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短編集 冬花火

記憶の中にあなた咲く

作者: 春風 月葉

 あの頃は、ずっとあなたの姿を追っていた。

 目が合うと呼吸の仕方さえも忘れてしまいそうなくらいに頭の中が真っ白になった。

 あなたへの思いが実ったとき、夢のようだと喜んだ。

 あなたの思いが枯れるとき、夢であればと悲しんだ。

 季節は始まりを告げているのに、私の心はあの頃のあなたの優しい笑顔に縛られて一人動けないままでいる。

 あなたは今も、私のことを覚えていてくれていますか?

 きっと忘れているのでしょう。

 私のよく知るあの頃のあなたはもういない。

 だから私は忘れません。

 優しいあなたを忘れません。

 今日も夫は私に硬い拳をぶつけて怒鳴った。

 それでも私は忘れない。


 私は勿忘草、忘れ方を忘れた出来損ないの勿忘草。

 私は望み、待ち続ける。

 あなたが愛を思い出す。

 その日がいつか、来ると信じて。

勿忘草の花言葉は真実の愛、私を忘れないで。

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― 新着の感想 ―
[一言]  優しくされたことはなかなか忘れません。
2018/01/30 21:11 退会済み
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