世界の浸食とその変貌者(6)
地下闘技場は花火大会のような爆音と、視界を塞ぐ爆炎が連発する場と化していた。
ウィルナは魔槍を操作して、襲い来る爆炎魔法を防ぎ続けて壁際まで後退した。
不幸中の幸いか、闘技場に投入され続ける黄金の騎士達は、向かい一ヶ所の出入り口からしか姿を見せない。ゴーレムが追加投入されたが二体。それとナイト・オブ・アルケミスト一名。
しかし多勢に無勢が過ぎた。合計十二本の魔槍は常に直立移動を続けて盾となり、槍としての機能を扱う隙が皆無だった。
「皆、大丈夫だ!僕は強いから絶対に負けない!」
ウィルナは後ろにいるベリューシュカ達に大声を上げた。
ウィルナはベリューシュカと子供達を小さな一塊とさせ、背後に屈ませ守り続けた。身を寄せて抱き合う子供達。その子供達を抱きかかえて背を見せているベリューシュカ。
「――僕は強いから皆は傷つけさせない!」
意識して平静を装い、余力を含ませた。張り上げた大声は虚勢と言える大声。巨大な爆音とその音の振動が体を打つ度、ベリューシュカの「ひいっ」という悲鳴が聞こえる。何としても守りたい。その一心で防ぎ続けた。
反撃の隙が無い理由は単純に相手の手数。上段の特別観覧席にいた騎士達もウィルナ達に矢を射かけ始め、その全弾を両手に握る武器で切り払い続けていた。
魔槍を操作しながら矢を全弾打ち払う動作は難しく、右利きの人が左手でボールを投げるように難しかった。広い視野角を維持し続ける集中力と反射速度の維持は、魔力と体力を凄まじい勢いで削っていった。
更に意識を削がれた理由がもう一点。天井から降りて来る円形舞台から響き渡る剣戟音。誰かがそこで戦っている事に気が付き、エイナ生存の希望が微かに宿って気になっていた。
ウィルナは円形舞台を気にしながらも防御に徹し続け、敵集団との我慢比べを続けていた。敵も無限に来るわけじゃ無い。魔力が尽きても生命力でも何でも使って守りきる。
そう決めた直後だった。
「ディロンさん!」
円形舞台が降下して、舞台上の状況を確認する事が出来て思わず大声を上げた。
「エイナお婆さん!」「おばあちゃん!」
そして背後のベリューシュカと同時に声を上げ、その視界を爆炎がしつこく遮る。一瞬の視界がとらえた円形舞台には、小さく背を丸めたエイナが守られて立っていた。
守護していたのはディロンとヴィガ。敵は何故か増えていた黄金の騎士が七名。
ディロンが左手で剣を握り、エイナを背後で守っていた。ヴィガがその前に立ち、騎士達に立ち塞がって単独戦闘を行っていた。
ウィルナから見ても外の人間では強い部類のヴィガ。しかし白銀の鎧は血に染まり、肩で大きく息をしながら両手で握るロングソードで戦い続けていた。
「ヴィガさん!」
ヴィガは前方を騎士達に広く囲まれ、一太刀斬り込めば他の騎士から一太刀返される状態。そしてウィルナが感じたヴィガの動きの違和感。ディロンの増えた手傷。
(僕の防御魔法が消えてる!)
