第3話 猫と出会うことは難しい?
ゆらゆら揺れる猫のしっぽに誘われてから何日か経ちました。
『今日はなにがなんでも絶対に猫さんに出会った家を探しあてるぞ~!』
と意気込みました。
ムックくんの写真をカードにしていただけたら、どんなに飼い主さんに喜んでいただけるだろう。
ただそのいっしんでした。
(このカードについてですが、最終話で写真ではなく何故カードなのかについて書かせていただきたいと思います)
リンリン・チリリン
自転車に乗って「この辺りだったよね」
辺りを網羅すること30分。
まったく手強い袋小路。
昔この街の王さまは、よほど敵から自分と家臣と住人を守るためだとは思いますが、いまは令和になっておりますが~。
あっ!ここだ。
ようやくみつけました。
雨が降りそうな空模様です。
飼い主さんは留守のようです。
私は外縁側に座って待つことにしました。
すると猫の飼い主さんが犬の飼い主さんと一緒に車で帰ってきました。
「こんにちは」
初めはけげんそうな顔でみられましたが、思い出して下さったようでした。
「あら!この前の」
「すみません突然来て。先日撮らせていただいたムックくんの写真を持ってきました。
「直接お渡ししても良いのでは?」と言われましたが、出会って2回目にお会いするのが苦手な私。
なぜ?と思われるかもしれませんが【出会いは奇跡!】と関係があるのかもしれません。
「すみませんが渡していただけないでしょうか」と言うと自転車のペダルに足をかけて猫の待つアパートに帰ったのでした。