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100年物の悪魔

 

 7月初頭……時雨家の食卓。雅斗を含め、いつも通り食事をしている時父、勝がこんな話をした。


「そういえば7月と言えば……爺ちゃんの話を思い出すなぁ〜」

「どんな話なの?パパ?」


 美呼が聞くと昔話のように話し始める。



 70年前……この町で毎晩、地に降りれば食料を盗んだり、人を無差別に殺したりと暴虐武人な妖怪がいた。名前は弧凛魔(こりんま)何だけど祓魔師と言う悪魔払い専門の人達が何夜にも続く激闘の末、封印出来た……


「……って話さ。それを聞いたのが確か30年くらい前の話だから、本当だったらその妖怪が封印されて100年目って事になるな」

「それって噂話……でしょ?パパ」

「まっ……流石噂話だよ」


 噂話……それは本当に噂話なんだろうか……飯を食ってる雅斗の頭によぎった……


(本当にいたら面白いんだけどな……)


ロジなんやかんやでワクワクしている。



 ーーーーーーーーーーーー


 次の日、学校に到着すると兵治に聞いた。


「弧凛魔って悪魔知らないか?美呼の父さんの話の中に出て来た悪魔なんだが、その話に祓魔師とかも出て来て何か知らないか?」

「弧凛魔?あぁ〜何か聞いた事はあるぞ……」

「何の話をしているんだ?」


 清政も混ざって来た。だが雅斗と兵治はそのまま話を続ける。


「弧凛魔……弧凛魔……思い出せぇ……何だっけかなぁ……名前は聞いた事あるんだけどな……」

「いたのは本当なんだな」

「あぁ……いるのは本当だ……」

「だから何の話だよ!」


 兵治は考えたが浮かばなかった。


「取り敢えず後で調べる……調査後に報告する」

「あぁ……すまないな」

「だから何の話だよぉ!」


 美呼は他の友達と、最近の雅斗の事を話している。


「雅斗君、仲良い友達出来て良かったじゃない」

「良いけど……ちょっと独特な人達なんだよね……」

「でも前より元気そうな顔になったじゃない」

「そう……かな?」



 ーーーーーーーーーーーー


 その夜いつも通り、ベットに寝転がって天井を見上げいる。

 そしてもうすぐ12時になろうとした瞬間。


 ドンドンドン!!


 窓を慌ただしく叩く音が聞こえた。2階なのに


「イタズラか?」


 カーテンを開けると兵治が息荒く、汗だくでいた。


「影山……僕だ、兵治だ……」

「どうした?こんな時間に?」


 窓を開けると真っ青な表情で言う。


「朝話した弧凛魔の事だが……」

「何か分かったのか?」

「それが……封印されて100年経つんだ」

「でも大丈夫だろ?100年丁度で封印が解けるわけが……」


 その瞬間、学校裏の山から巨大な魔力を2人とロジは感じた。2人は呆気に取られた。


「今のは……」

(あの山から巨大な魔力を感じた。これはすごいパワーだ。是非とも見に行きてぇな)

「僕は様子を見に行く……」


 出て行こうとする兵治の服を雅斗はつかんだ。


「俺も行かせろ……ロジが行くってうるさいんだよ」

「ロジ?まさかお前の中の悪魔の名前か⁉︎」

「あぁ……どっちにしろ俺も行きたいんだよ」

「分かった……行くぞ!」


 服を着替えた雅斗は兵治が作った魔法陣の中に入り山へとワープした。


 ーーーーーーーーーーーー


 その頃山の中では……


 静かな公園の木が生い茂った場所に弧凛魔が復活し、煙が舞いお札の貼られた壺とその蓋が転がっている。


「やっと100年経ちましたか……もう少し寝ていても良かったんですけどね……」


 それは白い狐の生物で、二足歩行で神主の服を着ており、ねっとりとした高い声が、煙の中から聴こえて来る。そして淡々と1人で喋る。


「祓魔師のお迎えは無しですか……」


 その時、向こうから兵治達がワープして来た。そしていきなりの煙に咳しながら探す。雅斗は咳しながら言う。


「ゴホッ!!ゴホッ!!何だこれ!!!」

「ゲホッ!多分壺が割れて、中に入っていた魔力が放出されたんだろう……ゲホッ!」


 雅斗の声を聞いた弧凛魔は右手に刀を握り、左手に刀を後ろに向けるように持ち替える。そして一度腰を低くし、身体を軽く捻る。


「フンッ!!!」


 そして弧凛魔は突如素早く回転し、煙を吹き飛ばした。そして雅斗達はようやく弧凛魔の姿が見えた。それと同時に、周りの木が綺麗な線を描くように切り倒された。


「あれが……弧凛魔……」


 兵治は刀を取り出し、弧凛魔に向ける。そして威勢良く弧凛魔に向かって叫ぶ。


「復活したところで悪いまた封印されてもらう!!」


 弧凛魔は雅斗を見て軽くほく笑む。


「ふっ……そこの坊や、君の体から悪魔の力を感じる……それにもう一人の坊やは、祓魔師だね」

「な、何故分かる!」


 そしてまた弧凛魔は鼻を嗅ぎながらほくそ笑む。


「ふっ……匂いで分かる……と言えば分かりますかね?」

「悪魔とか祓魔師って匂いで分かるもんなのか?」


 雅斗が言うと、弧凛魔は声高らかに笑う。


「ほっ〜ほっほっほ!!面白い事を言う坊やだ。私みたいな上級悪魔になると相手の力量が分かるようになるんです。それに祓魔師には独特な匂いを感じる。しかも貴方は100年前のある祓魔師と同じ匂いを感じますね……」


 この発言に驚く兵治。


「どうゆう事だ⁉︎」

「さぁ……でもどっちみち祓魔師にはたっぷりとお礼をしなくては……」

「ならその前に俺が……」


 雅斗が前に出ようとすると兵治が手で止めに入る。


「待て……これは祓魔師である僕の戦いだ……君には悪いが身を引いてくれるか……」


 雅斗は少し考え、うなづいた。


「まぁ……良いがもしお前がやられたら俺があいつを倒す……分かったな」

「うん、僕が負けるなんてあり得ないけどね」


 お互いにニヤリと笑い目を見て、拳を交わした。そして欠伸をかます弧凛魔の前に兵治が刀を握りしめて立ち塞がる。


「さぁ!!僕と勝負だ!!」

「私を再び封印してみなさい……祓魔師!」


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