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第5幕~賊の討伐、新たなる仲間~

投稿します!


何とか書きあがりました(^_^.)


それではどうぞ!


鈴鐘、鈴々、愛紗は、公孫賛の要望により、赤銅山に潜伏する賊の討伐をすることとなった。


だが、賊が赤銅山のどこに潜伏しているかがわからない。そこで、趙雲の策により、偽の隊商を仕立て、その荷物の中に潜み、それを賊に襲わせ、賊自らに賊の隠れ家に案内させる策を取った。


準備は着々と進み、もうまもなく実行されようとしていた。













・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・



「この箱の中に潜むのか・・・。この大きさだと、身体を密着させなければ入れそうにないな」


愛紗は眉を顰めながら唸った。


「案ずるな、私はその気がなくもないので特に問題はない」


趙雲は特に気にする素振りを見せず、あっけらかんと答えた。


「そうか、それなら・・・えぇ//」


趙雲の発言に顔を赤らめる愛紗。


「うぅ~、鈴々も一緒に行きたいのだ~」


傍でへそを曲げている鈴々。


誰が隊商の荷物に潜むかを決める時、鈴々も名乗り出たのだが、それを趙雲に二つ返事で却下された。理由は、根が騒がしい鈴々に長時間箱の中に潜むのは無理だと判断されたからだ。


「もう。我が儘言わないの。鈴々は長い時間箱の中でジーッとしていられないでしょ?」


そっと窘める鈴鐘。


「・・・愛紗達にだけ危険な目に合わせたくないのだ」


「鈴々・・・」


自身の身を案じてくれている鈴々に少なからず感謝を覚える愛紗。


「鈴々。あのね、もし、賊の隠れ家に侵入した愛紗と趙雲に何かあった時、助けに行かなきゃならない人が必要でしょ? 皆で行っちゃったら誰が助けにいくの?」


「あ・・・」


「私達は愛紗達に何が起こってもすぐに助けに行けるようにここでお留守番してよ、ね?」


鈴鐘は鈴々を後ろから抱きしめながら言った。


「・・・わかったのだ」


鈴々は渋々ではあるが、その言葉に従った。


一方で、鈴鐘が何故行かなかったのかというと、鈴々を1人残して行くのが心配だったというのもあるが、一番の理由は長時間箱の中に潜むことがやはりできそうになかったからだ。


