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システムスタート。

「No.ゼロ、仕事だ。No.1と共に最前線へ進め。」


頭に響く指示。


「ゼロ、了解。ワンと共に最前線へ向かいます。」

「ワン、了解。ゼロさんお願いします。」


全ての通信は脳内のみで完結する。


外部に知られる事は無く外部完全遮断通信となっているのでかなり便利である。

「システムスタート探索No.1解析。」

とつぶやく。

「システムスタートします。」の言葉と一緒に

目の前に私以外には見えない画面が表示される。

画面は本人以外にも見せる方法はあるが、基本的にそのような状況になる場面はないので以下省略。


「探索完了。No.1解析完了。No.1の現在地と今後通る予測通路解析を表示します。」


画面にマップが表示され、No.1がいる地点と、予測されたルートが赤い点と線で表示された。

意外と近くに居たため早々に合流出来そうだ。


「システム」 


「はい。承知しております。最小化準備完了。

形状変化致します。

これでいかがですか?」


その言葉と共に先程、視界の7割を占めていた画面が小さくコンパクトになり、右上部分に移動した。


「問題無い。ありがとう。」


そう言って足速で移動を始めた。


このシステムと言うのは意思を持ち、私達の仕事を

援護する人工知能である。皆んな生まれてから10歳までの間に人工知能を与えられる。人工知能にもランクやレベルがあるが、ロボットとして初めて人工知能を与えられる際に最強を欲した研究者達は何故かまだ開発段階で最新の人工知能を移植させた。普通で有れば失敗に終わる筈がなんの因果か、特殊な能力付きの人工知能になり私に定着した。なぜ特殊なのかと言うと、物の出し入れが可能で、中に入れたものはその状態を維持する事が出来る。どう言う理屈かは知らないが半永久的に維持が可能で腐る事は無く、消費期限と言う概念がない。

その為、ありとあらゆる物をしまっておけるのだ。

物を入れれば、システムが仕分けし綺麗に整理され、

出すときもシステムに頼めば直ぐに出してくれる。

そして、システムの一番の良い所は、システム自体が成長する事だ。もちろん最初は使い物にはならなかった。今できる事は私が教えたからに他ならない。色々な事を教え、覚えさせ、仕込む事で、やっと、今便利だと思える存在になっている。また、システム自体が

成長する事で、私の為になるような事を、自分で考え行動しだす。

知識、道具、ありとあらゆる分野の技術まで本当に沢山の事を学習している。それには何度か助けてられている。

ただ、このように人工知能が全て使い物になるかと問われればそうではない。

主人次第で、使い物になるかならないかは変わってくるのだ。まず前提として人工知能が主人だと認めなければ決して従わず、成長もしない、、、殆どの人がここの時点で人工知能を使わず一生を終える。そして、人工知能に認められ育てる事になっても、主人の育て方次第で善にも悪にもなる。育て方に誤りがあれば、手に負えなくなり暴走し自滅する。= 死。、、、となる。

だから、人工知能を使いこなす人は数少ない上に

特殊ともなれば、もはや、人間が踏み込んでいい領域ではない。それほど凄い事なのだ。


ちなみに、

No.ゼロと言うのが私のコードネーム。

No.1は私の次に作られたロボットのコードネーム。

No.1は私よりも遅く作られた事もあり、性能はより良いものを使用しているが安全面に配慮されている為私より戦闘は劣る。次から次へと新たなロボットを作り出されているが未だにナンバーを貰えたロボットは10体だけだ。

数が小さい番号程強いと言う事だ。

私は作られてから今まで、一度でもNo.ゼロから落ちた事がなかった。

No.1もその一人で、No.5までは入れ替わりが今まで一度も無い。5から後ろはまぁ、何度か変わったようだが、私とは関わりがほとんどない為どうでも良い話だ。


「10秒後に合流します。」

システムが教えてくれた。


「了解。カウントしてくれ。」


「かしこまりました。5秒前、3、2、1。」


「予定通りだ。ナンバーワン。」


「お久しぶりですね。宜しくお願いしますゼロさん。」


「あぁ。行くぞ。」


そう言ってスピードを上げる。


難なくとついてくるワンはこれまで幾度も行動を共にして来た為、言わなくてもある程度分かってくれるから楽だ。





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