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完結●歌詠みと言霊使いのラブ&バトル  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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招かれざる客

凄まじかった。


莉子先輩のチームにはステータスが祓いの言霊使いが二人もいた。それに加え、菅家は祓いも得意としていた。そして莉子先輩は一度放てば1000体祓える神器を十回も放った。


蝉丸と納言パパの言霊の力による祓い。


菅家が多重展開した口寄せの結界。


猿丸は縦横無尽に走り回りながらひたすら五分間祓い続けた。


右近は莉子先輩と菅家の回復を適切に行った。


その結果。


「18997。……ベテランの歌詠みでこれぐらいか」


「おっと、手厳しいな。でも楽しめたろう?」


「そうだな。イキはしなかったが」


「おやおやおや。君も言葉遊びが得意だったとは!」


「ふん。茶番にちょっと付き合ってみたまでだ。さっさと次を済ませろ」


小笠原久光と莉子先輩の言葉の応酬に蒼空は苦笑し、俺はハラハラしていた。


あるじ、配置につきましょう」


紫の言葉に俺は頷いた。


「湊~、ごめーん。わたしが少し祓い過ぎてしまったようだ。湊なら今いる穢れならすぐ祓えてしまうだろう。少し補充しようと思う」


「はい。分かりました」


俺が返事をすると莉子先輩は再び移動結界を展開した。


すると。


……え、多過ぎないか……?


