第一話 何もかもが面倒くさい
「はぁ……」
と、蓮は学校から帰宅早々、即座に部屋のベッドに倒れ込む。
理由は簡単だ。
(学校とかマジでつまらねぇな)
勉強は出来ない。
体育があった日など最悪。
彼女は当然として、友達すらいない。
(しかも、学校行ったら宿題でるし……明日から不登校決め込むのも、良い手かもな)
けれど、それをしてしまうと実家の両親が、刺客を放ってくる可能性がある。
妹にああだこうだ言われるのは、マジでごめんだ。
「よ……っと」
と、蓮は勢いをつけてベッドから起きる。
そして、周囲を見回しながら思う。
「ま、家に帰ってきても、面倒なことだらけなのは変わらないんだけどな」
そんな蓮の視界に入る物。
それはゴミだらけの部屋だ。
一人暮らし故、捨てるの面倒くさがっていたらこうなった。
無論。
このままでは駄目なのはわかっている。
けれど。
(自分の暮らしを改めるとか、正直くそ面倒くさいんだよな)
まぁなるようになる。
なので、もう一度布団にダイブを決めよう。
と、蓮がそんな事を考えたまさにその時。
こんこん。
と、聞こえてくるノック音。
通販で買ったエロゲが届いたに違いない。
そんな事を考えながら、蓮はドアの方へと向かう。
そして、扉を開く。
するとそこに居たのは。
「はじめまして、黒来蓮さん。私の名前は天宮寝狐。あなたの生活をよりよいものとするため、天界よりやってきた狐の神です」
そんな狐色ロングヘアの少女。
巫女服に狐娘のコスプレをした少女が立っていたのだった。