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山間ドライブ

作者: アリイチ

あらすじ

真夜中に峠を走る車が一台、その車内での会話劇


大学時代に作ったボイスドラマのセリフ部分をアップしただけ。


登場人物

 川原光孝かわはら みつたか

 運転手、沸点が低く切れやすい

 山本信治やまもと しんじ

 テンションが高い馬鹿

 海鳥美月うみどり みつき

 クールさん

 水澤結城みずさわ ゆうき

 マイペース、関西人

 草加静くさか しずか

 口数すくない、テンション低め

 女将

 モブ



===========================

暗闇の峠を走る車が一台。

川「今、何時だ?」


山「えーっと、午後11時をお送りします。」


川「おい。」


山「なに?」


川「なんか喋れ。」


山「なんで?」


川「いいから、しゃべれ!黙って運転してると眠くなるんだよ!」


山「えー、旅先とかけまして。」


川「なぞかけ!?」


山「だって、喋る内容なんてもうないよぉ。」


川「えぇい、いつもは黙れって言っても喋るくせしやがって!」


山「まさか、こんな時間になるとは...。」


川「お前が鍾乳洞で迷子になるからだろが!」


山「なにおう、なにも言い返せん!」


水「言うてることが、さっきと真逆やな。」


海「やめなさい。二人とも」


草「喧嘩ダメ、絶対」


川「なんだよ!こいつが馬鹿だから悪いんだろ!」


山「否定できん!」


川「黙れぇ!」


草「でも、悪いのは山本くんだけじゃない...」


水「道に迷ったんは、きみが近道やって言うたんが最初やん?」


川「うっ」


山「そうだ、そうだ。俺が迷子になったの差し引いても、

  お前が迷ったのが決定打じゃん、俺、汚名挽回じゃん。


海「挽回するのは名誉にしときなさい。」


水「汚名は返上しよな。」


川「なんっだよ!おまえ、こいつにやさしくねぇか!」


草「それは、そうだよ。」


海「だって、この車は信治の家の物で、宿も知り合い価格で安くしてもらってる。」


水「そうなんや。」


山「あ、さっきメールしたら晩飯、着いたらすぐ出してくれるって。」


草「役にたってる。」


川「認めたくねぇー!」


海「役にたたないあんたは黙って運転しときなさい。」


山「ちょw流石にかわいそうになってきたからやめたげてw」


川「お前に同情されんのが一番かわいそうだわ!」


草「どうでもいいけど、旅館、どれくらいで着きそう?」


水「そうそう、どんくらいで着くの?」


山「えーっと、もうすぐ着くと思うけど...あ。」


川「どうした?道間違えたとか言わねぇよな?」


水「どうなん?」


海「もし、そうだとしたら、功労者でも殴るわよ?」


草「異議なし。」


山「違いますぅ、道はこの道沿いにありますぅ。」


草「だったら、なに?」


山「いやね、このあたりで、よく出るって噂が...。」


川「やめてよ、ほんとにでそうなんだから!」


草「意外、海ちゃんは幽霊とか信じてないと思ってた。」


海「信じてないけど、怖い話は嫌いなの!」


川「ほー、よし、信治話せ。」


山「んじゃ、始めまーす。」


海「やめてぇぇえぇ!?」


川・水・草「まぁまぁまぁまぁ。」


山「どっかの大学のサークルで、今、向かってる旅館に行こうとしてたらしいんだけど、途中で迷って着くのがだいぶ遅くになったらしんだ。」


川「まんま、今の俺らだな。」


山「で、いそいで向かってたんだけど、この先の急カーブ曲がりきれなくて、崖からおちたんだ。」


草「ありがち。」


山「落ちた車に乗ってたのは五人。四人は助かったんだけど、一人は死んじゃったんだ。」


海「聞こえない聞こえない...」


山「それから、夜中にこの道通ると、その死んだ一人が旅館に行きたがって、車に乗り合わせるって話。」


川「怖いか、これ?」


草「正直、微妙...。」


海「でも、今乗ってるかもしれないんでしょ?」


水「かもなぁ。」


草「噂だし、よくある話。暇つぶし程度に聞いてればいい。」


川「乗ってくるだけだしなぁ。」


山「ちなみに。」


草「ん?」


山「乗った車が崖から落ちるらしい。」


川「さらっと事いうなよ!」


海「死ぬ、あたしたち死んじゃうんだ!」


水「キャラ壊れた!」


川「うお、暴れんな海鳥!草加押さえろ!」


草「落ち着いて、噂だから」


山「あ、そのカーブ。話のとこね。」


川・海・草「ぎゃぁぁぁぁああぁぁぁああぁあ!?」


山「おぉ、ドリフトカーブ。」


水「余裕やな君。」


川「乗りきった、乗り切ったぞ!」


山「ちなみに、別の話で翌日誰かが死ぬって噂も」


水「それはホンマ。」


海「黙りなさい!黙って旅館の場所をいいなさい!?」


山「ちょ、言ってる事が無茶苦茶。」


海「どこよ?どこなのよ!?」


山「ちょ、見えてるから、もう見えてるから後ろから首絞めない...。」


川「山本ぉぉぉぉぉ!あれか旅館。」


草「早く入る。海ちゃんが山本くんを絞め殺す前に!」


        ・・・


川「よし!到着。草加、海鳥降ろせ。」


草「海ちゃん、着いたから旅館に着いたから、降りよう。」


海「うぅぅぅぅ、くぅちゃん、怖いよぉ。」


水「誰や、この弱々しい子。」


山「三途の川って、綺麗だった。」


川「臨死体験だな。とりあえず、旅館に入ろうぜ。」


山「そうだねぇ、あぁ、空気がおいしい。」


川「いくぞ、すいませーん。」


女将「はーい、いらしゃいませ。」


山「お世話になります。」


女将「あら、坊ちゃん?お顔色が優れないようですが?」


草「いろいろ、ありまして。」


女将「そう、なんですか?とりあえず、お夜食ご用意いたしますね。」


海「お腹へってきたわね...。」


草「いつもの調子に戻ってきた。」


女将「あ、ご予約の確認なんですけど。」


山「はい。」


女将「映画サークル、四名様でよろしかったですしょうか?」


山「はい。」


〈了〉








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