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完結●歌詠みと言霊使いのラブ&バトル  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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無謀な挑戦

さて。


防御結界を展開するか。


ベランダに出ると、一度目を閉じ、深呼吸した。

そして防御結界の円陣を思い浮かべた。

青白く輝く幾何学模様が描かれた円陣が、左から右へ向かってその姿を現した。


「あ」


俺は小さく声を漏らしていた。

目の前に展開されている円陣は、空の守護者を召喚する防御結界の円陣ではない。

これは四神の守りで使う円陣だ……。


青白い光を放つ円陣は完璧に思えた。


蒼空は四神の守りの防御結界を展開するには、歌詠みの力を相当使うと言っていた。


でも、正直、俺は歌詠みの力をほとんど使っていない。

それに秘められた俺の歌詠みの力は強いと言われていた。


……だったら、もしかしたら……。


俺はダメもとで試してみることにした。

俺は落下する紫の姿を思い出し鋭く叫んだ。


「防御結界、展開。四神の守り、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武、召喚!」


あの時、紫は身を挺して俺に結界を展開させる集中力を引き出してくれた。


その経験は俺の脳にしっかり刻まれ、紫を落下させてはいけない、と思うことで、蒼空から習ったすべての結界を展開させることができていた。


……。


ダメか?


……!


ゆっくり、青龍、朱雀、白虎、玄武の姿が現れた。


やった!


そう思った瞬間に、霊獣の姿は消えてしまった。


いけたと思ったのにな。ダメか。


その時だった。


女性の「泥棒! ひったくりよ」という叫び声が聞こえた。


ベランダから通りを見ると、少し離れた場所から男がこちらへ向け、走ってくるのが見えた。


俺は歌詠みの印に集中し、男の姿を再度見た。


……!


ひどい。

もう男は穢れと同化しているような状態だった。


俺は歌詠みの印がある左手を握りしめると右手で左手をつかみ、人差し指を立てた。


そしてその人差し指を口元に寄せると


「諸々の禍事まがごと 罪 けがれ 有らむをば はらへ給ひ清め給へと まをすことを 聞こし召せと かしこみ かしこみ もまをす」


歌詠みの印が青白く輝いた。


手をほどき、左手をひったくりの男の方に向けた。


青白い光が穢れに向かって放たれ、光に触れた穢れは、あっという間に消失した。


良し!


……⁉


俺は腰が抜けたようにベランダに座り込んだ。


あれ、どうしたんだ⁉

そうか、初めての祓いをやって、俺、腰が抜けたのか。


……‼


ベランダの柵を掴む二本の手が見えた。

ここ、二階だぞ……⁉


「え⁉」


左手が柵を離し、こちらに腕を伸ばしてきた。

俺は慌てて後退しようとするが、腰が抜けて動けなかった。

しかも驚きのせいなのか、声もでなかった。


俺はただ、目の前で起こることを見ているしかなかった。


ベランダにぶら下がっている相手は頭頂部しか見えず、誰なのか分からなかった。

ただ、俺に向けて伸ばされた腕は、何かを掴むように必死に動いていた。

不幸中の幸いで、その腕はぎりぎりで俺には届いていなかった。


だが。


その腕が次第に黒い靄で包まれた。


穢れだ!

歌詠みの印を。


左腕は動かないが、歌詠みの印に集中すれば……。


しかし、歌詠みの印は光らない。


黒い靄が俺の脚に落ちてきた。


本日公開分を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


湊は結構チャレンジ精神旺盛です。

が、失敗も多いようです……。


それでは明日も11時に公開となるため、迷子にならないよう

良かったらブックマーク登録をよろしくお願いいたします。


それでは午後もお仕事、勉強、頑張りましょう!

明日、また続きをお楽しみください!

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