてくれる。


・・・羨ましいです。


あ、仮病はしませんよ?


仮病はすぐに見抜かれますし、実際やった子がいて、その子はその晩可愛がられたのですが。


「お尻痛い」


としきりにお尻を気にしていました。

何をされたのでしょうか、怖いです。


なにより、その子が新たな境地を開いたようなちょっと嬉しそうな顔だったのが尚更に。



そんなこんなで朝食を終え、各自仕事に別れていきます。


私はいつもなら縫製の勉強に行くのですが、今日はカガリ様係です。


カガリ様は勉強用の教材や、糸を紡ぐ段階からそれ専用のモンスターを用意してくださいました。


芋虫のピーと呼ばれるその子が出す糸を使った服は、現在の主力商品だったりします。


私の作ったものはまだ下級品として売られているので、あまり自信はない。


もっと手先が器用だったら良かったのに。



カガリ様は朝食を終えると迷宮から街へ意識を飛ばすことが殆ど。


今日は街へついていくことになっている。


なんでも今日は新しく来た行商人とちょっと相談があるそうです。


お米?でしたか。


それを仕入れるために、自生もしくは栽培しているところを確認して欲しいとのことだそう。


カガリ様はそのお米というものが好きだそうで、大抵私達と一緒にパンを召し上がっているカガリには申し訳なく思っています。


あ、行商人が来ました。


言われた通り丁寧に出迎えます。


・・・こちらをチラチラ見てきますね。


いや、隣のワトの、胸、ですか。


わからなくはないです。


男なら大きい胸に視線が行きますよね。


私は毎朝押し付けられているので慣れてしまいましたが。


脱穀前のお米の姿だそうで、写真というものをカガリ様が行商人の方に見せている。


行商人はこれはラグール麦だと仰っていた。


なんでも亜人連合の東部で栽培されているそう。


他国ですか。


仕入れは難しいかもしれないですね。


あ、行商人顔赤らめた。


ワト、いくら気付いたからって面白がって笑顔を振り撒くんじゃありません。


言いたいですが、商談を邪魔は出来ません。



1時間程話し合った後、いくつか頼んで話は終わりになったようだ。


もらったお菓子を丁寧に布に包んでいますね。


好感が持てます。


ただ、作ったのは調理担当の子なのでお礼を言われても。


しかもワトをガン見してますし。


やっぱりダメですね、カガリ様が一番です。



商談を終えるとカガリ様は今日の報告を聞いていきます。


といっても、村の農作業や、館の職業勉強はその管理者に一任し、何かあったら連絡するだけです。


なので聞くのは経過と進捗状況位ですね。


あ、そうでした。


奴隷の子が1人メイドの新人の挨拶をしに来るんでした。


地味な茶髪の子ですが。


やっぱり栄養状況が悪かったのか、スタイルはストーンと上から下まで平ら、珍しい。


カガリ様がいくつか言葉をかけ、その場はそれで終わる。


やたらに嬉しそうなのは少女なりにカガリ様に恋心を抱いているからでしょうか?


可愛らしいです。



夕食はカガリは身内と、たまに私達のようなカガリ様係のメイドと一緒に取っています。


今日は別なようですね。


閨には呼ばれているので早めに食事を終えてカガリ様のために体を清めなくては。



夜は薄手のネグリジェを着てカガリ様の寝室へお邪魔します。


ネグリジェはアッレさんが選んだ数種類から自分で選べます。


カラフルで楽しいです。


カガリ様に抱き締められ、自分達の体を堪能していただきます。


ああっ、首筋に唇がっ。



そんな感じで1日が終わります。


ちょっと乱れてしまいました。


恥ずかしいです。


何がかって?


言わせないでください。


恥ずかしい。

これと次の話で今年は最後の投稿になりますね


まだ投稿しはじめて一ヶ月も経っていませんが、いつの間にか30000PVを超えていました。


非常に嬉しいです。


私自身も含めて投稿者や読者が来年も続けていけることをささやかに祈っています。


皆さんを小さな幸せが包んでくださるよう願っています。

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