ディロンはウィルナ達を見送った直後、ウィルナのために行動を起こした。ヴィガを連れて部屋から飛び出し、闘技場の天井裏にある仕掛け部屋まで移動を開始した。
敵となって襲い来る騎士達との死闘を繰り返し、全てを切り伏せながらようやく辿り着いた仕掛け部屋。その場にいる全員を切り伏せ、円形舞台を降下させ、その制御装置を破壊して円形舞台に着地。
エイナを拘束していた騎士三名を急襲して奪還出来たが、追加投入されていた追跡部隊の十数人も円形舞台まで追って着地してしまった。
二人は防御魔法が消滅するほどの斬撃や攻撃魔法を受け続けても、その足を止めなかった。ディロンが気力で声を出し続けてヴィガを支え、ヴィガがディロンを全力以上で守り続けて道を切り開き続けていた。
(二人とも。――いつもだ。――僕はいつも誰かに助けられてる)
ウィルナは背後の守りたい存在を懸命に守護し続けた。
ディロンとヴィガは、ウィルナが守りたい存在を認識して必死に守護し続けた。
ウィルナの流れる時の中で、荒波のように押し寄せる攻撃魔法。きりなく撃ち込まれる矢弾。巻き起こる爆音と矢弾の破壊音。守ると決めた人達が命を懸けて戦ってくれている。駆け付けたいが出来ない苛立ち。
そしてその時が訪れた。ウィルナは救われた思いだった。
ヴィガが自身の負傷も顧みず、円形舞台の騎士の全てを切り伏せた。円形舞台は砂地の地面からかなり近い高さまで降下した。
「ディロンさん!ヴィガさん!エイナお婆さん!僕達はここです!!!」
ウィルナは三人の立つ円形舞台に一瞬視線を移して自分たちの所在を伝えた。
多少の安堵を覚えた。
ウィルナと相対する数十人の敵集団は中央付近に陣取り、ゴーレム二体の陰に隠れながら魔法を発動していた。
円形舞台は中央から多少離れた中央寄り奥の場所に降下した。広い闘技場で未だ距離はあるが敵が近い。
ディロン達が離れた場所にいる為、魔槍を盾として送りたいが隙が無い。魔槍を追加したいが、その一瞬の隙すら無い攻撃が苛烈に襲い来る。
今の離れた状態で守れないなら近づく。ウィルナがその判断に至った直後だった。
ウィルナ達への攻撃一切が止んだ静寂が訪れた。
「――何だ。――皆気を付けて!何かおかしい!」
ウィルナ個人は経験の無い空白の時間。勝敗の着いていない戦闘中に、全敵が動きを止めた理由が分からなかった。何を警戒すべきかも分からない。
その後の一瞬は明確に時の流れが狂った。
幼い頃から命を懸けた死闘の数々を日常として経験し続け、その圧縮した緊迫感の中で敵の動きを注視してきた。生き残るための生存本能からくる、鋭い感覚を磨き続けたウィルナが体得した極限の集中力。
世界の時が遅延した。しかし時の流れは止めきれない。
「やめろぉおおおおお!!!」
自分の体の動きすら緩慢に映る緩やかな時の中、斧を手放した右手だけが差し伸べられた。受け入れがたい現実に抗うように向けた手の先には、矢弾が上段一ヶ所から群れを成して円形舞台に飛翔する。
今までディロン達に舞台外からの攻撃は無かった。黄金の騎士が全て倒され仲間への誤射が無くなった今、立ち位置を変えた弓隊からの矢弾が一斉に放たれていた。
止まっている魔法は、第一目標であるディロンに狙いを変更した弓隊の邪魔をしない為。確実に仕留めさせる為。矢だけで確実に仕留めきれると判断された為。
そして高所に陣取った弓隊からの矢弾は、一瞬の雨のように降り注いだ。
三本の矢がディロンを貫いた。二本がエイナを貫いた。七本が身を挺して矢弾を切り払ったヴィガの刃と白銀の鎧に弾かれ、一本が左腕に突き刺さった。
