悪役令嬢と歓迎会3
暫くすると医務室からフィーリアさんとイリスさんが戻ってきた。今度は2人とも歩いている。フィーリアさんはニコニコ顔でもう体調も良さそうで少しほっとした。
イリスさんは元の席に戻ろうとするフィーリアさんを止めようとするが、彼女は気にすることなく席へ向かう。
私は彼女の側に行こうとしたが、イリスさんとジェロームさんが守るように前に立ちはだかる。
知らなかったとはいえ、何てことをしてしまったのだろう。
「本当にごめんなさい、フィーリアさん。体、苦しくない?大丈夫?」
「白々しいな」
ぼそりと呟かれたジェロームさんの言葉が痛い。
けれどもそんな2人を押し退け、フィーリアさんは私の前に出てきた。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ、ほらほら」
そう言いながらピョンピョン跳び始める。
「ちょ、病み上がりに跳ぶなって!」
イリスさんに止められ、彼女は舌をぺろりと出す。
「メルキュール先生が元気の出るお茶を飲ませてくれたの!さ!デザート沢山食べるぞー!」
そのご機嫌な様子にほっと息を吐いた。本当によかった、大事にならなくて。
席に戻ったもののデザートに手を付ける気になれず、せめてもの償いにとフィーリアさんに差し出すもジェロームさんに取り上げられてしまう。
「あー、せっかく貰えたのに」
「フィーリア嬢には私の分をあげましょう」
むくれるフィーリアさんにジェロームさんは自分の物を差し出した。そしてなぜか彼は私のデザートを食べ始めた。
「お姉様、あげる」
そして私はルーナのデザートを食べている。
あ、おいしい。妹の優しさの味が体に染み渡っていくよ。




