2話 模擬戦闘
更新ペースを週3にします。
模擬戦闘は2つのペアずつ行われる。
まず始めはリンとあまり絡んだことのない女のペアと、モブみたいな男2人のペアだ。
2組のペアが位置につき、先生の合図で開始される。
結果、リンのペアはリンが負けた。
もう1つの方は・・・どうでもいいや。
そして礼をし、次のペアが位置につく。
次はジェインのペアと特に仲良くもない男とよく知らない女のペア。
え?なんでモブとかよく知らないとか言うかだって?
だって興味ないもん、俺とリン、あとジェインもかな。それ以外皆貴族だし。
関わりたくないじゃん?俺村出身だぜ?
と、そうこうしてるうちに模擬戦闘が始まった。
結果はジェインが勝ち、もう1つのペアは女の方が勝った。
ジェインは雄たけびをあげている、イケメンが台無しだ。
そして、俺の番が来た。
木刀を貰い、位置につく。
「カノンー!お前なら出来るぞー!」
「カノンファイトー!」
リンとジェインが大声で応援する、恥ずかしい。
ってかお前らお互いの事は応援してないのになんで俺の時は応援してるんだよ。
別に剣技が苦手ってわけではない、暇なときジェインと打ち合ってるしな。
「カノン君、君にこのまえ僕は負けたけどあの時はおなかが痛かったからだ、今回は負けない。」
なんか言い訳してるけど、前回と前々回俺はこいつに勝った。
まぁ、バカにしてる所を攻撃しただけなんだけどな。
腕はいい、剣をすごく上手に扱っている、だが調子に乗ると隙だらけ。
俺が村出身だからか、馬鹿にする事が多く、その時隙が多いんだよな。
「それでは、戦闘はじめ!」
先生の合図で模擬戦闘が始まる。
レイは合図と同時で接近し、突きの構えで攻撃してくる。
この攻撃、受けるとかなり痛いんだよな。
俺はその突きをバックステップで避け、横切り振り払う。
レイは一歩下がり、木刀で縦切りを仕掛けてくる。
・・・が、俺は振り払ったままの体制でレイに突進、レイは避ける事が出来ず受ける。
「カノン君、突進は剣技じゃないからだめじゃないかな?」
レイはメガネをクイっとしながら言う、別に使うなとは言われてないんだが。
「はっはっは!模擬戦闘はなんでもありだ!武器は木刀だけだがな!」
先生は少し楽しそうだ、この先生は昔かなりの戦闘狂で一時期騎士団長をしていたらしい。
まぁ、戦闘したいが為に他の騎士と戦い、負傷させたことからクビになったんだけどな。
「な、ならカノン君!私は本気で行きますよ!!」
本気じゃなかったのかよ、別にいいけどさ。
「宿れ炎よ、ファイアーソード!」
レイが呪文を唱え。木刀に炎がまとわれた。
魔法って不思議だよな、木刀に火をつけても木刀は燃えてないんだぜ?
「ちょっと!レイそれずるくない!?」
リンが文句を言っている、いや前回も前々回もこいつこっそり身体強化の魔法使ってたけどな。
このインテリ野郎は身体能力をあげる為に強化魔法を使うときがある。
だがそれだけで剣技がおろそかであればただ強化されただけで強くはない。
こいつは剣技も優れているからこそその力を発揮でき、なおかつ先生にもアピールできている。
そこは正直すごいとしか言えない。
・・・隙を作る事さえなければだけどな。
「いくぞーカノンくうううん!!」
レンは炎を帯びた木刀で攻撃をしてくる
木刀で防ぐが、近くに行くだけですごく熱く、やりにくい。
「くそ、めんどくせえ」
目の前までその木刀が近づくと本当に熱い、すでに手が熱くて痛い。
しかも木刀が少しずつ焦げ始めてる、これよろしくないやつだわ。
「はっはっはカノン君!もう降参したらどうかね??」
俺はバックステップで後ろに下がると、レンがいつものように馬鹿にしてきた。
・・・確か、あのファイアーソードって常に魔力を消耗してるんだっけ。
魔法は魔力を消費する、そして発動し続けるのにも魔力は必要となる。
つまり、あいつは今も魔力を消耗しているってことか、なら時間をかけて戦えば・・・ってこれ授業だからそこまで時間もないのか。
「カノン君!君も魔法を使えたら僕と対等に戦えるのにね!はっはっは!」
レンがめっちゃあおってくる、イライラしてきた。
また卑怯だとか言われそうだけど、別にいいか。
俺はまっすぐレンに向かって走り、足元の砂を蹴り上げレンの顔にかけた。
レンの目に砂が入ったようで慌てて距離をとるが、もう遅い。
「お前は俺を馬鹿にする時が隙だらけなんだよ!」
レンの腹部に木刀を叩きつける。
「うぶっ!!!」
そのままレンはダウン、ファイアーソードも消えた。
俺はそのままレンの背中に被さり首元に木刀を当てる。
「勝負あり!!!勝者カノン!」
はい、また勝ちましたよっと。
「す、すななんて卑怯だ!!この卑怯者!!正々堂々剣で戦え!!」
レンが悔しそうにジタバタする、子供か。
「レンよ、別に砂は卑怯でもないぞ?これも戦略のうちだ!魔法が使えないからこそ工夫をして戦う、それこそ立派な剣士だ!」
先生ががっはっはと笑いながら言う、レンは先生に言われたからか、おとなしくなる。
「くっそ・・・カノン君早く降りたまえ!」
あ、ごめんごめんずっと背中に乗ってたわ、よいしょっと。
「よし!次のペアは位置につけ!」
先生が次のペアを呼ぶと同時で俺は待機場所に戻った。
「さすがカノン!魔法はダメでも剣は上手いな!」
「これで魔法も使えたら昇格できるんじゃない?」
リンとジェインがそわそわしながら近づいてきた。
まぁ、確かに剣技は昔と比べたら良くはなったと思う。
「あのインテリ野郎には負けたくなかったしな、だけど昇格は正直一人ではしたくない。」
二人は「え?」と声を重ねて言う、だってそりゃもちろん・・・
「昇格は3人で行かなきゃな。」
そういうと二人は笑顔で「頑張ろう(ね)!」と言い俺たちはそのまま他のペアの模擬戦闘を見学した。
全体の模擬戦闘が終わり、先生が号令をだす。
「これで模擬戦闘は終わりだ!諸君らは昔と比べ強くなった!先生はうれしいぞ!」
先生は腰に手を当てがっはっはと笑う。
「だが、その中でも素晴らしかったのは、レン!お前だ!」
先生はレンに指をさす、するとレンは誇らしげに立ち、礼をする。
「剣技に魔法を組み合わせるのはバランスが非常に取るのが難しい。それをお前はやってみせた!
これは素晴らしい技術だ!」
皆が拍手する、レンは少し顔が赤い、照れてるのか?
「そして、カノン!お前の戦い方はとてもよくできている!
剣だけではなく体を使って突進や砂を蹴り上げ目くらまし、これもまた戦い方の一つ!」
皆が俺にも拍手する、うん、恥ずかしいなこれ。
「これで剣技訓練を終了とする!休憩したら教室に戻るように!」
こうして、剣技訓練の授業が終わった。