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副リーダーの復讐

 

 夜の街、1人酒に酔い潰れた男を2人の男が支えながら歩いている。酔った男はビール瓶を振り回している。周りの人々は避けるように歩く。


「柳さん!酒飲み過ぎですよ!」

「うるせぇ〜!あんなにボコボコにしやながって……清政の野郎……」


 柳康介(やなぎこうすけ)は清政の暴走族 天下無双 の副リーダーであり、宮下先生を轢いた張本人である。


「まぁ総長も色々あって辞めちゃったみたいだし……」

「ちきしょぉ!!」

「柳さんだいぶん荒れてるなぁ……清政さん辞めてから一気に団員減ったしなぁ……」


 雅斗と清政が戦った後、清政に散々殴られ、土下座をして謝った。その代償に清政は総長を辞めた。そして清政を慕っていた団員の多くが共に辞めて行き、50人いた団員は10人にまで減ったのだ。

 だが柳は清政に復讐しようと毎晩探しているのだ。


「見たでしょ、清政さんのあの技。あれは人間技じゃないですよ」

「相手も相手で変な技だし、俺達とは生きる世界が違うんですよ」

「うっせぇ!!……うえ!」


 酔いで気分が悪くなり、口を抑え路地裏で吐いた。そして険しい顔を誓った。復讐する事を……


「絶対に許さんぞ……清政……」

「そんなに復讐したいか?」

「えっ?何だって?」


 路地裏の奥から低い男の声が響き渡る。2人の団員はビビる中、酔っている柳は臆する事なく1人奥へと進んでいく。


「や、柳さん……辞めた方が……」

「うっせい!もう一回言ってくれ!」


 謎の声はもう一度柳に問いかける。


「復讐したいか?と聞いているんだ……」


 すると柳は拳を強く握りしめて謎の声に頼み込む。


「復讐……あぁしたいさ……天下無双前総長、浅桐清政を……」



 ーーーーーーーーーーーー


 朝……学校では兵治がいつも通り女の子に囲まれている。


「兵治君‼︎放課後暇⁉︎」

「兵治君‼︎手作りチョコ食べる⁉︎」


 その横には雅斗の机に腰をおろし兵治を睨む清政と、清政を睨む椅子に座った雅斗が居た。


「ちえっ‼︎女の子に囲まれて‼︎俺の方がカッコいいのによ‼︎」

「どいてくれないかな」

「クソっ‼︎俺の方が後に転校して来たのによ‼︎」

「降りてくれないかな」

「くっ……‼︎俺の方が強いし、カッコいい技も持ってるのによ‼︎」

「降りろよ」


 そして雅斗の方を見て目で訴える。


「なぁ⁉︎俺の方がいい男だと思うよな‼︎雅斗‼︎」

「俺に聞くな」



 ーーーーーーーーーーーー


 夕日が登る帰り道……


 清政は雅斗に話しかけようと駆け寄るが、美呼と歩いていた。そこに大声で話しかけた。


「雅斗‼︎一緒に帰ろう‼︎」

「すまん、今日は美呼と買い物に行くんだ」

「あぁ〜そうか‼︎なら仕方ない‼︎じゃあな」

「おう」


 清政は笑顔で雅斗達を見送った。


 雅斗が角を曲がった時、美呼は雅斗に小声で聞いてくる。


「清政君ってどんな人なの?」


 すると雅斗は気難しい顔で言う。


「あいつは自分の信念を貫いた男だと思う」


 

 ーーーーーーーーーーーー


 次に清政は兵治の元へと行った。


「あいつと帰るのは癪だけど、しゃあねぇ」


 すると女の子に囲まれた兵治が歩いて来た。


「兵治君‼︎ボウリング行こう‼︎」

「兵治君‼︎カラオケに行こうよ‼︎」

「みんな落ち着いて〜意見を纏めよう‼︎」


 これを見た清政は呆れた顔で立ち去った。


 女の子達は兵治に聞く。


「兵治君は何で清政君といる事が多いのー?」

「ちょっと見た目ヤンキーっぽいよね〜」


 すると兵治は口を開いた。


「清政君は、負けず嫌いな所があるかな……」


 ーーーーーーーーーーーー


 そして1人河原を歩いて帰る清政。


(総長を辞めて2週間くらいが経った……でもこんなにも1人って暇なものなのか……いつもなら仲間達とツーリングして、談笑して、喧嘩して、警察と追いかけっこして……)