『箱の中で長い時間ジッとしているなんて絶対無理なのだ・・・』


自身に妹ができたことで少しでも大人の自覚がでてきた鈴鐘だが、根はやはりこの世界の鈴々同様騒がしいのであった。


やがて、準備が整い、箱の中へ入っていく愛紗と趙雲。


「それでは、公孫賛様、行ってまいります」


「うむ。くれぐれも用心するのだぞ」


隊商に扮した公孫賛の兵士達が荷台を押しながら赤銅山へと向かっていった。












            ※ ※ ※



鈴鐘と鈴々はしばらくの間時間を潰していると、慌先程出立した兵士達が帰ってきた。


「どうなったの?」


「はい。荷物は賊が奪い、隠れ家へと運んでいきました。隊商に扮した兵士達にも怪我はなく、策は順調に進んでいきました」


「そうなんだ! 良かった」


鈴鐘は策が成り、兵士達に怪我がなかったことに胸を撫で下ろした。


「私はこれより、公孫賛様に報告に行きますので失礼致します」


兵士はペコリと一礼すると、建物の中に走っていった。


「鈴々、作戦は順調みたいだよ・・・って、あれ?」


鈴鐘が辺りを見渡すと、先程までそこにいたはずの鈴々の姿がなかった。


「どこに行ったのかな? 厠かな?」


鈴鐘は鈴々を探しに建物を探しに行った。











・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・



「あれ~、どこに行ったんだろう・・・」


鈴鐘は建物内をキョロキョロしながら鈴々を探していた。だが、一向にその姿を見つけることはできなかった。


「厠にもいなかったし、迷子になっちゃったのかなぁ・・・」


辺りを隈なく探しながら歩いていると、前方に文官が歩いてきた。


「あの、張飛を見なかった?」


鈴鐘がそう尋ねると・・・。


「張飛殿でしたら、赤銅山に向かわれましたぞ」


「えっ!?」


鈴鐘は目を丸くして驚いた。


「なんでも、お連れの方々を助けに行くのだと言って・・・」


「で、でも、賊の隠れ家の場所って、どこにあるのかまだわからないんだよね?」


「はい。私もお止したのですが、山の場所さえわかれば何とかなると言って。赤銅山の場所をお伝えすると、一目散に・・・」


「あちゃ~」


鈴鐘は思わず額に手を当てた。


昔の自分の気性や性格を考えれば、愛紗と趙雲が帰ってくるまで待っていることなどできるわけがなかった。


鈴鐘は自分の愚かさに思わずげんなりした。


賊はともかく、このままでは鈴々が山で遭難してしまう恐れがある。


「あの、赤銅山ってどこにあるの?」


文官から場所を聞くと、鈴鐘は一目散に赤銅山目指して走りはじめた。













            ※ ※ ※



どうにか山の麓にまでたどり着いた鈴鐘だが・・・。


「こんな広い山の中から見つけれるかな・・・」


山は思ったより広く、木々が生い茂っているため、人1人見つけるのは至難の業だろう。


「それでも、早く見つけないと・・・」


日が沈んで夜になってしまえばそれこそ見つけることができなくなる。それに鈴々でも、闇に乗じて賊に襲われればどうなるかはわからない。


鈴鐘は山の中へと走っていった。









・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・



「うぅ・・・見つからないのだぁ・・・」


山を駆け回ること約1時間。一向に鈴々の姿を捉えることができなかった。


「白蓮でも見つけられなかった賊の隠れ家を鈴々が見つけられるとは思えないよ」


白蓮は無能な将ではない。むしろ、優秀な部類に入る。そんな彼女が見つけれなかったということは、賊は狡猾に姿を隠しているのだろう。それを見つけるには偶然が重なるか、でなければ神懸かった勘の良さがなれば難しい。


鈴々は土地勘もなければ地理にも詳しくない。まず間違いなく迷子になっているだろう。


「こんな広い山から鈴々を見つけるのは大変・・・あれ?」


その時、鈴鐘が何かを見つけた。


「何だろう、これ。・・・洞窟?」


鈴鐘が見つけたのは坑道だった。その中は深く、奥まで続いていた。


鈴鐘が坑道の入り口まで足を運び、しゃがむと、入り口手前に並んでいた足跡に目をやった。


「・・・この足跡、まだ新しい・・・。それに、たくさんある」


入り口には、複数もの人の足跡があった。それもまだ新しい。


そこで、鈴鐘にある考えが浮かんだ。この鉱山が賊の隠れ家なのではないのかと。それならば、今まで公孫賛が賊を見つけることができなかったことも頷ける。


それに、賊が潜んでいるこの山で農夫達がいつまでも発掘を続けるのもおかしい。


どちらにしろ、鈴々がこの坑道に迷い込んだ可能性もある。


「行ってみよう」


鈴鐘は鉱山へと入っていった。












            ※ ※ ※



「篝火が灯ってる。やっぱり誰かいるんだ」


鈴鐘は松明を持たずに鉱山に入っていったのだが、中の坑道にはところどころに松明が括り付けれてため、難儀することなく進むことができた。


鉱山内は、道が無数に分かれており、とても入り組んでいた。鈴鐘は帰り道に困らないようにところどころに蛇矛で印を付けながら進んでいった。


「うーん・・・こっちかな?」


鈴鐘は勘を頼りに坑道を進んでいく。すると・・・。


「・・・!? 人の声だ」


鈴鐘の耳に人の声が届いた。それも無数も・・・。


鈴鐘はすかさず声のした方に駆けていった。


道なりに進んでいくと、大きく拓けた場所に出た。


「あぁ!? 何だてめぇは!?」


そこには、大人数の男達がいた。


男達は皆武装をしており、出で立ちから見ても、賊と言っても差支えがない。


「何だぁ? さっきの奴の仲間か?」


男の1人が剣を肩に担ぎながら鈴鐘へと近づいてきた。


「(さっきの奴・・・。ということは、ここにきっと、愛紗達が来たのだ!)」


鈴鐘はそれを確信し、内心でほくそ笑んだ。


「さっきの奴よりちんちくりんだが、まあいい。お前も一緒に可愛がってやるよ」


賊達は下卑た笑みを浮かべながら鈴鐘も囲み始めた。


その数は約200人程。


「ハッハッハッ! 無駄な抵抗はやめとけよ。この人数を1人で相手できるわけないだろ?」


「大人しくしてれば痛い思いしなくて済むからよ」


口々に賊達は笑い声をあげていく。


「はぁ、賊って、どこでも言うことは変わらないんだね。・・・早くきなよ。民を苦しめる賊は、私が成敗してあげる」


鈴鐘は蛇矛を静かに構えた。











            ※ ※ ※



一方、そのころ愛紗と趙雲は窮地に立たされていた。


当初の思惑通り、賊の隠れ家に無事に侵入できたのだが、鉱山内の拓けた場所に出ると、そこには大人数の賊がいた。


よーく観察すると、その奥に村娘と思われる者に狼藉を働いている賊の姿が目に入った。


しかし、賊の人数は多く、しかも手元には愛用の得物もなかっため、一度は退くことを趙雲は提案したのだが、頭に血を昇らせた愛紗がその村娘を助けるために飛び出し、その賊を蹴り飛ばした。


