表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●歌詠みと言霊使いのラブ&バトル  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/68

見てはいけないもの

俺たちは紫の元に駆け寄った。


小町と姫天皇ひめみことは感動で涙を流していた。


「お見事でした。紫。あなたは猿丸の動きをずっと目で追い、その時を待っていたのですね?」


業平の言葉に紫は頷いた。


「三霊獣が円陣に沈んだ瞬間、猿丸は残るは白虎のみ、と思い、白虎は確かに前へ出た。そして猿丸が打撃を放った瞬間、あなたは一度四神の守りの結界そのものを解除した。白虎に向け放たれた猿丸の一撃は、多重展開していた防御結界で受け、その結界は破壊された。


が、同時に結界が消えたその刹那に太刀の柄で猿丸に覇気を放った。そして再度四神の守りを展開し、白虎を猿丸に向かわせた。後は見ての通り。


白虎が結界を破壊し、あなたの四度目の大技で猿丸は大地に沈んだ……。猿丸の動きを読み、何度も頭の中でシュミレーションした動き、それを寸分の狂いなくやってのけた。素晴らしいです、紫」


そうだったのか……!


今、業平が指摘するまで、結界を多重展開していたなんて、気づかなかった。


猿丸の打撃を受け、白虎は消えたと思っていた。


吹き飛ばされる猿丸を追うように白虎が現れた時は、まるで手品を見ているようだった。


まさか一度結界を解除し、再度展開していたとは……。


紫は本当に強かった。



ホテルに戻ると、俺と蒼空と莉子先輩はレストランで食事となった。


言霊使い達は自由時間となり、それぞれどこかへ消えていった。


「いやあ、この合宿、やって正解だったね。実に楽しい時間を過ごすことができているよ」


莉子先輩はご機嫌で、そして白ワインを飲んでいた。

三日前に誕生日を迎え、莉子先輩は二十歳になっていた。


「猿丸は大丈夫なんですか?」


蒼空がメインディッシュのステーキを頬張りながら尋ねた。


「ああ、大丈夫だ。回復したよ。うちには右近と菅家がいるからね。美男美女にたっぷり力を注がれて、猿丸はビンビンだよ」


「師匠、相変わらず言葉遣いが卑猥ですね」


「思春期の少年には刺激が強いかな?」


「いえ、その程度ではもう動じなくなりました」


「それは残念。わたしももう少し勉強しないとな」


「ええ、ぜひそうしてください」


蒼空がニッコリ笑った。


今日は蒼空が一枚上手だった。



食事を終え、俺は部屋に戻った。


部屋の明かりはついていた。


あれ? 誰かいるのか。


俺は部屋に入り、持っていたカードキーを床に落とした。

どう、反応していいか分からなかった。


だって……。

ベッドで……。


横向きになった裸の紫を、裸の姫天皇ひめみことが後ろから抱きしめていたのだ。


これはどういう状況なんだ……?


いや、落ち着け。

二人は薄いシーツのような布を体にかけている。

今みえているのは肩と背中の一部だ。

裸ではないのかもしれない。


……。


だが薄い布が描くシルエットに服を着ている様子はない。


どうしよう、見なかったことにして部屋を出るか。

そうだ、これは見てはいけないものだったんだ。


俺がまさに踵を返そうとした瞬間


主様あるじさま⁉」


姫天皇ひめみことの声がした。


俺はギクッとして固まった。

振り返ることははばかられた。


「紫、主様あるじさまが戻ってきたので服を」


「え‼」


紫の動揺する様子が伝わってくる。


しばらく二人の衣擦れの音がして、そして……。


「大丈夫ですよ、主様あるじさま


姫天皇ひめみことの言葉に俺は恐る恐る振り返った。


きちんと服を着た二人がいた。


紫は頬を赤らめていたが、姫天皇ひめみことの顔に変化はない。


「えっと……」


俺の言葉に姫天皇ひめみことが答えた。



本日公開分を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


お酒が解禁された莉子先輩。きっと酒豪になりそう⁉


それでは明日も11時に公開となるため、迷子にならないよう

良かったらブックマーク登録をよろしくお願いいたします。


それでは午後もお仕事、勉強、頑張りましょう!

明日、また続きをお楽しみください!



【お知らせ】5作品目、毎日21時に更新中


『千年片想い~ピュアな魔王の純愛記~』

https://ncode.syosetu.com/n8017hs/


天界との戦に負け、アジアの島国・日本に堕とされた魔王。

魔力もなく、羽もなく、無一文になった魔王は

残された側近――美貌の秘書と2人の騎士のために

千年守った禁欲の誓いを遂に破るのか⁉

快楽を好む悪魔だったのになぜか童貞の魔王。

その秘密が次第に明らかになり……。


Hなのにピュアな魔王のキュンキュンなところが見どころです。

全41話、毎日更新でサクサク読めると思うので

ぜひチェックいただき応援をいただけると幸いです。

ご訪問、心からお待ちしています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