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うつ病;脳からのエラー信号

近年、うつ病の人が増えているという現状がある。特に新型コロナウイルスの流行を境にぐっと増えたというデータも出ている。人が抱える問題にはいくつかあるが、このストレス社会の中、うつ病は無視できない問題になりつつある。

舞は学校でうつ病を題材にした研究を行っている。その中で、時々「うつ病って何もの?」と考えることがある。今回は、舞の思考をその友人である七海の証言の元、作成された記録である。

うつ病についての研究は様々出ている。発症病理から治療方法などがある。ここではうつ病とは何者?といったことについて考えてみたい。


というのも舞には部活をやっていたころの同期に1人、ひきこもりになってしまった友人がいた。ひきこもりで学校にも病院にも行っていないため、実際に診断されていないので、うつ病かどうかは分からないが、医者ではないもののそれなりの知識はあるまいからすると、完全にそれの類だと感じていた。舞は喫煙所で煙草を吸っている時に時々思うのである。時々その友人を連れだして、一緒にドライブなりご飯なりに連れ出して、気分転換してもらい、元気になってほしいと。だけど余計なお世話だったり、逆に負担になってはいたりしないかと。そんなとこで、舞はうつ病って何者なの?といわゆるその存在意味について考えることになったのである。


基本的な考え方として、動物は長い歴史の中で、環境に適応してきたものが生き残ってきている。天敵から逃げるためにコルチコステロンやアドレナリンといった「闘争か逃走」本能が備わり、感染症に対応すべく、免疫機能が備わった。そんな中、約500万年ある人類史あるいは、ヒトがサルだった頃から見れば、うつ病の歴史はほんの短いものである。古代ギリシャに医学の父ヒポクラテスがメロンコリーという概念を提唱したのが初めてだという。つまり人間 (あるいは動物)の脳は、慢性的なストレスに対応する能力を獲得していないだけじゃないかと考えられる。もしそうなら、これは空想の範囲ではあるが、今後5000万年ほどストレス社会が続けば、慢性的なストレスに対応できるものだけが生き残り、うつ病というものがこの世から消えるかもしれない。


また、ストレス自体は昔から存在していたはずである。例えば、先に述べた敵に襲われることはストレスである。こう思うと、動物はストレスと長年戦ってきたわけである。その中で、「闘争か逃走」本能を身に着け、ストレスから逃れてきた。ではどうして、ストレスが主な原因となるうつ病は起きてしまうのか。これは”慢性的”であるというところがやはりみそなのであろう。加え、人間の脳はいまだ我々が狩猟採取しており、敵と戦っている時代を生きていると思っているとこが鍵であろう。つまり現代社会に適応した脳の作りになっていないのである。慢性的なストレスを受けているとき、人間の脳はどう考えているかというと、ずっと敵に追われ狙われていると思っているのであろう。不便な脳である。我々の脳は常々敵から狙われており、戦闘状態にあると勘違いして、警報アラートを鳴らし続けているのである。なんでこんなことをするのか。それは敵に襲われ、ストレスを感じたときに脳がそれを感知し、警報アラートを鳴らさなかったら、生き残ってこれなかったからである。こう考えると、脳はただ健気に仕事をしているだけだとも考えられる。


ストレスを受け続けた脳は、ホルモンやサイトカインを通じて我々に、ストレスから逃れろ、そして回復しろと命令を下す。そういった意味では、ストレスを受けると、身体がだるくなって部屋からでなくなったり、思考速度が落ちたりしてしまうのは、脳からしたら目論見通りなのかもしれない。本来ならば、脳や体の命令に従ってゆっくりストレスの脅威が去るまで身を潜めておくべきなのである。しかし、現代社会において厄介なのは、仕事があったり、やりたいことが他にあったりするという点である。やりたいことややるべきことがあるのに体が思うようにいかなくて”困ってる”。こういった状態になってかつ医者から診断を受けて初めて「うつ病」となるわけてある。


つまり、うつ病は病気であることは間違いはないものの、脳が我々の身体に下すストレスからの回避作戦行動ととらえることが出来れば、そこまで深刻にならずもいいのではないかと感じている。人として社会の中で生きていくうえでやらないといけないことがあったとしても、こういった時期は、動物として、脳からの危険信号に素直に従ってみるのもいいのではないだろうか。

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