円形舞台の三人全員が直撃の衝撃でよろめき、そして膝から崩れた。舞台に膝をついて耐えたのはヴィガだけだった。
ウィルナは三人を視界に捉えて叫ぶ事しか出来なかった。叫び終わる前には降り注いでしまった矢弾の雨。
(三人が見えた直後に移動を開始すべきだった。無理にでも反撃すべきだった。僕が――)
自身達への攻撃が止んだ事で周囲は警戒した。しかし自身周囲への攻撃警戒のみ。沸き立つ観衆の動きにも警戒してしまっていた。子供達に安心感を与えようと顔を向けて言葉をかけた。
その数秒、ディロン達からは目を逸らした。
ディロン達が遠すぎた。弓隊がディロン達に近すぎた。
「いやああああああああ」
背後のベリューシュカの悲痛な叫びが、自身の判断ミスによる罪悪感を増大させた。そして破壊衝動を抑制していた何かが外れた。その内なる悪意が体の中心から暴れ出して解放された。
「この下等生物どもがあああああああぁ!」
ウィルナは落とした斧を拾い上げて握りしめた。魔槍は全弾消滅させた。そして獣のような雄叫びを上げながら中央の敵部隊への突撃を開始した。
怒り狂い、敵しか見えない酷く狭い視界。見えている世界がぼやけて見える。
魔槍を解除した事で飛来してくる敵からの攻撃魔法の全弾に襲い掛かり全身で受け止めた。爆炎の衝撃と熱を帯びた体の強烈な痛覚だけが僅かに残った理性を繋げた。
その理性で巨大な魔槍を再構築。離れたベリューシュカ達の周囲に全弾を撃ち立て、光の束で簡易テントのような巨大な円錐を形成して守らせた。ベリューシュカ達には防御魔法も付与してある事で、その後の意識は敵に全て持って行かれた。
「お前らは今!ここで必ず!!!――くっ。ぅがああああ」
敵集団の最前列にいるゴーレム二体の内の一体に狙いを定めて距離を詰める。
ウィルナを狙い、放たれた攻撃魔法の全弾は両手の武器で両断爆砕された。
爆砕した衝撃は強く、その効果も多少しか衰えていない。直撃するよりはマシ程度。だが感じる痛みが自身の選択ミスの罰として感じられた。怒りの感情だけが体を突き動かし、喚き声を上げながら最短距離で敵集団へと突っ込んだ。
ゴーレム一体に肉薄し、その巨大な刃を掻い潜って前に出している右足の膝関節を斧で斬り砕いた。ウィルナの咆哮と激しい金属音が周囲に轟き、ゴーレムは軋む金属音を上げてバランスを崩した。
両腕の巨大な刃を地面に突き立てる事で前方への転倒を防ぐゴーレム。その両腕の肘関節を激しい雄叫びを上げながら破壊するウィルナ。
支えを失ったゴーレムは地面へと体を投げ出し、その頭に荒ぶる感情そままにダガーを突き立て、ダガーは折れた。全力のウィルナの力にダガーは限界を迎えていた。
しかしウィルナはダガーが折れた事を気にせずゴーレムの頭部を足裏で踏み砕き、ゴーレムは動きを止めた。
そして折れたダガーを騎士の頭に投げつけ一人を仕留めた。ゴーレムの折れた腕の刃を抱え込んで肘関節から引きちぎり、そしてそれも視界に映る騎士達に向けて咆哮と共に投げつけた。
ゴーレムの残った片腕を抱え込み、敵の固まる箇所目がけてその巨体を放り投げた。さらに投げたゴーレムに追走する形で敵集団に突入し、ゴーレム背後で身構えている騎士達を蹂躙し始めた。
残る一体のゴーレムが背後から追跡して攻撃を仕掛けて来る。そして大振りの横薙ぎ。
「がっ」「バギャイィイイン」
ウィルナ背後からの愚鈍なゴーレムの横薙ぎは右方から直撃。その鋼鉄の巨体から繰り出された重量のある一撃と、無防備なウィルナの防御魔法の衝突は凄まじい金属音を反響させた。
