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秘密の絵画

作者: 東京 澪音

内緒にしておきたかったけど、君に僕のとっておきの秘密を教えてあげる。


リクルートビルの窓は、まるでキャンバスなんだ。

そこに映り込む景色はね、油絵の絵画の様で。何とも言えない趣きさえ感じてしまう。


眺めていると不思議な光景が見えるんだ。

流れていく雲や、飛んでいく鳥の群れ。


でもね、ビルのキャンバスに書かれた絵画には、二度と同じ風景を見る事は出来ないんだ。

それはまるで僕や君の中の、人生における一瞬の煌めきに似ていると思うんだ。


そんな事を考えていたら、少し寂しくなっちゃってね。

だから僕はその中に、思い切って自分自身を投影して溶け込んでみたんだ。


すると僕は絵画の中に映り込んだいち風景となった。

作画は僕じゃないけど、それを目にしているのはおそらく僕だけ。


世知辛い世の中で、心に余裕を持つ事が難しい時代なのかもしれない。でもね、もしもそんな光景を目にする機会があったら、少しでいい。少しでいいからその心の中の足を止めてみて。


きっとそこには、君の心を少しだけ温かくする素敵な光景が広がっているはずだから。


僕の秘密の絵画の話はこれで終わるけど、一つだけ覚えておいて。キャンバスは色々な所にあるんだ。街の中にも、雨上がりの水たまりの中にも。そして僕や君の心の中にも。


そこに何を描くかは自由だけど、出来ればそれは素敵な絵画になる様に願っています。


じゃあ、また何か素敵なものを見付けたらこっそり教えるね。

その時まで。


See you again sometime.



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