 沈んだ顔でトボトボと歩く清政、すると目の前に特攻服を着た男が道を塞いだ。


「お前は柳……」

「よぉ……元総長、元気にしていますか?」

「あぁ……元気だ」

「その割に中々暗い顔ですね〜」

「ちっ‼︎何が言いたい」


 すると周りから特攻服を着た男たち9人が清政を囲んだ。全員暗く、無言の圧力をかける。


「貴方が抜けてから団員が減ってしまいましてねぇ〜」

「それがどうしたんだ」

「そこで貴方に決闘を申し込みたくてね……」

 

 すると清政は頭を抱えて笑い始めた。


「お前が俺に決闘を?ふっ……ふはははは‼︎」


 だか柳は不敵な笑みを浮かべる。


「そう言えるのは今のうちですよ……」


 そう言うと柳は右手を前に出す。


「⁉︎」


 いきなり謎の衝撃が腹部に発生し、清政は10m吹っ飛ばされ2・3回回転がしながら倒れた。


 ーーーーーーーーーーーー


 雅斗とロジと兵治は今の異変を察知した。


(魔力を一瞬感じたな、前の奴よりも小さいけどな)

「‼︎美呼すまない‼︎ちょっと行ってくる‼︎」

「ちょっと⁉︎どうしたの‼︎」


 雅斗は急いで走って行った。


「また……行っちゃった……」


 女の子と一緒に帰っている兵治ももちろん気づいた。


「みんな〜ちょっとトイレ行くから待っててぇ〜」

「分かった〜‼︎」


 みんなが一斉に声を上げ手を振る中、兵治は険しい顔になり急いで向かう。


「一瞬魔力感じた……それも影山と同じ雰囲気の魔力を……」


 ーーーーーーーーーーーー


 柳の謎の力に清政は驚きを隠せない顔をする。倒れた清政の元に柳が歩いてき、顔を近づけてくる。


「柳……今のは何だ……」

「元総長と同じ特別な力を手に入れたんですよ……」

「特別な力……だと」

「知りたければ俺との決闘……やりますよね……」


 清政は立ち上がり、指を指して言う。


「売られた喧嘩は買うだけだ。お前との決闘受けて立つ‼︎」

「分かりました……では1週間後にこの河川敷で……」

「いや今日だ、さっさとこんな事は終わらせたい。俺が勝ったら今後俺の目の前に現れるな。もしお前が勝ったら下僕となって何でも言う事聞いてやる」

「その約束守ってくれんですよね」


 清政は胸を思いっきり叩き言う。


「男に二言はねぇ」

「なら今日、ここで……」


 柳は大勢の仲間と共に何処かへと歩いて行った。清政は柳達の後ろ姿を哀しみの目で見た。


「……」

「清政⁉︎何故ここに?」


 兵治が先に到着した。そして清政は驚いた表情で言う。


「そりゃこっちのセリフだ」


 そして雅斗も息を切らして到着した。


「はぁ……お前らも居たのか……」

「何で分かったんだ?俺の場所が」


 兵治がやれやれな表情で説明する。


「魔力を感じた……ここに」

「俺もだ……ここに小さな魔力を感じた」


 すると清政が怒りを表して言う。


「何なんだよ‼︎魔力って⁉︎教えてくれよ‼︎」


 兵治は簡単に説明した。すると清政はその場に胡座をかいて、沈んだ表情になる。そしてため息を吐く。


「はぁ〜いいな〜お前らは……そんな凄い能力持っていて……俺にはそんな力……」

「……」

「はは……悪いな、気分悪くさせてよ……」


 清政は立ち上がり、立ち去ろうとする。雅斗が清政に聞く。


「何が起きたか教えてくれ‼︎」

「さっきの魔力の事か。それは俺のケジメの問題だ……俺1人が片付ける。手出しするなよ、絶対に……」

「……」


 清政も何処かへと帰っていった。雅斗は清政の事を不安に思う。あの時の清政の顔が忘れなれないのだ。


