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完結●歌詠みと言霊使いのラブ&バトル  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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モテ期⁉

「あっ」


左手の歌詠みの印が円陣と同じように青白く輝いていた。


主様あるじさま!」


小町と姫天皇ひめみことがすぐ横にいた。


主様あるじさま、御無事ですか⁉」


小町が泣きそうな顔で俺を見た。


主様あるじさま、なんですぐに呼んでくれないのですか!」


姫天皇ひめみことが泣きながら俺に抱きついた。


二人のことを呼ぶ……。


そうか、その方法があった。


目の前の出来事で頭がいっぱいで、そのことを失念していた。


「二人ともよく戻ってくれたね」


俺の言葉に小町は


「歌詠みの印が発動したので、主様あるじさまの身に何かあったのかと思い、急ぎ戻りました」


「そうなのか。……この歌詠みの印はどんな時に発動するんだ?」


「それは歌詠みとしての力を使った時です……」


小町はそう言うと周囲を見渡し


「これは四神の守りを使った防御結界ですね。防御ステータスの言霊使いでも、難易度が高い結界です。結界を展開しながら同時に四霊獣を召喚するのですから。まさかこれを主様あるじさまが歌詠みの力で展開したのですか?」


「まさか。これは紫が」


「紫がいるのですか?」


俺は西の方角を指さした。


「あそこで戦闘をしている。そうだ、姫天皇ひめみこと、紫は怪我をしている。治癒を頼めないかい?」


「えーっ! 姫天皇ひめみこと主様あるじさまの言霊使いです。主様を守るためにおそばにいます!」


「いや、ここには小町がいるし、防御結界もある。紫を助けてくれ、頼む、姫天皇ひめみこと!」


「むう。仕方ないですね。戻ったら抱きしめてくださいますか?」


「ああ、分かった」


すると姫天皇ひめみことは目を輝かせ、次の瞬間には姿が消えていた。


ふわりと良い香りを残して。


主様あるじさま、なぜ白虎は戦闘に加わっているのでしょう?」


小町が西の方角を見て呟いた。


俺には戦闘が起きているとは分かるが、白虎はもちろん、紫も呪魂の姿も見えなかった。


だが、小町には見えているんだ……。


「紫は怪我をしていたんだ。呪魂の狙いは俺だ。俺のために血を流して戦う紫を助けたいと思った。それで白虎に紫を助けるよう声をかけてみたんだ。そうしたら歌詠みの印が輝いて……」


すると小町は手をポンとして微笑んだ。


主様あるじさま、それですよ。歌詠みも言霊使いも、想いを込めた言葉が力の発動につながります。白虎を動かそうと声を出した時に、主様の歌詠みの力が発動し、白虎は紫の元へ向かった。と同時に歌詠みの力が発動したことが私たちに伝わり、主様に何か起きた⁉と、駆けつけることになったのです」


「そうだったのか……」


ほどなくして、紫、姫天皇ひめみこと、白虎が戻ってきた。


「紫、大丈夫か⁉」


俺がそう尋ねるや否や姫天皇が抱きついてきた。


主様あるじさま、怖かったです~」


戻ったら抱きしめると約束していた。


俺は姫天皇ひめみことをぎゅっと抱きしめた。


主様あるじさま……♡」


紫はすっと俺から視線を逸らし、小町を見た。


「私は結界を解いてあるじの元へ戻る。後は、大丈夫だな?」


「はい」


小町が頷くと紫は


「防御結界解除。四神の守りを解く。……白虎、ありがとう」


結界も四霊獣も姿を消した。


足元の円陣が消え、俺は落下する、と思ったが、そのまま宙に浮いていた。


主様あるじさま、私たちは重力に関係なく動けるので、大丈夫ですよ」


小町が微笑んだ。


姫天皇ひめみことが抱き着いているから落下しないのか……。


そうだ、紫は……。


紫の姿はもうなかった。


助けてくれてありがとう、その一言だけでも伝えたかったのに……。



翌朝。


俺は寝返りを打ち、腕が弾力のある柔らかいものに触れ、目が覚めた。


え……。


俺の横に小町の寝顔があった。


驚き、上半身を起こすと


主様あるじさま……」


腰に両手を絡めてきたのは姫天皇ひめみことだった。


こ、これは……。


左に小町、右に姫天皇ひめみこと


俺は三人で川の字になってベッドで寝ていたことに気づいた。



朝食の後、俺は二人をベッドに正座させた。


「小町、姫天皇ひめみこと、二人とも睡眠は必要なのか?」


俺の問いに小町が答えた。


「睡眠は必要ありません。ただ、寝ようと思えば寝ることはできます。寝てもかつてのように疲れがとれるとか、脳で記憶の整理を行うとか、そういうことをするわけではありませんが……」


「なるほど……。でも横になると楽とか、そーゆうのは?」


二人とも首を振った。


睡眠も横になる必要もない……。


けれどベッドで横になっていた。ということは……。


「夜、このベッドで二人が休むなら、俺は来客用の布団を床にひいて寝るつもりなんだけど……」


「それなら姫天皇ひめみこと主様あるじさまと布団で休みます」


「だからなんでそうなる⁉」


「え、それを姫天皇ひめみことの口から申せと⁉」


姫天皇ひめみことの顔が真っ赤になった。


姫天皇ひめみこと、お前は何を考えているんだ⁉ そ、そのもっと自分を大切にしろ‼」


「どうしてですか、主様あるじさま! 姫天皇ひめみことはすべてを主様に捧げたいだけなのに」


「だからどーしてそうなる⁉ 俺は歌詠みで姫天皇ひめみことは言霊使いだろう。そーゆう関係じゃないだろう」


「えー、どうしてそうなるんですか‼ 歌詠みと言霊使いで恋愛禁止なんて聞いたことありませんから! きっと蒼空と紫だってそーゆう関係ですよ!」


「こら、姫天皇ひめみこと、それは蒼空と紫に失礼だろう!」


「だって~~」


「あのな、姫天皇ひめみこと、俺だって思春期真っ盛りだ。横に姫天皇が寝ていたら、自分の欲望を抑えられない可能性だってある。でもそれは肉体の欲望であって、心からの欲望じゃないかもしれない。それで姫天皇が傷つくことになるのは俺が嫌なんだ。だから俺が寝ている時に忍び込むのは禁止」


「えー、それはヒドイですよ、主様あるじさま~。姫天皇ひめみことは主様になら何をされても……」


「あの……」


それまで黙っていた小町が口を開いた。


「私だって主様あるじさまの言霊使いなんです。どうして主様と姫天皇ひめみことの二人だけで話が進むのですか⁉ 私だって、私だって……」


小町が俺に抱きついてきた。


「ちょっと、小町、あなたなんで⁉」


姫天皇ひめみことだけ主様あるじさまを独占するのは見過ごせません!」


「な、だからって、小町、主様あるじさまから離れなさいよ!」


「嫌ですー」


これって俺のモテ期なんか……⁉

小町と姫天皇ひめみこと、こんな二人に言い寄られたら……。


俺は鼻血を出してぶっ倒れた。



本日公開分を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


モテ期……死語ですかね?

ともかく二人の言霊使いからモテている湊ですが……。


それでは明日も11時に公開となるため、迷子にならないよう

良かったらブックマーク登録をよろしくお願いいたします。


それでは明日、また続きをお楽しみください!

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