第2部 全能女神は何思う
NIARです。
結構時間かかりました。
途中から寝かけたところがあるので、誤字脱字等は指摘してくださるとありがたいです。
「うっ……⁉︎」
視界が閃光に包まれる。俺は耐え切れず目を閉じた。
◆ー◇ー◆
暫く経ち、瞼から漏れる光が落ち着き、目を開けようとする。が。
サァ〜……。
屋内に居たはずなのに頰を一陣の風が撫でる。
そのあり得ないことに対して俺は「あれ?窓閉めてたよな?」ぐらいにしか考えなかった。
其処で俺は座っている感覚がないのに気付く。
流石に不思議に思い、ゆっくりと重い瞼を開ける。
其処には見慣れたディスプレイが……無かった。
地平線まで広がる草原。暖かい日光。青く静かな空。俺の思考は其処でフリーズした。
◆ー◇ー◆
〈…い…おー…おーい…おーい‼︎〉
耳元で若干叫び声にも取れる声が響き、意識を現実に戻す。
「はひっ⁉︎」
…突然だったので当然返事もこうなる。例えば学校で寝てる時、先生に声を掛けられる。あんな感じ。
っと。話が脱線した。意識を現実に戻した俺の視界に1番最初に入ったものは、
美少女の顔の超アップ版。
…うん、可愛い。…ん?美少女?……。
「——ふひゃ⁉︎」
……ニートには女性に免疫が無いのでこうなる。
〈気が付いた?私は全能神アイビスト。ようこそ、未知の世界へ。レルバート〉
……俺は暫くアイビストと名乗った少女の顔を眺めながら惚けていた。アイビストが「そ、そんなに見つめられると……」と、顔を赤らめながら視線を逸らし、呟いていたが、残念ながら俺の耳には入ってこなかった。
俺が無言なのに今更気づいたのか心配した様子で、アイビストが顔を覗き込んでくる。
「奈t……レ、レルバート?」
その一言を聞いた瞬間、意識は現実へ舞い戻った。
然し、俺が問いただそうと口を開く前にアイビストが口を開いた。
「あ、貴方には未知の世界。そっちの世界で言う異世界ね、に行ってもらうわ」
「あ、あの…きょ…拒否k」
「拒否権はないわよ?」
アイビストは相変わらず口角を上げている。
即、拒否権を失った俺は数秒間黙っていたが、アイビストがその沈黙を破った。
「あ、異世界での体はあのゲームの容姿、能力をそのままにするから」
「なっ……⁉︎」
俺は絶句する。それを感じ取ったのか、アイビストがニヤッと笑った。
「へへへ。感謝して欲しいな〜お姉さん頑張ったんだよ〜?」
アイビストは先程の意地悪な笑みを壊し、にへらにへらと笑う。
そんな姿を見ていると……もう会えない妹の姿と重なって……。
「ありがとう。アイビスト」
スッっと俺はアイビストの頭を撫でる。……さらさらしてて凄い気持ちいい……。そして、つい抱き締める。
「ふぁ⁉︎……へへへ……」
アイビストは少し驚いたような素振りを見せたが、直ぐ表情を崩し、頰を赤く染めながらにやにやと笑っていた。俺はアイビストを撫でながら青い空を見上げていた。密かに溜まる涙を漏らさないように。
◆ー◇ー◆
「これが惚れた女の弱みなのね……」
アイビストが真っ赤になりながら何か呟いているが聞こえないので無視をする。
「……基本的には【 DTO 】と同じなんだよな?」
俺は顔だけをアイビストに向けながら言う。
「そうよ……まず、説明をしましょうか」
アイビストの説明は異常に長かったり、妙な言い回しが多かったので省略。
……簡単に纏めるとこうだ。
——最強を与えるから、異世界を死ぬ気で救って来い。
次回は一週間以内には出します。