地面を低空で投げられた小石のように吹き飛ぶウィルナには、正面しか見えていなかった。ゴーレムの巨大な足音と、地響きすら認識出来ていなかった。
それでも空中でもがき続け、四つん這いで地面に両手両足をついた。
砂地の地面を後方へと押し流される体。直線で巻き起こる砂埃。ウィルナは直撃の威力に抗い続け、止まった瞬間顔を上げた。その姿勢は短距離走スプリンターのスタート体勢。
「がああああああ!!!」
前に進むためだけの前傾姿勢。両腕はどんな形にも対応できるように、だらりと下げた脱力体勢。
手近な騎士達の頭を斧で割り、その剣を奪って他者に投げて突き刺し、目についた騎士の顔面を防御魔法で固めた左拳で破壊した。
「がっ――あぁああああ」
騎士達に囲まれ、斬撃を受けようと止まる事のない咆哮と暴虐。同時に舞い上がる騎士達の血煙と罵声と悲鳴。
ウィルナは人型の魔獣と化して、この場の敵に襲い掛かり続けた。
「マントつきだ!奴隷契約と同じだ!ナイト・オブ・アルケミストを倒せばゴーレムは止まる!あいつが部隊長だ!」
ウィルナが騎士の足首を掴んで振り回し、その鎧を纏った体自体を武器として扱っていた時だった。
ヴィガがディロンとエイナを両腕に抱えて守り、その背に騎士の死体を抱えて矢弾から身を守って声を上げていた。
「ヴィガさん。――くっ。ごめんなさい!僕は!!!」
ウィルナはヴィガの顔を見て理性を取り戻した感覚だった。その視界にはもう話をする事も出来ない状態のエイナ。辛うじて呼吸を維持して薄く目を開け、ウィルナを見ていたディロン。
「このまま敵集団と反対側の出入り口から退却する!お前が道を切り開け!俺が殿を務める!」
ヴィガの声を聴いた瞬間、本能に支配されていた狭い視野は広がりを見せた。ヴィガが指定した出入り口の近くにいる子供達に振り返った。
守っていた魔槍達の周囲には砕けて折れた矢弾多数。現在進行形で上段観覧席から矢が放たれ、攻撃魔法が襲い掛かって爆炎を上げていた。
背を向けたウィルナに火炎魔法が直撃し、その身を大火が包んでも動くことが出来なかった。
まだ生きているディロンとヴィガ。エイナの遺体。ベリューシュカと子供達。相対する闘技場の騎士達。上段の騎士達。何から手を付けるべきか判断出来ずに立ち尽くした。
「動け!子供達は俺が必ず護る!」
「はい!」
ウィルナはヴィガの声に突き動かされるように敵集団の一番奥に控えていたマント付きの騎士、ナイト・オブ・アルケミストに駆け出した。
左手に握っていた騎士の体を進路上のゴーレムに投げつけて道を切り開いた。走りながら騎士のロングソードを左手逆手で拾い上げて握りしめた。
「うおおおおおお!」
獣から戦士へと変貌したウィルナの戦闘スタイルは別物と化した。
左のロングソードで斬撃を受け、受け流す勢いそのまま横一線。すれ違いざまに首を切り裂いた。躱せる攻撃は距離を詰めながら身を躱し、回避しながら横に薙いだ。距離の近い敵は右の斧で叩き割った。
あらゆる障害物をなぎ倒して最短距離を駆け抜けた。
そこには敵の悲鳴と怒号のみ。ウィルナには自分の只ひたすらに静かな呼吸音だけが聞こえていた。
そして辿り着いた目標の首をロングソードで斬り飛ばして駆け抜けた。
そのまま速度は緩めず大きな曲線を描いて反転。敵集団から離れた事で攻撃魔法や矢弾が飛来して来るが、進路の角度を細かく変更する事で回避し続けた。
闘技場の中央付近を越えた辺りだった。敵集団の攻撃一切が再度止んだ。
