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24話

翌日、早速ではあったけど、庭園でのラフィー姉様との勉強会が始まった。

またしても重い空気の朝食を終え、私はそのまま姉様に引っ張られて書庫へ行き、必要な書物を手に庭園へと向かった。数名のメイドに指示を出し、テーブルの上には書物と紙とペン。そして、甘いものがずらりと並べられている。

流石に朝食を食べたばかりなので、私は紅茶とケーキを2つ(小さいもの)だけいただき、残りは全て姉様の口に運ばれて行った。


「なるほど、そういうことね」


姉様の教え方はとてもわかりやすく、スルスルと知識が頭の中に入っていく。レイモンドには悪いけど、彼以上にわかりやすい。

勉強する中で、私が理解できないことに対して説明するとき、私は元の世界の知識を例にあげて納得することが多々あった。そこが姉様にはひっかかったようで、彼女にも自分の事情を話した。本当はもう少し先に話そうと思ったけど、まさか昨日の今日で話すことになるとは思っても見なかった。

信じてもらえるか不安だったけど、意外とあったり受け入れてもらった。この世界では、そういうものなのだろうか?


「将来的にはそういう体と魂の違いを見分けられる事はできるけど、いまの私や兄様ではわからないは」

「じゃあなんで納得したんですか?」

「……昔、一度だけ会ったことがあるの。貴女と同じ様に、体と魂が違う人に」


昔、と言っても龍族にとっての他の種族の昔とはだいぶ違う様だけど、幼かった姉様が会ったその人は鳥族だったらしい。当然姉様には普通の鳥族に見えていただろうけど、父であるシュタルク様には違う様に見えていらしゃった。その時に、そういう存在がいることを知ったとのこと。


「見分けられるのは龍族だけですか?」

「私が知ってる限りではね。もしかしたら、他にも見える人はいるかもしれないけど」


そもそも、私の様な存在がかなり稀の様で、書物上に記されるほど人数がいない。というよりも、まず存在を認識されないらしい。

確かに、私もシュタルク様に言われなかったら自分が違う世界の人間なんて話はしなかっただろう。


「ところで、ヘルツは料理できるの?」

「え?んー、元いた世界ではそこそこできましたが、こっちでは環境が環境だったのでやったことがないですね」

「そう……」

「どうしてですか……」

「……貴女が口にしていた料理に、興味があるの。特にその……"おむらいす"と言うもの」


そういえば昨晩、夕食を食べに行く道中で食事の話をしていたことを思い出す。こっちの世界の料理の知識が無かったため、元の世界の料理について話をしていたけど……なるほど、私からしたら一般的だけど、姉様からしたら興味を光らせるものだったらしい。


「機会があれば、構いませんよ。似た味があれば、おそらくできると思います」

「ホント!約束よ」


前のめりで、これまた可愛らしい笑みを浮かべる姉様。本当に食べることが好きなんだなぁ。癒される。

大量にあったケーキなどがいつの間にか殆ど消えていたけど、そんなことがどうでもよくなるほどに、目の前でワクワクしている姉様に夢中になってしまう。

心配だなー、食べ物につられて変な人に引っかからなければいいけど。


「あ、ラフィーねー様とヘルねー様だー!」

「ねー様ぁー」


と、のほほんとしていると、不意に幼い声が庭園に響き渡る。

そこにいたのは侍女と一緒にお散歩をしている双子の姉弟。アンブル様とノブル様。あ、姉様に愛称で呼ぶ様に言われてるんだった……気をつけないと。


「お散歩?」

「うん!あ、お菓子食べてるの!?ずるい!」

「ズールー」

「二人もお勉強するなら食べてもいいわよ」


すると、途端に顔が歪む。二人は勉強が苦手の様だ。

まぁアンは明らかに庭を駆け回るタイプだし、ノーはそんなアンについて行くって感じだしな。


「あーあ、フィルにー様はなんでねー様のこと嫌いなんだろう。とっても優しいし、可愛いのに」

「ねー」


いやー、褒めてくれるのは嬉しいけど、君たちの方が可愛いよ。私の両手を片方ずつ掴んで顔を見合わせるなんて、え、可愛い。萌える。


「ねぇ、ヘルねー様。アンたちと遊ぼ」

「遊ぼー」

「んー、そうしたいのは山々だけど、お勉強があるからね」

「「えー」」


私も遊びたいよ。こんな可愛い姉弟と庭を走り回りたい。あぁ、本当に純粋でかわいい……今すぐにでも抱きしめたい。


「和んでるところ悪いけど、この子たちの年齢はすでに人間だった貴女よりも上よ」

「……へ?」

「龍族だもの。人間とは違うわよ」


ということはこんなに可愛いロリショタだけど、すでに十代後半以上だと!?恐ろしい……でも、やっぱり見た目に引っ張られてしまうから可愛いと思ってしまう。複雑だ。


「お二人とも、そろそろ戻りましょう。お勉強の邪魔になってはいけません」

「「はーい」」


彼らと一緒に散歩をしていた侍女さんが、二人にそう声をかけた。

手を繋いで先を歩く二人、侍女さんは私たちに一礼をして、二人の後をついて行く。


「あの侍女は、半龍なのよ」

「え、私と一緒ですか?」

「違うわ。半分龍族の方。もう半分は魚人マーメイドよ。服の下に鱗があるの」


ぱっと見はわからなかったけど、確かにほんのり磯というか海の様な、海水の匂いがした。

彼女の様な半龍は結構いる様で割合的には6割。ちなみに聖龍が3割で叛龍が1割だそうだ。


「さて、今日はここまでにしましょう。昼食が終わったら魔法の訓練。と、言いたいところだけど2時間ほど私は用事があるからその後になるけど」

「わかりました。では、部屋にいますね」

「そうして頂戴。書庫ぐらいなら行ってもいいから」


ということで、ラフィー姉様との楽しい勉強会は終了。

次が楽しみだなーって思ったけど、次は昼食……つまり、また地獄の様な時間が始まる。


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