知らない屋敷に来ました。
いやぁ、別作品の締切に追われてこっちになかなか時間を避けなかったんです。忘れてはいません。えぇ、本当に忘れてはいません。
いや、だって、さっきは半分以上書き終わったのに、携帯の充電が切れて全部パーになっちゃって一瞬やる気がなくなったんですよ!!
はぁ…。皆さん、充電にはお気をつけてください。
花粉と言えば3月ですが、私の地域では5月も花粉で悩まされる友人がいます。まぁ、花粉の種類が違うので、そのぶん3月は大丈夫らしいですが。
花粉症にも色々あったなぁと他人事のように思っています。だって、私は花粉症ではないので。
春宮玲の父、春宮勝正の表の職業は超世界的に有名なマジシャンだ。
だから、大金を持っていてもおかしくはない。だが、どこにでも例外はあるというもので…
「…。ここ、どこ?」
玲はどこにたどり着いたのか全く分からなかった。しかも、黒いスーツの男性たちとメイド服の女性たちが礼をして道を開けているなんて状況、初めてだった。
隣の父親は顔色一つ変えない。そして、幼馴染はただニコニコしている。この状況を理解できていないのは彼のみのようだ。
「ここはね、春家の当主、春宮家の屋敷。簡単に言うと、玲の実家」
「こんな屋敷、俺知らないぞ…?」
「まぁまぁ。ご当主様、5月とはいえまだ花粉症に悩まされている部下達もいます。そろそろ室内にお入りください」
「あぁ、そうだな」
隼人に言われるまま、一同は屋敷の中に入る。
屋敷の中はアンティーク調で統一されており、歴史を感じさせた。しかも、玄関に置いてある花瓶や壺などは特注の一点物だろう。普段見かけるものとは光沢が違う。
玲は自分の実家がこんなのだとは知らなかったので驚きの連続だった。
「玲はおじい様に会うのは初めてだったよな」
「おじい様?」
「私の先代だ」
どういうことが分からず困惑していると、その部屋は突然現れた。
「…。父さんこのドアは…?」
「この部屋におじい様がいる。まず、説明する前に会ってこい」
「分かった」
高級そうな扉を開けようとしたら急に開いた。
そして、その時は急に訪れた。
「よく来たね、我が孫よ」
扉の先の老人の顔は逆光で表情は見えなかったが自分が想像していた祖父とは全く違うと言うのだけは分かった。