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16話

徐々に熱が下がっていき、段々と周りの音も聞こえてくる。

体の力が抜けていき、どくどくと激しく動く心臓を落ち着かせようと必死に息をする。

終わった……景色が変わらない……じゃあ、私生きているのかな?

そのまま後ろに倒れて空を見上げる。空といっても、木々で覆われて全く見えないけど。


「ご苦労だった」

「シュタルク、様……わ、たし……」

「……あぁ成功だ。我が娘よ」


彼の手を借りながら体を起こせば、目の端に白いものが見えた。なんだろうと目を追えば、だらりと綺麗な白銀の糸があった。


「これって……」

「見てみるか?」


すると、目の前に鏡が現れた。魔法、かな……私は鏡覗き込む。そこに、今の自分の姿が映しだされた。

前とは全く違う、私の今の姿。


「驚いた。私の実の子でも、同じ髪と、同じ瞳はいない」


そこに映っていた私は、シュタルク様と同じ、青みがかった白銀の髪に、真っ赤なルビーのような瞳をしていた。ただ、頭から生えているツノだけは形が違った。なんというか、羊のツノに似ている。


「虹色順位は、知っているか?」

「はい。基本は赤が上位ですが、白髪は赤以上の魔力ですよね」

「あぁ。魔力の量は、髪か瞳の色のどちらかだが、我々龍族や精霊、妖精など、神聖に近い種族は、人間との魔力量の基準が違う」

「基準、ですか?」


簡単に言えば、魔力を入れる器が違うらしい。例えば、人間の魔力を入れる器を一般的なお風呂の大きさと考えるなら、龍族や精霊、妖精たちの魔力の器は、豪華な温泉宿の大浴場の大きさぐらい。つまり、それだけの差が人間と龍族にはあるということ。


「え、でも。それだけ差がある上にその中でも赤……白となればすごいことなんじゃ!?」

「あぁ。だから、魔法に関してはほとんどできないことはない」


子供のようないたずらっ子のような笑みを浮かべるシュタルク様……いえ、今からはお父様だ。

きっとこれから、私は知れなかったことたくさん知れる。

この祝福や寵愛だって、まだよくはわかってない。お父様の話では、龍族の国にそれらに関する書物が多くあるそうだ。


「それでは、国に帰るとするか」

「はい、お父様」


アンジュ、どこかで見てる?

あなたが諦めた世界……来た頃はとんでもないことばかりだで、最悪なことばかりだった。だけど、結果として最高のものになった。

でも、このままただ幸せになるだけじゃダメだ。あのクズども……家族も、使用人も、兵士も………アンジュを……私に酷いことをしたアイツらを放ってはおかない。


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