表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●歌詠みと言霊使いのラブ&バトル  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/68

褒めている? 呆れている?

紫のおかげで、俺はとても強力な防御結界を展開できるようになった。


小町によると、風神・雷神を召喚した防御結界は、言霊使いでさえ、相応の訓練をしないと展開できないという。この結界を俺が展開できたことに、小町はとても驚き、喜び、そして少し残念がった。


主様あるじさまが強くなりすぎると、小町が不要になってしまうのではないかと心配です」


「いや、それはないから。俺が展開できる結界って今のところこれ一つだし。小町は必要だよ」


「本当ですか~」


なんだか小町まで姫天皇ひめみことのように甘えん坊になってきたのは気のせいか⁉

紫の言う通り、少しビシッと言わないといけないのだろうか……。


「というか、主様あるじさまが防御結界を展開できるようになったのは嬉しいですが、紫と抱き合っていたことには納得できません」


姫天皇ひめみことはさっきからご機嫌斜めだ。


「だからあれは、俺が無茶して屋根からジャンプして、落下していたのを紫が助けてくれたんだよ」


「だとしても、なんであんな情熱的に抱き合う必要があるんですか‼」


「情熱的って……。そんなわけないだろう。俺はつかまるものがないから必死に紫にしがみついていただけだ」


「むううう」


でも姫天皇ひめみことはそこで怒るのをやめて俺を見た。


主様あるじさま姫天皇ひめみことのことも、紫のように抱きしめてくれたら、許してあげます!」


「‼ でしたら私も……」


「おい、二人とも、蒼空に会いに行くよ」


俺の言葉に二人は「むうー」と恨めしそうに俺を見た。



蒼空との待ち合わせ場所は、歓楽街のそばにある駅前広場だった。


今日は天気も良く、俺のように待ち合わせしている人も多かった。


「待たせたかな、湊?」


振り返ると、綺麗な空がプリントされた白いTシャツにジーンズというラフな姿の蒼空が、笑顔で立っていた。


シンプルな装いだが、蒼空は身長もあるし、美形だった。


だからただそこに笑顔で立っているだけで、蒼空の姿をチラチラ見る女性が沢山いた。


「じゃあ行こうか、湊」


蒼空はそう言うと歓楽街に向かって歩き出した。


「蒼空、今日は結界と祓いについて教えてくれるんだよな?」


「そうだよ」


「それで歓楽街に向かうのか?」


「うん。ちゃんと教えるから安心して。それより、昨晩も大変だったね。まさか大将クラスの呪魂じゅこんがいきなり送り込まれてくるとは思わなかったよ」


「そう、それ。本当に、紫が来てくれて助かったよ。蒼空が送ってくれたのか?」


「いや、違う。いつも通り、巡回に紫は出ていて、呪魂を見つけたんだ。それでその後を追ったら、湊のところだったんだよ」


「そうだったのか」


「大将クラスの呪魂と聞いたから、和泉たちも向かわせようと思った。でも白虎が援護に入り、湊の姫天皇ひめみことのサポートもあるから大丈夫って言われて。無事倒すことができて良かったよ」


蒼空はそこで俺を見て微笑んだ。


「まさか紫の防御結界に現れた白虎を動かすなんて、湊、君は本当にすごいよ」


「え、そうなのか……? 蒼空もできるんじゃないのか?」


「まあ、やろうと思えばできなくはないけど……。相当力を使うし、僕なら他の方法を使うかな。何より防御のために呼んだ霊獣を攻撃に使うなんて、湊だから思いついたんだろうね」


「褒められているのか、呆れられているのか……」


「呆れつつ、でも褒めているよ」


「……今回の呪魂は誰だったんだ?」


「うん。紫に聞いたら、蘇我そがの 入鹿いるかだった」


「え、マジで⁉ 普通に授業で習った人物だけど」


「だろうね。ここまでの大物を出してくるってよっぽどだよ」


「ホント、信じられない……」


「湊、他人事だね。狙われたのは君なのに」


そうだった。


「でもなんで、俺、そんなに狙われるんだ? 新しい歌詠みってそんなに叩かれるものなのか⁉」


「まあ、若い芽を摘む、という言葉もあるから、その可能性も否定できないけど……」


そこで突然、蒼空が立ち止まった


この投稿を見つけ、お読みいただき、ありがとうございます。

また昨日に続き、来訪くださった方も、本当に感謝でございます。

今日は2話公開です。引き続きお楽しみください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