「清政の奴……ケジメって言っていたが、何なんだ……」

「奴なりにも事情があるんだろ……そして悪魔が何か関係してるのは間違いない」

「あぁ……そうだな」

「僕達はそれを見守るだけだ」



 ーーーーーーーーーーーー


 清政は1人で雅斗と戦った橋の上で夕日を見ていた。ここでもため息を吐く。


「はぁ〜悪魔の力を持った元仲間と悪魔の場所が分かる現仲間か……悪魔、悪魔って……どうゆう事だよ……」


 そう言いながら落ちていた小石を川に投げ込む。


「俺にも悪魔の場所が分かる力があれば良いんだけどなぁ〜はぁ〜」

「ため息を吐くと幸せが逃げるぞぉ」

「誰だ‼︎」


 いきなり後ろから低い声で言われて振り返る清政。アロハシャツと短いズボンを履いてサングラスがキラリと光っている老人がいた。両手には紙袋を多く抱えてる。


 清政は驚きを隠せない顔になり、額から軽く汗が流れる。


「じいちゃん⁉︎じゃなくて師匠⁉︎」

「今はじいちゃんでいいわ。それよりどうしたんじゃそんな暗そうな顔して」

「そりゃこっちのセリフだよ‼︎」


 すると老人は両手に荷物を持った状態で、二本指で軽く清政を小突いた。


「……うわっ⁉︎」


 清政は突如橋から吹き飛び、そのまま川に頭から落ちた。



「ぷはっ‼︎何するんだ爺ちゃん‼︎ってあれ?」


 すぐさま橋を見るが爺ちゃんはいなかった。


「まだまだじゃの〜清政〜」

「へ?」


 爺ちゃんは河川敷にいて、ニヤリと笑っている。


 清政は川から上がり、ベンチに座って爺ちゃんに話を聞く。


「何で自分がここにいるんだ?」

「ハワイから帰る途中ってのもあるけど、お前が暴走族をやめて普通の高校生になったって聞いて……」

「な、何でそこまで知ってるんだよ‼︎」

「祓魔師に悪魔を宿した少年かぁ〜面白い仲間がいるのぉ」

「話を聞けよ‼︎」


 とぼけた風に喋る爺ちゃんだが、ちゃんと清政の質問に答えた。


「ワシも伊達に歳を取ってない。歳をとれば色んな知恵が出来るってもんじゃ。それより清政、さっきのお前の表情……何かあったんじゃな」

「……あぁ……色々とね」


 清政は爺ちゃんに柳との決闘の事や、雅斗達の付き合い、魔力の事など全て話した。すると爺ちゃんは大声で笑い始めた。


「何で笑うんだよ‼︎」

「人生の転機と思えばいいんじゃよ‼︎お前が族を辞めるて今の仲間といるのも良し、族に戻るのも良し、自分の思い通りにすれば良い‼︎環境が変わるとゆう事は、自分も変わると言う事じゃ、お前の思った通りにやれば良い‼︎」

「あぁ……」

「それに周りが特別な存在だという訳でもない‼︎自分という存在は世界に1つだけ、特別な能力を持ってからなんじゃ⁉︎偉いのかそれは?」


 清政は下を向いて相槌をする。


「そ、そうゆう訳じゃ……」

「ならお前はそんな能力が無くたって良い。そして仲間がいるなら大事しろ。困った時は絶対に助けてくれる……それが友情じゃ」

「爺ちゃん……ってあれ⁉︎」


 隣に座っていたはずの爺ちゃんが居なくなっていた。


「どこに行ったんだよ‼︎爺ちゃん〜‼︎」


 河川敷で叫ぶ清政だが、爺ちゃんは何と空港のトイレの中で座禅を組んでいた。

 そして座禅を辞めて荷物を持ち、立ち上がる。


「清政の奴……面白い奴らと仲間になったのぉ〜清次の奴もそれくらいの友がいればなぁ……とりあえず寺に帰るかの」



 そして夜になった……

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