結果、何とか村娘は助けたのだが、逆に窮地に陥ることとなってしまった。


そこは、趙雲の機転によって何とか窮地を脱したが、鉱山の出口がわからず、右往左往していた。


途中、他に捕らわれていた村の子供達も救出し、出口を目指して走り抜ける愛紗と趙雲、そして村娘と子供達。外の光が見え、そこを抜けたが、抜けた先は断崖絶壁だった。


対岸までは30メートル程。とてもじゃないが、飛び移ることはできない。


途方にくれる愛紗達だったが、そこに運よく山に迷い込んだ鈴々が対岸に現れた。愛紗の指示により、対岸にそびえ立つ大木を斬り倒し、それを橋代わりに対岸へと渡った。だが、村娘と子供達が渡り終えたところで大木の重さで崖が崩れ、大木は崖へと転がっていってしまった。


愛紗と趙雲は覚悟を決め、賊達から槍と剣を奪い、鉱山へと再度突入していった。











・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・



「妙だな」


坑道を駆けていく最中、趙雲がポツリと呟いた。


「どうしたのだ?」


「うむ。先程から賊が一向に姿を現さなくなった」


「!? 言われてみれば・・・」


趙雲の指摘に愛紗はハッとした表情をした。


「先程の広場にはかなりの賊がいた。我々が退治したのはその中のほんの一握りだ。いったい何故・・・」


「公孫賛殿が救援に来たのではないか?」


「いや、それはありえぬ。そもそも、我々が戻らねば公孫賛殿はこの場所がわからぬよ」


「そうだったな。では、いったいどうして・・・」


「わからぬ・・・いったい、何が何やら・・・むっ、先程の広間に出るぞ」


「よし、では行くぞ!」


愛紗と趙雲は覚悟を決め、広場へと突入した。


「!? これは・・・」


「!? なんと!」


2人が広場した瞬間、目を見開いて驚愕した。


「あっ、愛紗ーっ! 趙雲ーっ! やーっと見つけたーっ!」


そこには鈴鐘がおり、2人に大きく手を振っていた。だが、その周囲には、無数の賊が倒れていた。


「り、鈴鐘、これはお前がやったのか?」


愛紗が戸惑いながら尋ねた。


「ん? そうだよ」


鈴鐘はあっけらかんと答えた。


「(これだけの数の賊をたった1人で・・・)」


「(衣服が汚れていない、それどころか、汗1つ掻いていない。やはり、私の眼に狂いはなかったか)」


愛紗は驚愕し、趙雲は笑みを浮かべていた。


普段から鍛えに鍛え抜かれた精兵や猛将を相手に鍛錬を積んできた鈴鐘からすれば、たかだか賊数百程度では相手になるはずがなかった。


「それより、鈴々がこの山に入っていったんだけど、2人共見かけなかった?」


「ああ。それなら―――」











            ※ ※ ※



その後、鈴々と合流し、村娘と子供達を村まで送り届けると、4人は公孫賛のもとへと帰還した。


城に戻ると、公孫賛が出陣の準備を進めていた。


賊を残らず討伐したことを伝えると・・・。


「な、なんだとーっ! じゃ、じゃあ、私の出番は!? 白馬に跨って賊をバッタバッタと薙ぎ倒す私の活躍は!? トホホ・・・」


公孫賛は肩を落として落ち込んでいた。












            ※ ※ ※



翌日、公孫賛の元を出立した。


「しかし、私達はもともと仕官するつもりはなかったが、お主は良かったのか? 公孫賛殿のもとにいれば、一角の将になれただろうに・・・」


愛紗が趙雲に問いかける。旅路には、趙雲も同行していた。


「うむ。公孫賛殿は優秀な将ではあるが、ただ、それだけだ。天下を治めうる器ではない。それに、影も薄いしな」


「影が薄いって・・・」


「あはは・・・」


鈴鐘と愛紗は苦笑いを浮かべていた。


「真に仕えるに値する主がこの蒼天の下の何処かにいるはずだ。それに・・・」


趙雲が愛紗達を見据えた。


「お主達と一緒に旅をした方が何かと面白そうだ」


「趙雲・・・」


「にゃははー」


「ふふっ」


4人は顔を見合わせながら笑いあった。


鈴鐘、鈴々、愛紗は新たな仲間、趙雲と共に、世を正す旅を再び再会するのだった・・・。










続く



あまり原作と変わり映えがなく、あっさり終わらせてしまいました。


何とかオリジナリティが出せるように頑張ります!


それではまた!


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