騎士達がいる背後の入場口が鉄格子の扉に塞がれる音を聞いた。そして子供達の場所へとヴィガが走る姿。その両脇に抱えられているエイナとディロン。
ウィルナは周囲全体を警戒しながらヴィガの後を追いかけた。
背後の敵集団は姿を消していた。
子供達に近づくにつれて聞こえるベリューシュカの悲鳴のような泣き声。その声が心に痛く突き刺さった。ヴィガが先に到着し、降ろして寝かせていたエイナ。ベリューシュカが魔槍の隙間から手を伸ばして慟哭していた。
皆の側に到着したウィルナが魔槍を消滅させた途端、ベリューシュカはエイナを抱き上げて啼き続けた。悲痛な叫びはウィルナにも確実で明確な痛みとして感じられた。
「ごめんなさい。僕が守ると決めたのに」
謝罪の言葉と同時に巨大な魔槍を発動。この場の全員を取り囲んでゆっくりと動かし、地面に遮断壁として音を抑えて打ち込んだ。
ベリューシュカの悲しむ時間を、魔槍の衝撃音で邪魔させたくなかった。魔槍を地面に突き立てる衝撃を、少しでも無くしたかった。疲労感を見せている子供達に、落ち着いた時間をあげたかった。
「貴方との約束。――守れませんでした」
ウィルナはディロンの前に膝まづいた。
青白い顔のディロンは腰を下ろしたヴィガに上体を支えられて頭だけを動かした。砂地に投げ出した全身に力無く、薄く開いたその目も視点が定まっていない。胴体に突き刺さった四本の矢。他出血多数。手遅れである事は経験から理解した。
「あぁ、君か。これ、は、――君に誓った盟約、に、従ったまでさ」
ウィルナはディロンが自分は戦えないと言っていた言葉を思い出していた。それでも彼は自分のために戦い続けてくれた。自然と涙が溢れてきた。彼も外の世界では滅多に出会えない強い人だった。涙が止まらない代わりに言葉が出なかった。
「きみ、にわたしそびれた、これを。――きみなら、きっと、ひつよ――」
ディロンは右手を動かし、胸の上に手を置いて息を引き取った。享年二十六歳。ウィルナと行動を共にして過ごした時間は約半日。それでもウィルナには大きすぎた心の一部の欠落として、巨大な喪失感を刻み込んだ。
ウィルナは声を押し殺して泣いた。ディロンのその手を握りしめて啼いた。
ウィルナとベリューシュカ、二人の泣き声だけが周囲に響き渡り、やがて静まり返っていた会場に熱気と歓声が巻き起こった。
「あれは私が持ち帰った厄災の果実の――」
ルーシェが驚いた声を上げて視線を向けた。
ウィルナとベリューシュカ以外がその視線を追い、ルーシェを驚愕させたその姿を確認した。
ウィルナ達が地下闘技場の会場に入った時に戦っていた魔物と同じ姿の二体が、近くの出入り口から姿を現していた。
四足歩行だが後ろ脚が異様に短く前足が太くて長い。見方によっては二足歩行で両手をついて歩いている、と言い代える事も出来そうな獣。大人の二倍近くの体の魔物が二体。
ずんぐりとして丸みを帯びた灰褐色の体はゴリラのようにも見える。しかし首から上の頭部はイヌ科特有の長く尖った顎を持ち、頭は巨大な狼のようだった。
ヴィガはルーシェの言葉で魔物を視認。ディロンの意思を汲んでその上着を漁り、黒い鋼鉄の鍵を取り出してウィルナに手渡した。
「これはお前が持つべき物だ」
ウィルナは手を取られて顔をヴィガに向けた。そして鍵を手渡された。何も考えられなかった。放心状態だった。自分の泣き声と泣く時の呼吸音だけが嗚咽として出た。
「これは奴隷の首輪の鍵だ。バルムト卿から首輪の意味は聞いているな。後はお前がその責任を持て」
ウィルナは返事を返さず頷きもせずに、ヴィガを黙って見つめて鍵を握りしめた。




