33/34
かたち
世界は美しい
人間が誰一人居なくなっても
変わらず美しい
世界は美しい
世界が終末を迎えるとしても
何も変わらず
ただそのままに
人に魅せず迎えても
感動されず迎えても
何も変わらない
人に魅せるべくして生まれていないから
最後に残った人間は
最期に一つ言い遺した
美しい
彼か彼女はそこで朽ち
豊かな肥料となる
閑古鳥の大合唱
蟻のお散歩
魚は悠々と海水浴
自然の葦達は世界で生きてきた
綺麗な姿で生きてきた
自然な形で生きてきた
変わらない景色
煌々と輝く太陽
薄く煌めく月
そうであろうとしていなくても
自然の姿を見ていれば
ただ
美しい