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はじめに

これは、日々人間関係に苦悩していたある理系大学院生の記録である。


研究にサークル、就活など、毎日様々なことに翻弄されていた彼女にとって、喫煙所は唯一の癒しの場であった。

そこは研究室から歩いて5分ほどのところにあり、彼女が現実から逃れ、自身の世界に入り込むのにはちょうどいい距離であった。彼女はそこを気分転換や眠気覚ましの場所としても利用しているため、多いときで1日十数回そこに通っていた。


そう、彼女はいわゆるヘビースモーカーなのである。彼女の明るくふるまう性格とスレンダーで健康そうな体系から想像すらしていなかったろう、特別隠しているわけではなかったが、同研究室のメンバーは誰も彼女が喫煙者だったことは知らない。しかし、彼女の煙草を吸う姿は、闇を感じさせつつも、妙に色っぽく、独特な魅力を感じさせるものがあるという。そんな話を彼女の友人から聞いたことがある。人間の本性というものは誰にもわからないものである。


喫煙所での時間はそんな彼女の心境や思考を整理するのにいい時間になっていた。というのも、この頃若い世代での喫煙率が減少しており、喫煙所内はたまに見回りをしに来たおじちゃん警備員が一服しに来るくらいで、基本的には一人だったのである。


彼女の名前は山下舞(24)。

この記録はその友人、大島七海 (23)の証言の元、作成されたものである。

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