森とはじめて
「そぉれ!」
勢いよく木刀が振り下ろされ3匹目のホーンラビットの角が折れる。
「すごいね、ノラどれも一撃なんて」
「でしょう、もっと褒めなさい」
森の奥に入り数分もしない内に3匹も連続で遭遇し殺さずに撃退、さすがとしか言いようがない。
「今回は狩りに来た訳じゃないから、殺さずに撃退したのは俺も褒めるが、あまり調子にのるな」
「えぇ、なんか厳しくない? グレックさん」
「警戒してんだよ、森に数がいるにしても、普通は、こんなすぐでてこねぇしな」
確かに群で来るならまだしも、個別に来るのは、おかしい気もする、あまりにも警戒心に欠けている。
「たまたまでしょ、なんか鈍そうな奴らだったし」
「だと良いがな」
先に進もうとした矢先に、茂みが揺れ小さな影が飛び出してくる、4匹目だ。
「もう出てきた、本当に多い気がするよ」
そう言いつつ木刀を構える、相手がウサギでも始めての実戦は、緊張するものがある
「ランスやる気ね、大丈夫よ思ったより素早くないから、落ち着いて」
ノラの声援で緊張がほぐれると同時に、ウサギが勢いよく突っ込んでくる、それを右にかわし、掛け声と共に木刀を頭目掛け振り下ろす
「はぁぁ!」
キレイに入った、鈍い音とともに倒れ、わずかに痙攣し動かなくなった。
「やった、僕にもできた」
「よくやったな、ランス」
はじめてにしては、うまくできたけどノラの様に角だけを折れなかった。
「不満そうね」
「そ、そんなことないけど」
バレてる、不満というかノラが簡単にできたことが出来ないのは少し悔しい。
「まぁ私は、天才だしランスも回数こなせばいけるわよ」
「いや別にできなくても……」
「強がっちゃて、うりうり」
にやけながら、小突いてくるノラは少し、いやかなり鬱陶しい
「お前らいつまでイチャついてんだ、こっちは解体終わったぞ」
「イチャついてません!!」
つい大声がでてしまう
「そんなに、強く否定しなくても良いじゃない照れてるの?」
「照れてない」
「ハイハイ、ごちそうさん、今回はこっちで解体をやったが次からは自分でやれよ」
「はい…… ありがとうございました」
何か著しい誤解を受けている気がするが、これ以上言ってもしょうがない先に進もう。
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