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No.01:ちょっと寄り道


「美味しいの?」

 雪奈が聞いてきた。


「普通かな。でも値段を考えたら、十分だと思うけどな」

 俺は答える。


 3月に入ると、随分寒さは和らいできた。

 俺たち高2の3学期も、もうじき終わる。

 来月からは、いよいよ高3だ。

 受験で忙しくなるだろう。

 

 そんなある日のこと。

 学校帰りの俺達はいつもの5人で、ちょっと寄り道しようという事になった。


 目的地のお店に着いた。

 オレンジ色の看板で、「吉松屋」と書かれている。


 今日のお昼休みに、たまたまあの有名な牛丼チェーン店の話になった。

 美少女3トップは3人とも、まだ一度も行ったことがないらしい。

 そりゃそうだろうな。

 それじゃあ学校の帰りに一度行ってみよう、ということになった。


 学生服5人が、ぞろぞろと店の中に入る。

 全員カウンター席に一列に並んで座った。

 そのうち3人は、美少女3トップだ。

 俺たちは、めちゃめちゃ目立っていた。


 俺と慎吾が大盛を注文。

 俺は玉子も付けた。

 雪奈が並盛。

 竜泉寺が小盛。

 ひなが超特盛を注文した。


「ひな、食えるのか?」


「多分よゆー。お腹すいたもん」


 そういえばこいつ、この間55センチのパフェ食ってたな。

 本当にどこに入っていくんだ?


         ◆◆◆


 俺と雪奈が付き合い始めてから、2ヶ月ちょっと経った。

 付き合いは順調だ。


 とはいっても、体の関係はまだだ。

 バレンタインデーのあの日、とてもいい感じになった。

 胸を触っても、雪奈は抵抗しなかった。

 ただ下半身に手をかけた時、雪奈は嫌がった。

「怖い……」と言われてしまうと、やはり何もできない。


 彼女だって覚悟がまだないんだろう。

 俺だって……経験がない。

 いろいろと時間をかけないといけない。

 まあこれから時間をかけて、ゆっくり進んで行こうと思っている。


 この辺の話を、この間慎吾ともした。

 ぶっちゃけ慎吾のところはどうなんだと。

 すると慎吾のところも、体の関係はまだらしい。


 竜泉寺に「万が一父親に体の関係がばれたら、慎吾の命の保証ができない」と言われたそうだ。

 それはちょっと笑えない。


 そういえば竜泉寺グループって、以前地方のリゾート開発をしたときに用地買収でちょっと黒い噂が立った事があったな。

 反社会的勢力を使って、強引な用地買収をしたとかなんとか……。


 まあ噂だけかもしれないが、竜泉寺昇一が一代であそこまで会社を大きくしたわけだから、いろんなことがあってもおかしくないだろう。

 いずれにしても慎吾の恋愛は命がけということになる。


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