第二話 才能
第二話
取り敢えず原木を取ることに成功した。
まずまず素手で木を掘れる時点で
現実ではあり得ないことだろう。
そのことからも俺たちがマイクラに来てしまったことを証明している。
こうなってくるとマイクラの知識が少しある俺は有利かもしれない。
ただ、この世界に何人連れてこられたのかも問題になってきそうだ。
そんなことを考えていると。再びチャイムがなってチャットからメッセージが表示された。
「今から各自のプレイヤーに持っている才能を表示させます」
「尚、才能を持っている人は少数です」
と一方的に説明されてメッセージが終了した。
「才能とはなんなのか」その疑問がやっと解明しそうだ。
そもそも才能も持っている少数派派に入ることはできるのだろ・・・・とその心配はなかったようだ。
なぜなら画面いっぱいに「才能」が書かれているからだ。
なるほど。
理解した。
この世界でいう才能というのは。
このことだったのか。
それは不可能を可能にする。
あるものはプレイヤーを特定の位置にテレポートさせたり。
あるものは特定の範囲にブロックを埋め尽くしたり。
あるものは自分を超人のような身体能力にしたり。
あるものは自分を世界の創造者に至らせたり。
あるものは世界中の生物を死滅させることができる。
それはあくまでゲーム内に実装されている。
様々なチート行為を可能にするシステム
その名も
「コマンド」であった
画面にはこう書かれてあった
「おめでとうございます。あなたは才能がありました。今からあなたの持っている才能を表示します。この才能を駆使してあなたが生き残れることを楽しみにしています。尚あなたの才能には発動条件があります、それでは良いマイクラライフを by ▇▇▇」
その大切な発動条件を説明しないとは本当にめんどくさいやつだ
恐らくこいつに友達はいないだろう。
折角だから俺に開花した才能を見てみるか。
俺がそんなことを考えていたその時俺の真似をして原木を取ろうとした人が目の前で死んだ。
「は?」
それがこの世界に来て初めて俺が言葉を発した瞬間であった。
人が目の前で死んだ。
その事実が到底受け入れ難い。
それだけじゃなかった。さっきから明らかに周りが静かすぎる。
背筋に氷が当てられたかのような悪寒が走った。
慌てて背後を見ると、そこには。
誰も居なかった。