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悪魔との闘い

 

  悪魔に攻撃された傷口は完全に治っている。血も傷も完治していた。

 なりよりまだ化け物は美呼に手を出していない。と言うよりも、さっき気を失った状態と何も変わっていない。悪霊との会話は一瞬の様に感じた。


「ま、雅斗……」

「ん?まだ生きてたのか……⁉︎」


  雅斗が来て安心したか美呼は気絶した。


「美呼!」


  悪魔はゆっくりと顔を俺の方へと向ける。多少冷や汗を出している。でもまだ余裕そうな表情を作っている。

 何か気づいたのか悪魔は驚いた顔をした。


「貴様、まさか悪霊と契約したのか……」

「契約したさ……」

「やはりな。感覚で分かるぞ。お前の体内に悪霊の霊魂を感じる。だが、魔力はまだまだ低いなぁ」

「さぁ!そこをどけ!!」

「あぁ……お前が退くんだよ!!」


  すると不意打ちの如く、右爪を振り向きざまにフルスイングしてくる。


「しまった!」

『今のお前なら避けれる……』


  悪霊の声が突如心の中に聞こえ、先ほど俺を殺しかけた悪魔と思わないほど、攻撃が遅く見えて攻撃を軽々と左へと避けた。


「何⁉︎」


 雅斗は一度後退し、本人でも驚きを隠せなかった。


「お前……契約したのに喋れるのかよ?」

『当たり前だ。契約したからって完全に消える事はないぜ』


  避けれた事もびっくりだが、悪霊が心の中から喋ってきた方がびっくりした。


「ちっ……」


  さっきとは打って変わり、少し焦っている様だ。すると使っていなかった左手を後ろに下げ


「これでも喰らえぇぇ!!」

『防御態勢をとれ!』


  轟音の叫び声と共に左手から強烈な衝撃波が放たれ、教室の机や椅子は吹き飛び、廊下の窓ガラスは割れ、俺は廊下の壁に叩きつけられた。

 だが、予想以上にダメージは少なかった。


「くっ……痛てぇ……」

『まだ来るぞ!』


  再び悪魔の右爪が、雅斗の顔面目掛けて突いて来たが、これもギリギリで右にジャンプして避けた。


「悪魔の攻撃は遅く見え、衝撃波のダメージも少し痛かっただけだ。これが悪魔の力って奴なのか……」

『言ったはずだろ。力なども悪魔の力が混ざっているから、それ程の身体能力が得られる。手を前に突き出してみろ」

「……分かった……」

『次に手の先に力を込めろ』


  言われるがままに手を前に出すと、手の先から黒い粒子が集まり、黒い日本刀の様な剣が作り出された。


「これは……」

『俺が昔使っていた剣だ。かっこいいだろぉ』


  姿見えなくても、この悪霊はきっとドヤ顔で言ってるに違いないだろう。すると悪魔の方が、しびれを切らした。


「ごちゃごちゃうるせぇ!!」


  悪魔は再び雅斗の体めがけて、爪を振り下ろす。


『やれぇ!!』

「うおぉぉぉぉ!!!」


  自然と体が動き威勢良く声をあげ、刀を両手で横に持ち、爪の攻撃を受け止める。剣と剣が軋むような音が校内に響き渡る。悪魔のパワーは予想以上に強く、受け止めた瞬間地面にヒビが入り、徐々に押され始め足が地面にめり込む。


「腹がガラ空きだぜぇ!!」


  悪魔は空いた左手を突き出して、衝撃波を放つ。もちろん避けれるわけもなく、もろに直撃し廊下の端まで雅斗が吹き飛ばされたと同時に、廊下全体の窓は全て粉々に割れていった。端まで吹き飛ばされた雅斗は壁におもいっきりめり込んだ。


「くそ……どっちの攻撃も厄介だな……」

『お前がトロすぎんだよ。悪魔の力が入ってる事を忘れてんじゃないだろうなぁ』

「悪魔の力が入ってる……わかったよ」


  体制を立て直し刀を両手で持ち、1テンポ間を置き足を踏み込んだ。その瞬間俺は消え、教室の端にいる悪魔へ瞬時に移動して襲いかかる。


「消えた?」

「ここだぁぁ!!」


  悪魔の目の前に雅斗が現れ、驚く悪魔。そして、悪魔の腹に目掛けて力一杯刀を左に一振り直撃した。


「ぐわっ……!!」


  悪魔は仰け反り、腹から出てくる黒い血を左手で押さえている。傷は浅いが確実にダメージを与えた。悪魔の顔からは先程の余裕の表情は無くなった。

  空かさずもう一撃加えようとした瞬間──


「雅斗君……」

「⁉︎」

「馬鹿が!!」


  悪魔が一瞬宮下先生の顔と声になり、俺は攻撃を躊躇してしまった。その瞬間に悪魔の顔へと戻り、俺の右横腹に爪の一撃を食らった。流石に避ける事は出来ず、当たった衝撃で教室の窓を突き破り机や椅子にぶつかりながら壁にぶつかる。雅斗の腹から少し血が出て来た。


『流石にちょっと痛かったな』

「お前……痛み感じのかよ」

『一応半分は俺の身体だからな……』


  ちょっと苦しそうに喋っているからに、本当に痛みを感じるようだ。


「……それにしても、宮下先生を利用なんて……許さんぞぉ!!」


  刀を構え、廊下で待ち構えている悪魔に突撃する。突撃しながら俺は刀を力一杯握りしめ、素早く振りかざしたが避けられ、悪魔は反撃をする様に素早く爪を右に振りかざしたが、悪霊の合図と共に雅斗はうまくしゃがみ込みこむ。

  安心したのもつかの間、すぐさま悪魔は振りかざした爪を裏拳の様に左へとそのまま振り払った。だがそれも悪霊の合図と共にジャンプで避けた。だが悪魔はニヤリと笑った。


「⁉︎」


  驚いた時にはもう遅かった。俺の目には悪魔の左手が見えた。そこから衝撃波が俺はを襲う。ジャンプ状態で食らった為、天井に直撃した。そのまま垂直に落ちて来た所を、大きな恐竜の様な足が俺のの腹を1蹴り飛ばし、10メートルほど吹っ飛び、何回も転がった。


「がっ……うっ……」


  腹を抱えて悶えている雅斗。やはり悪魔と同化しても勝てないものなのかと、雅斗の心の中に響き渡る。


「ちっ……中々しぶといなぁ……ゆっくり食うつもりだったが……おまえを殺す!」


  突然、悪魔は両手を大地に力強く踏ん張り始める。腹の底から息を吸い込み、口を限界まで開け始めた。

  静かな学校は轟音と共に揺れ始め、教室の椅子や机も揺れ、窓ガラスもヒビが入る。俺ははあまりの揺れに立ち尽くすだけだった。

  そして口の奥に紫色の粒子状の何かがどこからともなく集まり始め、すごい速さで大きな紫色に輝くエネルギーとなった。

  すると粒子は消え、エネルギーが一定の大きさになった瞬間、悪魔は目をカッと開き、顔ごと正面に突き出した。


「はっ!!!!」


  その瞬間、巨大な風と耳が割れるほどの轟音と共に口から紫色のエネルギーが立ち尽くしてる雅斗に目掛けて、放出された。悪魔は微動だにせず、紫色のエネルギーは一直線に道筋を描きながら、俺に直撃した。

  直撃と共に爆風が起こり、その付近一帯は全て粉々となり、辺り一面黒煙が上がった。地面は一直線にえぐれ、3階廊下の窓と壁はほぼ全壊した。


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