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初秋の一日

ここは、とある場所にあるバー。

ここには、日ごろの身分や生活などを見せずに、ただ、お酒と食事を楽しむところ。

ここには、暗黙の了解で、皆それぞれに、時間を忘れて過ごしている。




ここには、1人で来店する人が多い。

まるで、隠れ家を見つけたように・・・

お店は金曜日の夜の19時から土曜日の昼の12時までしか開いていない。

ここには、お酒に詳しいバーテンダーとお酒に合う料理を何でも作ってくれる料理人の2人だけがいた。



今日もOPENの札が掛けられた。

どんなお客様が来るだろうか・・・・・・



OPENしてから5分

扉が開いた・・・・

今日は20台のOLさんが1人で入ってきた。



いらっしゃいませ。

今日で3回目の来店である。

久しぶりの顔に笑顔で挨拶をする。



最初の来られた時は、今から2か月前の夏の暑い日だった。

今と同じ19時過ぎに来店されて、ミントジュレプを注文され、どこか遠い目をしながら

3杯同じものを飲んで、また来ますと一言を残していったのを、覚えていた。



2回目はその1週間後だった、誰もいなかったせいなのか、バーテンダーに話しかけてきた。

実は去年まで海外で仕事をしていたのです。と

今日はギネスとトマトジュースが飲みたい。と注文された。




そのとき、クラマトのトマトジュースありますか?と聞かれ、ありますよと、答える。

安堵したように、では、両方とも冷えてないやつでとのこと。


別々のグラスに注ぎ、提供する。

OLさんも頷き、グラスと手に取り、まずはギネスを1口、次にトマトジュース。

一言、おいしいと呟く。


次に、チーズとサラダを注文した。

チーズと千切り、サラダに乗せて、別添えのドレッシングをかけて混ぜながら食べていく。


食事とお酒を飲み満足したのか、最後にギネスの冷えたのを頼み、飲み干して会計を済ませていく。


しばらく、来れないので・・・との







本日、3回目の来店。

今日は大切な人と待ち合わせをしているのでと・・・

5分後、背の高い人が入ってきた。

ドアが開いた音に反応して、2人が振り返る。



いらっしゃいませ。



OLさんが無言で手招きをする。


今日は2人にとって大切な日なのと・・・・


これから、レストランでお食事をするために、ここで待ち合わせたらしい。


バーテンダーがアペリテフを・・・と言いかけた時


OLさんが、ミモザを2つくださいと、注文された。


かしこまりました。


手際よく2つのミモザを作り、お出しする。


2人とも、美味しそうに飲み干す。


しばらく、舌の味に残る味を楽しみながら・・・・


OLさんが言った。


食事あとまた来てもいいですか?と・・・


バーテンダーは柔らかい笑顔でお待ちしておりますと一言。




今日の口開けとしては申し分がないとバーテンダーは思った。


まだ時間は20時前、この店もこれからである。

時間は閉店まであと16時間。

これから秋を迎える、そんな初秋の1日の始まりだった。


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