目の前にはさっき以上の穢れに憑りつかれた人々と……え、この気配……。


「莉子、お前、何を転移させた⁉ お遊びでこんなものも祓わせるつもりなのか⁉」


小笠原久光が叫んだ。


「いやあこれはいわゆる招かれざる客ってやつだよ」


「はあ?」


小笠原久光はブチ切れたようだが、すぐに


「六根清浄急急如律令」


そう言って印を結び


「莉子、人間の穢れはすべて祓った。すぐに元に戻せ」


えっ⁉ 少なくとも4000体近い穢れがいたのに数秒ですべてを祓った⁉


「岡田、大結界をはる」


「分かりました」


岡田さんはそう言うとみんなに声をかけた。


「皆さん、こちらへ集まってください」


莉子先輩も叫んだ。


「ここは小笠原久光に任せよう。集合してくれ」


俺たちが集合した瞬間に巨大な五芒星が青白く光って出現した。


これが陰陽師の結界……。


「お前たちの言うところの少将クラスの呪魂じゅこんが3000、中将クラスが1000。これは高くつくぞ、莉子」


「もちろん、とびっきりの情報を収集して届けるよ」


「ああ、十二天将を召喚するんだからな。特級の情報をよこすんだぞ」


その瞬間、五芒星の周囲に様々な姿の神、神獣が姿を現した。


「これは……」


「最強の陰陽師と言われた安倍晴明が使役したと言われる強力な式神です。まさか現世うつしよにおいて、この十二天将をすべて使役する陰陽師がいたとは……」


紫が息を呑んだ。


「さあ。十二天将、その真価を見せてくれ。お前たちにとって、この程度の呪魂、朝飯前で片付けられるだろう」


小笠原久光の言葉に反応するように、次々と十二天将が呪魂の大群に向かっていった。


その中に、ビスクドールさながらの白い肌に金色の髪、青い瞳にローズ色の唇、そしてローズ色のドレスを着た少女がいた。


「紫、あんな少女も十二天将なのか⁉」


「はい。あれは太陰たいいんです。れっきとした十二天将」


その時だった。


太陰に向かってくる少将クラスの呪魂がいた。


鎧を纏った武者姿の呪魂の手には槍。


対する太陰は武器なんて持っていない。


槍が突き出された。


すると。太陰はふわりと槍に乗り、そのままスタスタ歩き、武者姿の呪魂の頭にぽんと乗った。


その瞬間、武者の頭は地面にめり込んだ。


太陰は何事もなかったように再び駆け出した。


地面に頭をめり込ませた少将クラスの呪魂はピクリとも動かず、そのまま姿が消えた。


……。

信じられない。

どう見てもただの少女なのに……。


俺は隣にいる紫を見た。


紫の視線は、ひと際大きな体をした、平安貴族の装束をまとった貴公子に注がれていた。


他の十二天将より前に出ており、いち早く中将クラスの呪魂と対峙した。


その呪魂は紫と同じ太刀を手にしていた。


対して貴公子が手にしているのは、しゃくだった。


呪魂は太刀を振り下ろしたが、貴公子は軽々とよけ、笏を刀のように振るった。


次の瞬間、何かが笏が放たれ、周辺にいた中将クラスの呪魂が次々と倒れた。


十数体の中将クラスの呪魂がその場から消失した。


「今、笏から離れたものは、神気しんきと呼ばれるものです。我々の覇気に等しいもので、神だけが持つオーラのようなもの。呪魂に憑りついた道鏡の呪いを祓い、そしてその魂を消失させました。……さすが、十二天将を統べる主神ですね。中将クラスの呪魂をこうもたやすく十数体も一気に倒すとは……」


紫がため息をついた。


十二天将はその圧倒的な強さで、次々と呪魂を倒していった。


すると小笠原久光が冷静な声で告げた。


「莉子、間もなく時間だ」


「おっと。延長料金をさらに払うと言っても無理なのかな」


「ああ。それは無理だ」


「どうしても?」


「最近、あちこちで龍脈が乱れているんだ」


「……なるほど。それは由々しき事態だ」


「時間稼ぎはできたはずだ」


「そうだな。こんなにどでかい五芒星の結界、そして十二天将が放つとんでもない神気。道鏡は今ごろ泡を吹いているだろうよ」


「ああ。ぼくがいると気付いた。迂闊には手を出さない。その間に態勢を整えろ」


「そうさせてもらうよ」


「それとサービスで情報をやろう」


「タダより怖いものはないというけど」


「冥途の土産だ」


「やめてくれよ。変なフラグが立つ。わたしはまだ死ぬつもりはないからな」


「フラグ? まあ、いい。道鏡の狙いを探った。狙いは湊だ。湊の魂には異物が混じっている。異物……湊以外の魂の欠片だ。道鏡の狙いはその魂の欠片だ」


うん⁉ 俺⁉


「……いよいよフラグが立った気がするな。そんな情報をただで手に入れるなんて」


「その魂の欠片は湊と融合すれば、吉となる。湊に強い力を与えるだろう。だが道鏡の手に渡れば、凶となる。……三人の歌詠みが命を落としたあの忌まわしき事件の再来ともなりかねない」


「うーん。ここには歌詠みが丁度三人いるんだが……」


「時間だ、莉子。雑魚は片付いた」


二人の会話に気を取られていたが、3000の少将クラスの呪魂じゅこんと、中将クラスの1000の呪魂が消えていた。ほんの数分の間に。


十二天将はすでに五芒星の結界に戻っていた。


「大結界を解除する」


その瞬間、五芒星の結界と十二天将の姿が瞬時に消えた。


「紫、よく戻ったな。本来のあるじの元に帰り、力は万全だ。今度は大丈夫だ。あるじを守り、戦え」


そう言うと小笠原久光は俺たちに背を向け歩き出した。SPの岡田さんがその後に続き、その姿は忽然と消えた。


本日公開分を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


雑魚は片付いた……ということは次に来るのは……?


それでは明日も11時に公開となるため、迷子にならないよう

良かったらブックマーク登録をよろしくお願いいたします。


それでは午後もお仕事、勉強、頑張りましょう!

明日、また続きをお楽しみください!



【お知らせ】5作品目、毎日21時に更新中


『千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~』

https://ncode.syosetu.com/n8017hs/


天界との戦に負け、アジアの島国・日本に堕とされた魔王。

魔力もなく、羽もなく、無一文になった魔王は

残された側近――美貌の秘書と2人の騎士のために

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その秘密が次第に明らかになり……。


Hなのにピュアな魔王のキュンキュンなところが見どころです。

全41話、毎日更新でサクサク読めると思うので

ぜひチェックいただき応援をいただけると幸いです。

ご訪問、心からお待ちしています!

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