2話 ルル
「は、はい…?」
「あんた、ここどこか分かってんの??」
いやそんなこと言われても、、
「ここは、スラム街。」
「スラム、、?!」
「ここで生まれた人は、ほぼあっちには行けないのよ」
なるほど、ひょっとしたら僕のポジションってとてつもなく可哀想なことこの上ないレベルでは無いだろうか。
「失礼、名前は?」
「あたしはルル。あんたは?」
「僕は、、」
ここではどう言えばいいんだ?ここはみんなカタカナなのだろうか、ならば僕はリリスで大丈夫ではないか?
リリス…といおうとした瞬間、アメリカの小学校の頃にからかわれたのを思い出してしまった。
『女の名前かよwww』
『プリンセスってか?ww』
『リリスお嬢様〜ww』
別にそこまで気にしている訳では無いが、せっかく改名できるチャンスなんだ。
「僕は…リース。」
僕の1人の友達が、名前のことを気にしていると言ったら気にしないと言ったものの、僕が気にするのではないかと思い、男っぽいあだ名で呼んでくれた、そのあだ名だ。
「そう、リース、あんた上の名前は?」
「上?」
「もしかして本当に何も知らないの?」
「うん…」
「というかとりあえずそのでかい羽をしまって。話はそれからよ」
「!あぁ、、」
しまえているのかは分からないが何となくしまうようなイメージをしてみた。
「それで上の名前って?」
「例えば、この国のお姫様なら、グリス・スー・キィ、とかそういうの。」
「まぁ位の高い人にしか基本的には付けられないけど……」
「つまりその人はグリスさんって言うんだ?」
「まぁ、あの人は恨みを買いやすいけどね、」
恨み…?
「あんたさ、あたしんちおいで、風呂入んな」
「あ、あぁ、ありがとう」
彼女、ルルの言われるがままにルルの家へと向かった。
「?!?!」
え、この風呂、何度??
なんだろう、氷…?
『リース〜!あんた羽の洗い方とか分かるわよね??』
ドア越しでんな声が聞こえる。意外と部屋などは前の世界と変わらないそうだ。相変わらず風呂があってよかった、氷点下レベルだが。
「えっと、分からないというか自分の見た目もあんまわかんなくて…」
『あら、そう?』
ガチャ
「?!?!」
「なんで入ってきて…??」
唐突なエロシーンは求めていませんが?!?!
「ほら、羽洗ったげる。」
「は、はぁ、」
付け根から羽に向かって洗うらしい。色々気づいたが、僕の両膝から下はまるで鳥のように毛並みがある。そして肩と背中の間のいわゆる付け根からは、割とでかい真っ黒な羽があった。いや羽というのかこれは。
色々洗ってもらってる間にルルによるこの世界の色々について語ってもらった。
簡単に言えば、羽のデカさ=偉いらしい
「へ、へぇ…?」
あれ、ならば僕の羽のデカさでも割と行けるのでは?
「僕のではでかいには入らないのかい?」
「あなた、多分悪魔でしょ?そういうのは話が別。まぁ悪魔として一般的には地位が低いと言うよりかは恐れられてるイメージわ受けるからあまりいい反応を受けないわ、1部には称えられるだろうね、」
「そう…」
だからさっきは避けられていたのか。